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部位別がん基礎講座

大腸がん

※株式会社法研からの情報提供により掲載しております。
以下の掲載については、本事業において内容を保証しているものではありません。
【食生活の欧米化に伴って急増】食の欧米化に伴って、大腸がんになる人は年間約10万人と急増しています。また、がんのなかで大腸がんによる死亡者数は男性第3位、女性第1位です。しかし、大腸がんは早期であれば完治が可能で、治癒率の高いがんなのです。
東京都立駒込病院 外科部長 高橋 慶一 先生
【指導】
東京都立駒込病院
外科部長
高橋 慶一 先生

【検査】早期は自覚症状なし 発見の決め手は検査

大腸がんは、がんのできた場所によって直腸がんと結腸がんに分けられます。なかでも直腸やS状結腸にできることが多く、ここにがんができた場合、便の表面に血液や粘液が付く、便が出にくい、便が細くなる、肛門に違和感がある、便秘と下痢をくり返すなどの自覚症状が現れることがあります。しかし、大腸がんの早期にはほとんどが無症状です。
大腸がんの患者数はこの20年間で約4倍にふえ、背景には食生活の欧米化があると考えられています。がんによる死亡者数でも大腸がんは男性第3位、女性第1位と高いのですが、これは、早期では自覚症状がないため、発見されたときにはすでに進行している人が多いからです。
一方、大腸がんは治りやすいがんで、早期に発見して治療すれば完治も可能です。そこで、厚生労働省は検診の受診率を上げるために、平成23年度から、40・45・50・55・60歳の人を対象に、大腸がん検診の無料クーポン券と検診手帳を配り、受診希望者に便潜血検査のキットなどを送付することにしました(※)。大腸がんで命を落とさないために、ぜひ、定期的に便潜血検査を受けましょう。また、この検査で陽性反応が出たら、必ず大腸内視鏡検査を受けてください。

※詳細については居住地の市区町村にお問い合わせください。
■ 簡単で有効な「便潜血検査」
簡単で有効な「便潜血検査」
大腸がんの6~7割が発見できる有効な検査方法です。専用スティックで便の表面をできるだけ広い範囲で縦横に動かし、便を採取します。その中に血液が混じっているかどうかを調べる検査で、わずかな血液も感知します。
■ 大腸がんの分類
大腸がんの分類
長さ約1.5mの大腸は、大きく結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に分けられ、結腸がんと直腸がんでは治療法が異なります。がんができやすいのはS状結腸と直腸で、全体の約7割を占めています。

【治療】1. ごく初期で条件を満たせば内視鏡治療が可能

大腸がんのステージは0~Ⅳ期の5段階に分けられます。0期とⅠ期の一部に相当する早期がんのうち、がんの直径が2cm以内、がんが粘膜下層の浅層にとどまっているという2つの条件を満たしていれば、開腹しないですむ内視鏡治療も可能です。
大腸がんのステージ
大腸がんのステージ
きのこ状のがんにはポリペクトミー
きのこ状のがんにはポリペクトミー
上の写真のような、きのこ状の茎のあるタイプのがんに行われる治療です。内視鏡の先端から出したスネアという金属の輪を茎にかけて、高周波電流でがんを根元から焼き切り、切除したがんは肛門から取り出します。からだへの負担が少ない治療法です。
平坦ながんには内視鏡的粘膜切除術
平坦ながんには内視鏡的粘膜切除術
デノボがんと呼ばれる、上の写真のような平坦な形のがんには茎がないので、がんの下の粘膜下層に生理食塩水を注入して、がんを盛り上げてスネアをかけます。スネアを締めて高周波電流を流し、がんとその周辺の細胞まで広い範囲を焼き切り、肛門から取り出します。

【治療】2. 結腸がん・直腸がんの負担の少ない手術法

治療の柱は手術です。結腸がんは、開腹してがんとその前後10cmほどの腸管、転移の可能性があるリンパ節を切除するのが基本ですが、腹腔鏡手術も普及してきました。直腸がんでは肛門機能を残せるケースがふえています。
大腸がんのステージと治療法の目安
大腸がんのステージと治療法の目安
治療の柱は手術で、基本は開腹だが、ステージによってはからだへの負担が少ない内視鏡治療や腹腔鏡手術が可能。
進行した結腸がんも対象に腹腔鏡手術
おなかをガスで膨らませ、4~5カ所の小さな孔をあけて腹腔鏡(内視鏡の一種)や手術器具を入れます。おなかの中の状態をモニター映像で確認しながら腸管やリンパ節を切除し、残った腸管をつなぎ合わせます。切除した組織は、おなかを5mmほど切開してそこか ら取り出します。開腹しないので傷が小さいため、術後の痛みが軽く、癒着がおこりにくいのが長所です。しかし、手術時間は開腹より長くかかり、すべての医療機関で行えるわけではありません。
腹腔鏡手術
▲腹腔鏡手術
おなかに小さな孔を4~5カ所あけて腹腔鏡や器具を入れ、手術する。
腹腔鏡手術でできる傷
▲腹腔鏡手術でできる傷
以前は、内視鏡治療が難しい早期の結腸がんを対象にしていましたが、最近はある程度進行した結腸がんや直腸がんにも行われるようになっています。
肛門を残せるケースがふえた肛門機能温存術
直腸の周囲には肛門を締める肛門括約筋があり、排便をつかさどる自律神経も走っています。そのため、直腸がんの手術では排便機能を残せるかどうかが重要になってきます。肛門機能温存術は、肛門や肛門括約筋を残して、がんとその周辺の直腸だけを切除するもので、手術後も肛門から自然に排便することができます。
かつてはがんが肛門から3~4cm離れていなければ対象にならなかったため、直腸と肛門を切除して人工肛門をつくるケースが大半を占めていました。しかし最近は、がんが肛門の近く、場合によっては1cmぐらいのところにあっても機能を温存できることがあり、術後のQOL(生活の質)を保てる人がふえています。
肛門機能温存術
▲肛門機能温存術
肛門や肛門括約筋を残して、がんとその周辺の直腸だけを切除し、残った腸管をつなぎ合わせる。
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情報提供元:法研
本ページの掲載内容は、2011年時点の情報です。
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