企業における治療と仕事の
両立支援に関する取り組みについて

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作成日:令和8年2月17日

このサイトに掲載されている情報は、作成時点における内容に基づいて構成されています。

国・学会等の指針や法令・判例等の更新により、規定内容や解釈・運用が変更される場合があるため、本サイトは随時更新を予定しています。

このサイトにおいて、治療と仕事の両立支援を、『会社が実施する場合』は、医療職(医師・看護師等)がいることを前提としています。

今後の議論や調査により、医療職がいない場合にはどのように運用すべきかなど、徐々に活用していただける範囲を広げていく予定です。

はじめに

がんは、いまや誰にとっても身近な病気です。
治療技術の進歩により、多くの人ががんと向き合いながら働くことが可能になりました。
企業にとっても、従業員が安心して治療と仕事を両立できる環境を整えることは、
健康経営®の視点からも重要なテーマとなっています。

本サイトでは、「職域でのがん検診」と「治療と仕事の両立支援」をつなげることで、
従業員の健康を守り、企業としての支援体制を強化するための考え方や実践的なヒントをご紹介します。
これから取り組みを始める企業の方にも、具体的に行動へ移すきっかけとして活用していただけることを目指しています。

※健康経営®は(NPO法人)健康経営研究会の登録商標です。

就労世代におけるがん罹患の実態

日本では年間約99万人ががんと診断され、そのうちおよそ4人に1人は働く世代(20〜64歳)。就労世代におけるがんの罹患する人は年々増加傾向にあり、治療と仕事の両立支援が求められています。

折れ線グラフ:就労世代の男女別がん罹患数2021年

出典 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(人口動態統計)

がん診断後の就労状況の実態

がんと診断されたことをきっかけに、約35%もの方が離職している現実があります。
診断直後の退職を減らすためには、治療と仕事を両立できる環境を整えることが重要です。
さらに、その体制を社員に正しく伝え、安心して働き続けられる職場づくりが求められています。

円グラフ:がん診断後の就労状況(2013年)

出典 静岡県立静岡がんセンター

両立支援に関するロードマップ

「がんになっても生きがいを感じながら働き続けることができる社会づくり」を目指すために、企業内で実施する両立支援の取り組みを体系的にまとめたロードマップです。
会社方針との親和性を意識しながら、社員とその家族を含む社内外への啓発活動を促進するためのガイドラインとなっています。

ロードマップのステップは以下の通りです。

現状把握(As is)
社員の健康状態やがん患者支援制度の調査・分析を行い、自社の特性を把握します。
計画策定(To be)
経営層や組織の理解促進、社内制度の設計・改善、社員リテラシー向上を目指します。
施策立案と実行(Action)
社内リソースや専門家を活用し、具体的な施策を設計・実施します。
施策の効果確認(Check)
社内広報活動や教育プログラムを通じて、施策の浸透と効果検証を行います。

理念(Vision)
『がんになっても生きがいを感じながら働き続けることができる社会づくり』を目指す

会社方針との親和性意識

1.現状把握 - As is 2.計画策定 - To be 3.施策の精度設計・構築 - Action 4.社内承認②/社内広報・浸透 - Check
(1)準備 (2)課題特定 (3)立案・企画 (4)社内承認①

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現状把握(As is)

社員の健康状態やがん患者支援制度の調査・分析を行い、自社の特性を把握します。

準備

がんに関する社内の取り組みを強化するため、社員の健康状態や属性、がんに関する社内制度・支援体制の実態を把握し、定量データの収集・分析を進める。
また、啓発活動や施策の整理に加え、自社の特性を活かした対策につなげるための準備を整える。

課題特定

がん対策を進めるには、経営層の理解や社内の支援体制の有無、制度面の整備状況、従業員のリテラシー、当事者へのサポート体制など、多角的な課題を把握することが重要。

参考資料

厚生労働省策定「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」

以下は、厚生労働省策定の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」です。

がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝炎などの治療が必要な疾病を抱える労働者に対して、事業場において適切な就業上の措置や治療に対する配慮が行われるよう、事業場における取り組みをまとめたものです。

詳細は厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」をご覧ください。

ガイドラインの構成と使い方

本ガイドラインは、「基本的な考え方」から「対応の流れ」「社内体制の整備」まで段階的に構成されており、企業が両立支援を計画的に進めるための実務的な指針となるものです。職場での制度設計や個別対応の参考として活用いただけます。

支援段階ごとの整理

「現状把握」「計画策定」「施策実行」「効果確認」の4段階で、両立支援の全体像を整理。自社の取り組みを段階的に見直すための指標として活用できます。

現状把握(As is)パートに関する好事例

企業事例一覧

計画策定(To be)

経営層や組織の理解促進、社内制度の設計・改善、社員リテラシー向上を目指します。

立案・企画

定性・定量の目標を設定する際は、短期・中期・長期での評価基準を明確にし、社内リソースや専門家を活用しながら制度を整備・見える化することが重要。
加えて、従業員のリテラシーや意識向上を図るとともに、他社との比較を通じて自社の立ち位置を把握する視点も求められる。

社内承認①

取り組み施策を検討する際は、社内連携や巻き込み体制を強化し、施策ごとに設計・認証・承認のプロセスを明確に整えることが重要。
また、実行段階では社員への丁寧な周知と教育活動を通じて、施策の理解と定着を図ることが効果的。

参考資料

体制整備に必要な要素

両立支援を実効性あるものにするためには、「相談窓口の設置」や「勤務時間の柔軟な調整制度」など、社内体制の整備が重要です。

配慮の具体例

両立支援の現場では、業務負担の軽減や通院への配慮など、企業による多様な支援策が実施されています。代表的な取り組みを紹介します。

棒グラフ:がんと診断された従業員への具体的な配慮・取り組み (意向も含む/企業規模別) 出典:がん対策推進企業等連携事業における調査(がん検診受診率の現状調査、がん検診推進の取り組み、及びがん患者の就労支援の実態調査)

支援を担う専門人材と機関

両立支援を円滑に進めるうえで重要な、「両立支援コーディネーター」や「産業保健総合支援センター」などの役割や相談機能を設置することも必要。

個人情報の適切な取扱い

両立支援にあたっては、本人の同意取得や情報共有の範囲明示が不可欠です。企業は内部規定を整備し、適切な手続きのもとで情報を扱う体制が求められます。

計画策定(To be)パートに関する好事例

企業事例一覧

施策立案と実行(Action)

社内リソースや専門家を活用し、具体的な施策を設計・実施します。

施策の企画・実行にあたっては、厚生労働省のガイドラインや他社事例を参考にしつつ、社内外から意見を集め、柔軟に取り入れる工夫を行うことが重要です。
また、自社に合ったガイドラインやマニュアルを作成・周知することで社内理解を促進し、新たなネットワークやプログラムを構築していくことも求められます。

参考資料

ステップ1:本人からの申出

両立支援は、本人からの申出を起点に開始されます。支援にあたっては、診断書の提出や本人の意思確認が必要です。

ステップ2:医師との情報共有

勤務状況を記載した「勤務情報提供書」を主治医に共有し、就労の可否や配慮事項を明記した「主治医意見書」を受け取る流れを図で紹介します。

ステップ3:社内関係者による協議

産業医・人事・上司などの関係者が連携し、本人の状況を踏まえて支援内容や就業上の配慮方針を協議・決定します。

ステップ4:支援内容の実施

合意された配慮措置(勤務内容や時間の調整など)を実行に移します。状況の変化に応じて柔軟に見直すことも重要です。

活用できる様式・資料

勤務情報提供書や主治医意見書など、実務で使える様式をWord/PDFで掲載しています。入力例や使い方の解説もあわせてご確認いただけます。

公的助成制度(企業支援)

産業保健活動助成金や人材確保等支援助成金など、企業の両立支援に活用できる公的制度の概要や対象要件を紹介しています。

施策立案と実行(Action)パートに関する好事例

企業事例一覧

施策の効果確認(Check)

社内広報活動や教育プログラムを通じて、施策の浸透と効果検証を行います。

計画や施策を効果的に浸透させるには、社内(家族も含む)への継続的な周知・啓発活動は欠かせない。説明会や講習会の開催に加え、認知度や意識の変化を把握するためのアンケート調査も有効。
さらに、社外への情報発信・PRを通じて、企業の姿勢を広く伝えることも、取り組みの定着と信頼性向上につながる。

参考資料

ステップ5:継続的な見直し

治療や就労状況の変化に応じて、支援内容を定期的に再調整します。無理のない両立を継続するために柔軟な対応が求められます。

支援の実行と評価のサイクル(PDCA)

現状把握(As is)から理想像の設定(To be)、支援の実行(Action)、効果の検証(Check)まで、段階的に取り組むことで、継続的な支援体制の構築につながります。

成果の確認と改善

復職実績や制度の活用件数、従業員満足度などを可視化し、定期的に振り返ることで、支援体制の質を高める改善サイクルにつなげることが重要です。

施策の効果確認(Check)パートに関する好事例

コンソ40分科会活動「企業における治療と仕事の両立支援に関する取り組み」メンバー

葵機工株式会社
総務部 係長 佐々木 弥香
旭化成株式会社
健康経営推進室 保健師 山科 陽子
健康経営推進室 企画推進グループ長 内村 彩子
アフラック生命保険株式会社
社会公共活動推進室長 伊藤 春香
伊藤忠エネクス株式会社
人事総務部 人事課 健康管理室 保健師 日野間 佳子
エアロトヨタ株式会社
営業統括部 渡部 俊
人事部 HRウェルネスグループ 小杉山 亜希
SMBC日興証券株式会社
人事部 ウェルネス推進室 室長 森脇 三佳
人事部 ウェルネス推進室 山岡 寿成
人事部 ウェルネス推進室 保健師 門林 久恵
人事部 ウェルネス推進室 保健師 川尻 香奈枝
オリックス株式会社
法人営業本部 国内事業推進部 エクイティソリューション第五チーム 担当部長 小泉 忠夫
鶴山運送株式会社
労務安全管理 田村 克彦
津山物流センター 衛生管理者 菅田 洋子
研冷工業株式会社
取締役 経営管理部 部長 酒井 明美
サッポロビール株式会社
広報部ビール文化コミュニケーショングループ兼 人事総務部 プランニング・ディレクター 村本 高史
株式会社サンゲツ
人事部 健康経営推進室 村木 達也
サントリーホールディングス株式会社
人財戦略本部 人財戦略部 グループ健康推進センター 飯村 裕子
城北ヤクルト販売株式会社
総務部 次長 岡田 俊介
SOMPOひまわり生命保険株式会社
人財開発部健康経営グループ 佐橋 亮二
人財開発部健康経営グループ 福本 衣理
第一生命保険株式会社
生涯設計教育部 マネジャー 塩飽行平
人事部 健康増進室 保健師 馬場 敦子
人事部 健康増進室 ラインマネジャー 平岡 朋子
大東建託パートナーズ株式会社
人事部 健康経営課 東海林美香
人事部 健康経営課 保健師 飯塚 祐美恵
大同生命保険株式会社
人事総務部 吉村 啓佑
人事総務部 健康経営担当オフィサー 廣幡 恵
大同生命健康保険組合
常務理事 増岡 博史
中外製薬株式会社
人事部 小林 和也
長野朝日放送株式会社
信州元気プロジェクト本部 丸山 愛理
日本生命保険相互会社
新活動推進室長 河野 幸彦
地域振興支援室 課長補佐 美澤 優太
野村ホールディングス株式会社
カルチャー&エンゲージメント部 ヘルスサポートグループ長 河野 和絵
株式会社フジタ建設コンサルタント
管理部総務 三木 朋子
管理部 課長 徳川 慎也
株式会社ポーラ
経営企画部コーポレートブランディングチーム 重住 朋佐(主担当)
経営企画部コーポレートブランディングチーム 後藤 利佳子
経営企画部コーポレートブランディングチーム 増山 由梨佳
経営企画部コーポレートブランディングチーム 藤川 美香
株式会社堀場製作所
安全健康環境推進部 健康管理チーム 保健師 人見 和美
安全健康環境推進部 健康管理チーム 看護師 渡邊 はるか
安全健康環境推進部 健康管理チーム 保健師 西園 とも子
株式会社松下産業
代表取締役社長 松下 和正
ヒューマンリソースセンター 齋藤 朋子
LINEヤフー株式会社
グッドコンディションサポートディビジョン 保健師 黒川 知子
グッドコンディションサポートディビジョン 保健師 詫摩 美保子

※50音順で記載しています

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