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部位別がん基礎講座

大腸がん

※株式会社法研からの情報提供により掲載しております。
以下の掲載については、本事業において内容を保証しているものではありません。
【早期なら治る可能性は高いのに死亡率が減らない】新たに乳がんと診断される人は毎年5万人を超え、女性がかかるがん のなかではもっとも多いがんです。しかし、早期に発見して治療すれ ば9割以上は完治するといわれます。定期的に検診を受けましょう。
東京都立駒込病院 外科部長 高橋 慶一 先生
【指導】
順天堂大学医学部附属
順天堂医院乳腺科診療科長
齊藤 光江 先生
女性の16人に1人がかかる身近ながん
1980年代以降、日本では乳がんになる人がふえつづけ、いまでは一生のうち16人に1人が乳がんになるとされるほど身近な病気になりました。乳がんはほかのがんに比べて一般に進行が遅く、約1cmの大きさになるのに10年近くかかるのではないかといわれています。この段階で手術を受ければその後10年の生存率は9割以上です。
にもかかわらず、日本人の乳がん死亡率が減らないのは、乳房の健康への関心が低いからと考えられます。厚生労働省は、もっとも乳がんになりやすい40歳以上の女性に対して、早期発見のために2年に1回、マンモグラフィ検診を受けるよう推奨しています。
乳がんは適切な治療をすれば治りやすい半面、長期にわたって再発や転移の危険をはらんでいるがんでもあります。手術でがんを切除し、リンパ節への転移がないことが確かめられても、その時点では確認できない微小ながん細胞の転移が全身に散らばっている可能性があるといわれています。これが10年以上たってから再発や転移という形であらわれることがあります。手術のみで安心せず、転移リスクがある場合は術後の薬物治療にもしっかり取り組むことが大事です。
乳房のしくみとがんの種類
乳房のしくみとがんの種類
乳がんとは乳腺にできるがんの総称。乳腺は母乳をつくる「小葉」と、母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」からなる。乳がんのほとんどを乳管がんが占める。
乳房のしくみとがんの種類
非浸潤がん
乳管であれ小葉であれ、がん細胞が発生した組織のなかにとどまっているもの。通常しこりを触れず、手術でほぼ治る。
浸潤がん
がん細胞が増殖し、乳管や小葉の壁を破って周辺の組織に広がっているもの。転移や再発をおこす可能性が高い。

【検査】40歳を過ぎたらおすすめは「マンモ」+「超音波」の検査

マンモグラフィの受診率を他国と比べたグラフからもわかるように、日本人の検診受診率は大変低いのが現状です。乳房の状態によってふさわしい検診が異なります。40歳を過ぎたら、「マンモ」+「超音波」検査がおすすめです。
■ マンモグラフィの検診受診率(2006年・50 ~ 69歳の女性)
マンモグラフィの検診受診率(2006年・50 ~ 69歳の女性)
※ OECD Health Date 2009 より
乳房のX線検査 マンモグラフィ
マンモグラフィ
乳房のX線検査です。乳房をアクリル板ではさんで平らにし、通常は片方の乳房につき上下、左右から撮影します。しこりと乳腺は白く、脂肪は黒く写るため、脂肪の多い乳房ほどしこりが見つかりやすく、石灰化した病変を確認するのにも適した検査です。厚生労働省では各自治体を通じ、40歳から60歳までの5歳刻みの年齢の女性を対象に、マンモグラフィ検診の無料クーポン券を配布しています。(写真のの部分ががん)
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乳腺が発達した人に適した 超音波検査
超音波検査
超音波を利用した画像検査です。検査中、本人は寝ているだけで、痛みはなく、放射線の被曝もありません。乳腺は白く、しこりは黒く写るので、マンモグラフィよりコントラストがついて、乳腺が豊富な若い女性のがんでも発見しやすいのが特徴です。小さなしこりも写し出され、しこりの内部の様子もわかります。さらに、しこりの形や境目の状態を観察することで、良性か悪性かを判断することもできます。 (写真のの部分ががん)
▼ 上の検査でがんが疑われるときは以下の検査が行われます ▼
がんかどうかを確定する検査「細胞診・組織診」
細胞診は、病変部に細い針を刺して採取した細胞を顕微鏡で観察します。組織診には、病変部に太い針を刺す「針生検」と、画像を見ながら組織を吸引する「マンモトーム生検」があります。組織診は局所麻酔をして行われます。
治療方法を決めるための「MRI・CT」
治療法を決めるために、がんの広がりを調べる画像検査です。がんがあると、その部分には血管がふえるのですが、造影剤を注射してMRIで撮影すると、それがはっきり写し出されます。CTでは、転移の状況もわかります。
リンパ節への転移を調べる検査「センチネルリンパ節生検」
センチネルとは「見張り」という意味で、がんが最初にたどりつくであろうリンパ節をつきとめて、そこにがん細胞があるかどうかを調べます。がんがなければ、その先のリンパ節にも転移はないと考えられます。

【治療】局所治療と全身治療を使い分ける

乳がんの治療には、手術や放射線治療などがんのある部分に働きかける局所治療と、薬を用いる全身治療があり、病状などに応じて単独または、組み合わせて行われます。
【局所治療】「乳房温存術+放射線治療」は標準治療
標準治療とは、治療効果と安全性が国際的に認められ、専門医が現時点でもっとも推奨する治療法のことです。日本で行われている乳がんの手術の6割近くは、乳房を残す「乳房温存術」ですが、この治療を行った場合は、残した乳房からの再発を防ぐため、放射線治療を組み合わせて受けることが、標準治療とされています。
「乳房温存術」での切除範囲は乳房の1/4以下とされているので、対象はがんがその範囲内にある人に限られます。通常、乳房の形は術後もほとんど変わりませんが、変形することもあります。
また、術後の放射線治療の影響で皮膚ののびが悪くなり、術後に希望してもある種の乳房再建手術が受けられない場合があるので、主治医とよく話し、納得して治療法を選びましょう。
がんが乳房の1/4を超えて広がっている人や複数のがんが離れたところにある人、膠原病などで放射線治療が受けられない人は、乳房を全部とる「乳房切除術」が行われます。この場合、リンパ節高転移でなければ放射線治療は不要であり、乳房再建手術の選択肢も広がります。
■ 乳がん手術の6割近くは乳房温存術
乳房温存術+放射線治療
【全身治療】手術前に抗がん剤治療をすることも
近年、手術前に化学療法(抗がん剤治療)を行うケースがふえてきました。手術前なら乳房内のがんの変化を画像でみることができるので、抗がん剤を投与してがんが小さくなれば、薬が効いていることが確認できます。効かなかった場合は抗がん剤を変えたり、手術を早めたりするなど、適切な対処ができます。
がんが大きくて乳房温存術の対象にならない人でも、術前の抗がん剤治療でがんが小さくなれば、温存可能になることもあります。また、抗がん剤がよく効いた人は、再発が少ないとされています。
■ 術前化学療法で乳房の温存が可能に
手術前に抗がん剤治療をすることも
治療方法に迷ったらセカンドオピニオンを
セカンドオピニオンは、主治医の意見に加えて、別の医師の意見を聞くことです。診断を受け治療法を決めるとき、乳房再建手術を検討するとき、再発・転移の治療方針を決めるときなどに迷ったら、納得して治療を受けるためにもセカンドオピニオンを求めるといいでしょう。
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情報提供元:法研
本ページの掲載内容は、2011年時点の情報です。
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