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イベントレポート

中川議長が都内中学生のレポート取材を受けました。〜(その2)

荒井君 質問 日本と比べて検診率の高いヨーロッパとかアメリカでは、どういうがん教育が行われているのですか?

中川先生 それは、実際に高校とかにがんの患者さんが行って話したりしている。そもそも、がんで死んでいく人は日本で増え続けている・・・。今年どれくらいの人ががんで亡くなっていると思う?100万人ががんになって、37万人ががんで亡くなっていく。逆にいうと、6割近くが治っているということ。がんってどういうイメージを持っている?

荒井君 あまり身近にいないので・・・。

中川先生 祖父母の世代ががんになっても全然不思議じゃないですよ。相手がわからない戦いというのはろくなことがないんですよね。なんでもそうでしょう。

荒井君 質問 欧米は仕組みとして、組織型検診というのをやっていて、日本では似たようなものとして、対策型検診をしていると聞きましたが?

中川先生 それは同じものです。それは「論点」に書いてないけど、その「組織型」というのはどこで調べたの?

荒井君 検診について調べていたら、ネットとかで組織型検診というのが欧米でやられていると書いてあって、一方で日本のサイトでは対策型とされていました。

中川先生 対策型というのは、国が費用を出して行う「住民健診」だよね。これはエビデンス=有効だという証拠、それがあるものだけをやろうとしているんですね。実はヨーロッパでは医療って国がやっている。日本は医者がお金儲けをしようとしている国。アメリカもあるんだけど、ヨーロッパは基本的に役所が医療をやっているという感じ。だから検診というのも国がやろうとしている

荒井君 質問 欧米の国では医療を行っているから、儲けるという観点でないということですね。では、日本はなかなか検診率が上がらなかったり、進歩しなかったりというのは、利益のために、がん検診を阻止するというような団体があるのか?とか思ってしまうのですが、実際はどうなんでしょうか?

中川先生 実際、そういう点もなくはないんだよね。例えばこういう病院では基本的に検診はしない。少なくとも医療の中にはないんだよね。日本の医療というのは、病気になってから。だから人間ドッグというのは医療じゃない。だから健康保険が使えないんです。 医者の中にも予防というのは医療じゃないと思っている人がいる。あるいは、がんを手術したい医者にとって進行がんのほうがお金にも実績にもなる。例えば、胃がんが進行してすごくたいへんな手術、あるいは大腸がんになって骨盤の臓器を全部取る・・・子宮から膀胱から全部取り出して10数時間あるいは一日掛かりで手術をしたりすると、お金も高い。でも早期の直腸がんだと、外科医じゃなくて、内科の先生が内視鏡で取っちゃう。だから医者にとって早期発見というのは自分たちの仕事でもなければ、あるいはがんが、みんな早期発見されたり、みんながタバコを吸わずに肺がんが減ると、困ると言えば困る。面と向かって困るとは言えませんが、そういう側面もある。たとえば昔、結核が日本人の死因トップで、外科で手術していたが、薬で治る時代になったので、結核の外科医は全員失業した。結構そういうところがあります。

荒井君 質問 先ほどエビデンスという話が出ましたが、日本は胃がんと大腸がんと子宮がんと乳がんと肺がんの検診が推奨されていますが、アメリカでは子宮がん、乳がん、大腸がんの3つだけと書いてありました。それはエビデンスが証明されているけど、他の2つは証明されていないとありました。なぜ日本は胃がんと肺がんも行っているのでしょうか?

中川先生 まず検診というのは、全員にやって欲しいものなんです。対策型検診とはそういうこと。そうすると非常に珍しいがんに対して、検診ってやれないんですね。例えば、このがんになったら100%死ぬ。しかしこのがんは1万人に一人しかなりません、というものだと一生懸命やっても救える人の数は少ない。ある程度多くないと有効とは言えない。それこそ有効なエビデンスは出せない。ほとんどなる人がいない病気に検診をやったら死亡率が下がるとは言えない。実はアメリカってがんが少ない。白血病より少ない。

荒井君 それはなぜですか?

中川先生 アメリカのほうが衛生管理が良かったから。もっと言えば冷蔵庫が普及していたからです。アメリカでは胃がんがどんどん減った。胃がんは少ないがんだから、有効性を示すことができない。少ないがんというのは、対策型検診にならない。実は日本も減ってきていますが、まだまだ日本人がかかるがんのトップです。

荒井君 質問 では、現代は冷蔵庫とかが普及して、衛生面も向上している訳じゃないですか。将来は減っていくのですか?

中川先生 減っていきます。実際減っています。実は日本でも今まで40歳以上は毎年だったのが、50歳以上から2年に1回に変わります。今までほど濃厚にやる必要がない、ということです。肺がんについては、微妙です。そもそも肺がん検診ってエビデンスがあるのかどうかギリギリのラインで、ただ日本では死因のトップだし、これはやっても良いのではないかな?と。確かに肺がんとは際々のところにあるのは確かです。

荒井君 質問 日本に肺がんが多いのは、タバコの影響ですか?

中川先生 がん細胞が見つかる大きさは1センチくらいで、大体20年掛かるんですよ。そうすると今肺がんになっている人たちは、20年前のタバコが原因なんです。20年前の喫煙率は7~8割ですから、それが今肺がんになっています。これからは減っていきます。少し時間は掛かりますが。荒井君は将来医者になりたいの?ご実家もお医者者さん?

荒井君 いえ、実家は歯科医です。医者も良いかな?とは思いますが、まだ深くは考えていません。

中川先生 なるほど。ところで胃がんはピロリ菌が原因なんです。昔は衛生環境が悪かったわけでしょう。冷蔵庫がないから、腐りかけのものも多かったんですね。そうするといろんな菌が付くんだけど、ピロリ菌だけが胃酸のPh約3くらいで殺されちゃう。ピロリ菌はアンモニアを自分の周りに出します。アンモニアはアルカリ性だから、酸を中和しながら生きている。今日本で感染率は4~5割ですよ。60歳以上は8割。君たちはたぶん1割程度だと思う。ヘリコバクター・ピロリ菌というのが正式名称です。

荒井君 聞いたことがあります。

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