


ニュース番組がキャンペーンのきっかけでした
ある日、ニュース番組でとりあげた『関西のがん検診の受診率が全国的に低い』という事実。このデータをニュースとして発信して終わらせるのではなく、『よりよい社会を実現していくという放送局の使命に照らし、主体的に何かできないだろうか』という素朴な問いかけが、このキャンペーンのスタートでした。
今の日本は、生涯のうちで2人に1人ががんになる時代。今後、高齢化が進むとその割合はさらに上がるとみられています。2007年に「がん対策基本法」が施行され、がんの予防と早期発見の推進に国や地方公共団体が本格的に乗り出しましたが、まだ思うような成果が出ていません。私たちがキャンペーンをスタートさせた2012年は、がん対策推進基本計画(5年毎に変更)の見直しの年であり、新計画では「がん対策の普及啓発の強化」が謳われました。こうした動きも鑑みながら、放送局として、地域の人たちに向けて、がんに関するきちんとした情報を発信し、検診の受診率をあげていきたい、啓発によって、"救える命"を救いたい!という強い思いをもって活動を続けています。
そしてもちろん、私たち社員や一緒に働く人たちもみな一人の生活者であり、自分自身、家族、大切な人たちのことを考え、がん検診の大切さを伝え、受診を促しています。



社内に呼びかけてメンバーを募り、現在77名が活動中

私たちの活動は、医療セミナー、啓発イベント、番組連動、地域連携の4つのワーキンググループとPRチーム、それを束ねる運営委員会で構成しています。報道局からの呼びかけに、他のセクション(人事、総務、経営戦略、制作、編成、アナウンサー、ラジオ、技術、ITクリエーション、事業、東京支社(総務、営業)等々)の人たちが手を挙げ、現在77名が「放送人」としての矜持を持ち参加しています。
始めるにあたり、社内説明会を6回開催しました。社会の動きを伝える放送局の仕事はめまぐるしく、つい目の前のことばかりになりがちです。でも、放送局に入る時の気持ちは「社会を変えたい」だったはず。そこをアピールしたところ、さまざまなセクションから多くの社員が集まってくれました。
20代のアナウンサーから、リーダーである専務まで、さまざまな年代・役職のメンバーが参加していますが、このキャンペーンチームにはひとつだけルールがあります。それは「役職関係なし」。いい年のおじさんが若い社員の指示でビラくばりをし、イベント時には屋台や飲料などを運び、椅子を並べたりもする、アットホームな雰囲気で活動しています。メンバーにはサバイバーもいます。サバイバーが経験したことをメンバーみなでシェアできることもプラスになっています。
