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がんになった社員を辞めさせてはいけない、よく話し合い、その社員にあった就労形態を決めていく
今なお、世界で通用する名称「ダットサン」。これは、日産自動車の前身である快進社自動車工場の出資者である田健次郎氏(D)、青山禄郎氏(A)、竹内明太郎氏(T)の頭文字に、太陽を意味する(SUN)を付けたもので、495ccの小型乗用車である「ダットサン1号車」が完成したのは、1932年(昭和7年)のことでした。その後、創業者の持ち株会社である日本産業株式会社の100%出資となり、1933年12月、日産自動車株式会社が誕生しました。

日産自動車健康保険組合の歴史は古く、日産自動車株式会社を事業主とし、1937年に設立されました。以来、現在約70,000名の被保険者と、約80,000名の被扶養者を対象に、健診事業、疾病予防(健康づくり)事業、直営保養荘の運営、健康・医療情報の発信等を行っており、その取組みについて、日産自動車健康保険組合 日産メディカル(日産グループの総合健診センター)の青戸実所長、診療放射線技師の河内二朗技師長、並びに事業部の栗原克美主任にお話を伺いました。

がん検診受診率 ~ベンチマークに追いつけ・追い越せ~

特定健康診査・特定保健指導が開始された2008年4月以降、当健康保険組合では生活習慣病の予防と並び、がん対策に注力してきました。しかし、組合員が約150,000名と大規模なこともあり、がん検診の受診率は必ずしも高いとはいえないのが現状です。

 

2011年度のがん検診受診率ですが、胃がん検診※1で15.5%(対象者92,287名に対し、被保険者、被扶養者の合計で14,331名が受診~以下、同様)、肺がん検診※2で14.4%(対象者:93,791名、受診者:13,504名)、大腸がん検診※1で35.4%(対象者92,287名、受診者32,663名)、乳がん検診※3で22.4%(対象者:38,745名、受診者:8,696名)、子宮がん検診※3で25.2%(対象者:38,745名、受診者9,746名)となっています。

画像:日産自動車健康保険組合
▲ベンチマークは、2010年の厚生労働省のデータ

※1 対象者は、30歳以上の男女組合員
※2 対象者は、30歳以上の男性組合員+婦人科検診の対象組合員
※3 対象者は、婦人科検診の対象組合員

 

そこで、がん検診を受けていない多くの組合員の受診率を引き上げるため、当健康保険組合では、以下に例示する施策を講じています。

被保険者、被扶養者共、人間ドック及び脳ドック(30歳以上)では20,000円を補助しています(受診者負担額は、契約料金マイナス20,000円となります)。
被保険者、被扶養者共、レディースドック(年齢制限なし)では、契約料金の8割(受診者負担:2割)を補助しています。尚、日産メディカル(後述)におけるレディースドックは、基本検査項目に加え、豊富なオプション検査を用意しており、被検診者が自分に合った検診メニューを組み合わせることができます。
一昨年より、CTによる肺がん検診、胃がんリスク検査(ABC検診)、及びピロリ菌抗体検査については「単独がん検診」とし、人間ドックと切り離した受診(費用補助有り)が可能となりました。CTによる肺がん検診は、今年度からレディースドックのオプション検査に加えたところ、受診者が大幅に増加しました。また、ピロリ菌抗体検査では、陽性反応の受診者に対し、ヘリコバクターピロリの除菌まで行っています。
3年前から、女性の被保険者が多い職場を中心に、マンモグラフィの検診車を配車しています。2方向の撮影を1,000円で、15分単位で行っています。職場で手軽に受診できることから、受診者の100%が「来年も受けたい」と回答しています。
事業所が全国に点在しているため、契約医療機関は、全国に280カ所あります。
しかし、被検診者の利便性を高めたり、検診メニューを見直したり、健康保険組合として様々な施策を講じても、がん検診の受診率が飛躍的に向上するわけではなく、悩ましいところです。とはいうものの、当健康保険組合の事業主は日産自動車。がん検診受診率の向上を目指し、ある方策が導入されたのです。

受診率の向上を目指した、がん検診における「ゴーンイズム」

画像:日産自動車健康保険組合
▲「コミットメント」を達成し、更なる目標「ターゲット」へ!

日産自動車のカルロス・ゴーンCEOにより、「コミットメント」という経営用語が一躍有名になりましたが、実は、この「コミットメント」は、日産自動車における経営指標に対してのみならず、当健康保険組合の主要事業である「がん検診」の受診率※に対しても求められています。
※ 2010年度から、部位別のがん検診受診率に対し、コミットメントが定められました。

 

日産グループで「コミットメント」という場合、未達成の場合は、具体的なかたちで責任を負うべき「必達目標」を指します。2012年度の「がん検診受診率」におけるコミットメントは、2011年度の実績をベースに、厚労省データをベンチマークとして、胃がん検診で17%、肺がん検診で15%、大腸がん検診で36%、乳がん検診で22%、子宮がん検診で25%とされています。一方、コミットメントよりも更に高い目標は「ターゲット」と呼称され、必達目標と区別しています。2012年度の「がん検診受診率」におけるターゲットは、胃がん検診で20%、肺がん検診で17%、大腸がん検診で38%、乳がん検診で24%、子宮がん検診で27%を目指し取り組んできました。

様々な取組みの結果、2012年度のがん検診受診率の実績見通しは、胃がん検診で17.5%、肺がん検診で31.5%、大腸がん検診で38.1%、乳がん検診で24.0%、子宮がん検診で25.1%です。肺がん・大腸がん・乳がん検診ではターゲットを達成する見通しで、胃がん・子宮がん検診では、コミットメントを達成する見通しとなっています。

 

日産グループでは、「コミットメントを定めた以上、達成して当然」と考えられています。そのため、当健康保険組合は、毎月末における進捗状況を把握し、期末までに「いかに目標を実現させるのか」事業主と組合員代表に対して説明する責任を負っています。「このままでは達成が難しい」と判断されたコミットメントについては、達成に向けた具体的な方策の追加・見直しを求められるため、各担当は、月末、進捗状況によっては緊張することも少なくありません。

 

がん検診の受診率に、事業主におけるマネジメントの手法を導入し、必達目標とより高次の数値目標を設け、かつ月次で目標値の進捗管理まで行っている健康保険組合は珍しいかもしれません。しかし、立てた数値目標は、日々の積み重ねでしか達成を実現することはできず、進捗状況のモニタリングと(達成が危うい場合の)補正計画の策定は必須です。また、コミットしている以上、常にその達成が意識され、行動へとつながります。「コミットメント & ターゲット」は、今では日産自動車のDNAとして定着し、当健康保険組合における重点施策である「がん対策」においても、大きな効果が期待されています。

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