三井物産健康保険組合は、その翌年の4月に三井健康保険組合より分離独立する形で設立され、現在では三井物産株式会社を中心とする16事業所により構成されています。同健康保険組合は、各事業所で約8,500名の社員(三井物産株式会社では、約6,100名)と任意継続被保険者並びに約9,600名の被扶養者の健康管理に大きな役割を果たしており、そのお取り組みについて、三井物産健康保険組合の山添俊之常務理事、春木匠課長にお話をお伺いしました。
がん検診は、2種類の健診+オプション検査により実施
三井物産健康保険組合では、「がん検診」という名目の健診事業は実施しておりませんが、主ながん検診の検査項目を含む「人間ドック」事業を実施しております。全国34の健診機関との直接契約を柱に、35歳以上であれば被保険者/被扶養者を問わず(対象者計約10,000名)5,000円の自己負担で受診することができ、更に基本検査項目に加え、内視鏡による大腸がん検診・胃がん検診、ヘリカルCTによる肺がん検診及びMRI・MRAを用いた脳ドックをオプション検査として提供しております。
更に、女性に対しては、マンモグラフィー若しくはエコーによる乳がん検診、及び細胞診検査による子宮がん検診を、プラス2,000円の自己負担にて提供しております。
また、主に被扶養者を対象に、生活習慣病健診を実施しております(配偶者は年齢不問、35歳以上の任意継続被保険者、被扶養者を対象)。検査項目としては、人間ドックに比較するとやや簡易ではありますが、自己負担無しで「生活習慣病へのリスク抽出」に特化した健診を受診していただけます。また、対象者の大半は女性であることに配慮し、マンモグラフィー若しくはエコーによる乳がん検診及び細胞診検査による子宮がん検診を選択により受診していただけるようにしています。
以上、2種類の健診事業により、組合員の健康維持、疾病の予防と早期発見を図っています。
健診内容の精査と充実化を図ります
従来、健診メニュー(検査項目)は契約先の健診機関にお任せしていたのですが、入院した被保険者のうち、約6割が「がん」と「動脈硬化」である現実を踏まえ、今後は、その2項目についてどこまでカバーできているのか、健康保険組合としても検査項目の精査を図っていきたいと考えています。尚、当組合における40歳以上の組合員の喫煙率は、約23%です。全国平均といわれる30%は下回っているものの、今後は禁煙の啓発活動にも注力し、喫煙率の更なる低減を推進していきたいと思います。
今のところ、現行の検査項目で、代表的な「がん検診」についてはカバーできていると考えていますので、今後は、従来カバーされていなかった前立腺がんにおけるPSA検査も「標準化」していきたいと考えています。また、レセプトのオンライン化も定着しつつあり、このデータを活用した医療費の適正化を図るために、2012年度を「医療費分析の定点観測」のスタートの年としました。
また、三井物産には、東京の本店と大阪の関西支社に診療所があるのですが、他事業所も含め、常駐する産業医や診療所の先生ともよく相談し、より充実した効果的な健診事業を推進したいと考えています。