部門を越えて集まったメンバーが特技を活動に役立てる
受診率が急上昇した背景には、これまで続けてきたピンクリボン運動によって会社全体の意識が高まっていたことも挙げられます。当社がピンクリボン運動を開始したのは2004年。医療機関向けのリース事業を行う中で取引先から紹介されたことや、社員の約半数を女性が占めている会社として何かできないかと考えたのがきっかけでした。社員ボランティア集団「ピンクリボン・チーム」は、その時に結成されたのです。
ピンクリボン・チームは、いろいろな部署の社員が集まって構成されています。広報部門の社員がグッズを作り、情報システム部の社員は全社に情報を発信するための社内ホームページを作成、さらには社歴の長い社員が社内のキーパーソンに協力を仰ぐなど、一人一人が得意分野を生かして啓発を行ってきました。2009年には、乳がん経験のある社員が活動に共感し、早期発見がいかに重要か、そのために検診受診は欠かせないと訴えた手紙をチームに寄託。社内勉強会で紹介されたことなどもあり、検診への意識がさらに強くなりました。
ピンクリボン・チームは、いろいろな部署の社員が集まって構成されています。広報部門の社員がグッズを作り、情報システム部の社員は全社に情報を発信するための社内ホームページを作成、さらには社歴の長い社員が社内のキーパーソンに協力を仰ぐなど、一人一人が得意分野を生かして啓発を行ってきました。2009年には、乳がん経験のある社員が活動に共感し、早期発見がいかに重要か、そのために検診受診は欠かせないと訴えた手紙をチームに寄託。社内勉強会で紹介されたことなどもあり、検診への意識がさらに強くなりました。

▲ピンクリボン・チームが手掛けた、歯ブラシセットや携帯電話用メールガードなどのピンクリボングッズ

がん検診の啓発には、社員の自発的な参加が不可欠

▲2009年10月、東京、神戸、仙台で行われた「ピンクリボン・スマイルウォーク」には計67名の社員とその家族が参加(写真は神戸)
社外啓発として、ピンクリボン・チームは毎年10月のピンクリボン月間に行われるピンクリボンフェスティバルに参加し、グッズ販売の売り上げをNPO法人乳房健康研究会に寄付しています。毎年10月に東京、神戸、仙台で行われるピンクリボン・スマイルウォークでは、社員が家族や友人を誘って参加するなど、チームメンバー以外による自発的な活動も増えてきました。神戸のウォーキングでは、大阪事業所の社員が「異人館通りの坂道頂上でおいしいアイスを食べよう」などと参加を気軽にとらえてもらうよう、誘い方にも工夫をしていたようです。
宮崎県で行われリコーがスポンサーを務めた女子プロゴルフツアー「リコーカップ」では、そこで行うピンクリボン活動を九州支社の社員が自主的に手伝う姿もありました。活動を広げるためには、社員の自発的な参加が不可欠。無理に参加を募るのではなく、何カ月も前からイベントの告知を行い、「楽しいイベントですよ」などと社員の気持ちを高めることが、自発的な活動につなげるコツだと感じています。
宮崎県で行われリコーがスポンサーを務めた女子プロゴルフツアー「リコーカップ」では、そこで行うピンクリボン活動を九州支社の社員が自主的に手伝う姿もありました。活動を広げるためには、社員の自発的な参加が不可欠。無理に参加を募るのではなく、何カ月も前からイベントの告知を行い、「楽しいイベントですよ」などと社員の気持ちを高めることが、自発的な活動につなげるコツだと感じています。

会社を動かしたピンクリボン・チームの熱意
ピンクリボン・チームの活躍が認められ、2010年度からは会社主導で、外部の検診機関にまで出向かなくても、社内で受診できる機会が提供されることになりました。当社のピンクリボン運動は、リコーグループ内でもお手本になっているといえるようです。ボランティアで始まったピンクリボン・チームが、会社やリコーグループを動かし始めていることをうれしく思います。また、男性社員のがんや健康に対する意識も高まったようで、健保組合が主催するウォーキングなど、健康づくりのためのイベントへの積極参加が増えていますね。
ただし、課題も残されています。現在、乳がん、子宮がん検診については、検診の補助は出るものの、受診は任意申し込み制です。肺がん、胃がん、大腸がんは定期健診と人間ドックの必須検査項目に含まれているため基本的に全員が受診しています。しかし、地方は本社ほど検診環境が整っているわけではありません。これはおそらく、ほかの企業にも当てはまることではないでしょうか。
がん対策推進企業アクションには、受診率を全国的に高めるために、例えば札幌や福岡などの各地でも、パートナー企業向けにがん検診に関する勉強会を実施するなどの取り組みがあったらいいなと思います。期待したいですね。
ただし、課題も残されています。現在、乳がん、子宮がん検診については、検診の補助は出るものの、受診は任意申し込み制です。肺がん、胃がん、大腸がんは定期健診と人間ドックの必須検査項目に含まれているため基本的に全員が受診しています。しかし、地方は本社ほど検診環境が整っているわけではありません。これはおそらく、ほかの企業にも当てはまることではないでしょうか。
がん対策推進企業アクションには、受診率を全国的に高めるために、例えば札幌や福岡などの各地でも、パートナー企業向けにがん検診に関する勉強会を実施するなどの取り組みがあったらいいなと思います。期待したいですね。

リコーリース株式会社 会社概要 | ||||||||||||
1976年にコピー機のリースからスタート。以後、医療機器、印刷機械・工作機械、車両および輸送機器など、リース商材を拡大。40万社以上の中小企業を顧客とし、それぞれのニーズに応えるべく、ビジネスローン、ドクターサポートローン、集金代行など、リース以外の経営支援サービスも展開。現在は医療機器、金融サービスが順調に成長している。 |