株式会社フジテレビジョンにとって、情報番組やドキュメンタリー番組でがんの脅威を伝えるのは当たり前のこと。社内では産業医、健康保険組合、医療機関の三者の連携、社外では小児がんなどに対する取り組みを積極的に推し進めているそうです。ここ数年で急上昇したというがん検診受診率の背景にある工夫や、CSR部門が主導する“フジテレビらしい”啓発活動について伺いました。
社員のもとに届く、産業医からの手紙
ここ5年で社内のがんに対する意識は大きく変わってきましたね。約80%程度だったがん検診受診率が、春の健康診断時に行う検診で93.4%、人間ドックは90%になりました。放送局という職場は、どうしても生活が不規則になったり、忙しい生活が続いたりしがち。ですから、なかなか検診を受けられない社員に「受けてほしい」という思いを届ける工夫をしています。その一つが、社員一人一人に向けた、産業医からの手紙です。
手紙の中には、その人の健康診断の結果に基づいた再検査・治療の指示やアドバイスが記されています。一般的な健康アドバイスではなく、個人に向けた医師の意見なら社員も真剣に耳を傾けるもの。また、読んだ社員は産業医が常駐する健康相談室にも足を運びやすくなるようです。現在では、産業医の頭の中で社員の顔と健康状態が一致するようになってきました。この社員と産業医の距離の近さは、検診率の向上につながっているのでしょう。
手紙の中には、その人の健康診断の結果に基づいた再検査・治療の指示やアドバイスが記されています。一般的な健康アドバイスではなく、個人に向けた医師の意見なら社員も真剣に耳を傾けるもの。また、読んだ社員は産業医が常駐する健康相談室にも足を運びやすくなるようです。現在では、産業医の頭の中で社員の顔と健康状態が一致するようになってきました。この社員と産業医の距離の近さは、検診率の向上につながっているのでしょう。
▲健康アドバイスをしたためた社員への手紙を手にする大原先生
受診率向上を後押しするマネジメント層のがんへの理解
▲左から、CSR推進室部長の桜井さん、産業医の大原さん、人事局の佐藤さん
手紙をきっかけに自分の体について振り返る社員は多いのですが、忙しさにかまけて検診を進んで受けようとしない人もいます。そんなときは、未受診者のリストを上司に渡して、必ず受けるように指導してもらうのが効果的。健康相談室から伝えてダメだった人も受けてくれますね。忙しいときは仕事から抜けづらいものなのだと思いますが、検診を優先するように上司に言われたら、安心して受診できるのではないでしょうか。
上司の力を借りることができるのは、検診に関する情報を社内で共有できているからですね。社内全体の検診の結果、メタボの傾向がある社員が多かったことや、検診が早期発見につながった事例を紹介するなど、健康管理にまつわる情報をイントラネット上にアップしています。そのほか、部長懇談会で厚生部から人間ドックの重要性や、メンタル面の健康について話すことも。マネジメント層の健康への理解も、ここ数年でグッと高まっていますね。
上司の力を借りることができるのは、検診に関する情報を社内で共有できているからですね。社内全体の検診の結果、メタボの傾向がある社員が多かったことや、検診が早期発見につながった事例を紹介するなど、健康管理にまつわる情報をイントラネット上にアップしています。そのほか、部長懇談会で厚生部から人間ドックの重要性や、メンタル面の健康について話すことも。マネジメント層の健康への理解も、ここ数年でグッと高まっていますね。