要精密検査と言われても受診しない方が多いのでは?
婦人科に関しては、検査結果に要精密検査と書かれていた場合、比較的それに従う人は多いようです。また健康管理センターとしても健診結果管理・指導ツールによりリスクのある人を効率的にスクリーニングし、「要精密検査」なのに未受診の方にはメールで受診勧奨を行うシステムを持っています。また緊急度の高い人は、結果が届く前にアラートの電話がいきます。ただこれらも完全ではなく、怖くて行かないという人は多いですし、医療職のいない事業所では手が届いていないことも現実で、今後の対策も必要です。
ポーラ健康管理センターには毎日各科の専門医が来ますが、女性が気軽に婦人科の健康相談ができるように婦人科専門医の日を週1回設けるようにしました。また、若い女性のがん検診受診率がまだ低く、本人が病気とも思わないような女性特有の悩みを抱えている人が多いことから、若年女性へ個別面談を進めています。


婦人科以外の、男性も含めたがん検診推進対策についてですが、世の中の平均を上回ってはいますが、まだ高めていく必要があります。平成27年度は、㈱ポーラ・オルビスホールディングス経営トップの後押しもあり、健康管理センターでがん対策推進企業アクション発行の「がん検診のススメ」を全従業員に配布し、ミニセミナーでの啓蒙を図りました。
また、胃がん検診は、従来より1次検査から胃カメラへの積極的な誘導を行ってきましたが、平成27年度には全男性社員を対象に胃がんリスクを知るために、ヘリコバクターピロリ菌の検査も必須項目として実施しました。ハイリスクとわかるようになれば欠かさず胃がん検診を受けるようになるのではないかとの思いから、ピロリ菌陽性の方だけを集めて情報提供セミナーを行いました。28年度は全女性に対して検査を行い、さらに陽性判定の人は、健康管理センターで除菌(有償)を行う予定です。
今後の課題について
当社グループは、㈱ポーラが、店頭でお客様にスキンチェックをしていただくたびに、子宮頚がん予防啓発団体のティール&ホワイト運動に寄付を行うことをはじめとして、これまでCSR活動の一環で「AAA活動(アンチエージングアライアンス)」を進め、女性の健康や前向きな生き方を応援する内外の活動を展開してきました。また、健保組合の、会社とコラボした受診率向上等の取組みに対しては、NPO女性の健康とメノポーズ協会より「女性の健康とワークライフバランスアワード奨励賞」をいただくなど、限られた人員でそれなりの女性の健康活動を実施してきました。
しかし、検診受診率は、他の先進健保に比べればまだ低いですし、女性の健康支援に対する総合的な取組みも緒についたばかりです。特に検診後のフォローは、医療職のいない事業所では手薄なところもあるので仕組化して行っていく必要があります。そして婦人科系のがんだけではなく、ライフステージを通じ妊娠出産をはじめとして、男性とは違った女性特有の疾病・不調の問題に向き合っていく必要があります。婦人科検診や女性の健康の知識について、会社と協働で地道に女性のヘルスリテラシーを高める活動を進めていきたいと考えます。女性は男性に比べ健康に関心が高くまじめで、私たちはそういったポテンシャルを持っている集団だと思っています。まずは「乳がん・子宮頸がんは検診を受けること、習慣化することが大切。」それを本当に会社の風土・文化となるまで高め、私たちが健康を実感し活き活きと働き生きる会社になる。そして多くの女性をお客様とする企業グループとして、がん検診の大切さを社会にお伝えできるようになれればと考えます。
ポーラ・オルビスグループ健康保険組合 概要 | ||||||||||
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