「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、カテーテルやホローファイバー型人工肺、各種使い切り医療機器など、さまざまな製品を、世界160カ国以上で提供してきたテルモ株式会社。医療貢献への想いはもちろん、社員の健康への想いも並々ならぬものがあるようです。今回は同社の社員とその家族に向けたがん検診受診率向上に向けての取り組みを伺いました。
医療を通じて社会に貢献する企業として
当社は、「医療を通じて社会に貢献する」を企業理念に掲げ、創立以来90年以上大切に守り続けています。この企業理念のもとに、優れた製品を開発し、高い品質で安定して供給すること、さらに医療を取り巻くさまざまな課題にも積極的に取り組んでいくことは、私たちの社会的責任であると考えています。そしてその実現のためにもテルモで働く社員一人一人が、「健康に対する意識を高く持つ」ことが欠かせません。現在も自分の健康に対する意識が高い社員が多いですが、さらなる受診率向上を目指すために、がん対策推進企業アクションに参加しました。医療に従事する企業として、この取り組みを通じて、社会へもメッセージを発信していければという願いもあります。
社員はもちろん、家族の健康も
▲30年以上前から実施している、配偶者向けのレディース検診の受診率も年々上昇している
当社では、社員に対して定期健康診断とともに生活習慣病検診を行っています。生活習慣病検診では、30歳以上の社員を対象に胃、大腸、さらに40歳以上は腹部エコー、50歳以上には肺、PSAの検査を加えて行っています。自己負担は一律1,500円で、残りは健保負担です。20歳以上の女性社員には、一律1,000円の自己負担で子宮頸がん・HPV・乳がん・骨密度の検査ができる婦人科検診を用意。もともとは30歳以上対象だったのですが、がんの若年齢層化や女性社員の増加に伴い対象年齢を引き下げました。また人間ドックを受ける場合には、健保が2万円の補助をしています。
こうした金銭的補助に加えて、定期健診と生活習慣病検診を同時に実施し、短時間で検診を終えられるよう検診負荷を軽減したり、受診していない社員や所見のあった社員には産業保健スタッフから丁寧にアプローチするなど、地道な取り組みも受診率の向上に大きく貢献しているといえるのかもしれません。
こうした金銭的補助に加えて、定期健診と生活習慣病検診を同時に実施し、短時間で検診を終えられるよう検診負荷を軽減したり、受診していない社員や所見のあった社員には産業保健スタッフから丁寧にアプローチするなど、地道な取り組みも受診率の向上に大きく貢献しているといえるのかもしれません。
また、社員だけでなくその家族の健康も考えるのが、健保組合の務め。社員の配偶者が、一般健診のほかに生活習慣病検診と婦人科検診を2,500円の費用負担で全て受けられるレディース検診も30年以上前から開始しました。検診は年に1回、当社の工場などに検診車を手配して行います。検診案内を確実に届けるために、自宅に直接送付したり、小さいお子さんがいる受診者のために検診時にキッズルームとベビーシッターを手配するなど、受診しやすい工夫を行っています。また、検診をがんに対する啓発の機会にするため、更衣室に乳がんの触診モデルを設置するなどの取り組みもしています。受診率は開始から少しずつ向上し、現在では約50%となりました。
▲レディース検診ではベビーシッターを手配するなど、受診しやすい工夫をしている