職域でのがん検診に関する情報
の取扱について
作成日:令和8年1月14日
※このサイトでの記載データは作成日時点での情報に基づいて作成しております。
※国・学会等の指針や法令・判例等の更新により、規定内容や解釈・運用が変更される場合があるため、本サイトは随時更新を予定しています。
※このサイトにおいて、がん検診の結果に関する情報管理を、『会社が実施する場合』は、医療職(医師・看護師等)がいることを前提としています。
※今後の議論や調査により、医療職がいない場合にはどのように運用すべきかなど、徐々に活用していただける範囲を広げていく予定です。
職域でのがん検診に関する情報の取扱について
国は、第4期のがん対策推進基本計画においては、がん予防をがん医療の充実やがんとの共生と並んで、計画の3本柱の1つとして位置付けています。
がん検診については、がんの早期発見・早期治療につなげるため、また、がんの死亡率を更に減少させていくために、がん検診の受診率向上及び精度管理の更なる充実が必要不可欠として、「がん検診の受診率の目標値を60%とすること」及び「精密検査受診率の目標値を90%とすること」を個別目標として掲げています。
がん検診受診者のうち30~70%程度が受診している職域におけるがん検診は、国民にがん検診の受診機会を提供するという意味で、国のがん対策において非常に重要な役割を担っています。一方で、がん検診の受診率、要精密検査対象者や結果を把握できていない事業者・保険者も少なくなく、受診率や精度管理の向上等のため課題となっています。
職域におけるがん検診は、法律によって、事業者・保険者の実施義務や労働者・被保険者の受診義務、検査項目等が定められたものではなく、事業者や保険者が、労働者・被保険者の健康の保持増進のために任意で、「労働安全衛生」や「高齢者の医療の確保に関する法律」で定められた法定健康診断とは別に実施している、あるいは受診機会を提供している法定外検診(検査)として位置づけられます。
また、がん検診の受診状況や結果、検診実施後の措置内容、保健指導や面接指導の内容、精密検査の受診状況や結果等の職域におけるがん検診に関する情報は、労働者の健康に関する個人情報「健康情報」に該当するものであり、がん検診の受診率向上や精密検査受診率向上等の労働者・被保険者の健康確保措置のために有効に活用することが求められる一方で、本人が不当な差別や偏見などの不利益を被らないよう、慎重な取扱が必要となります。
しかし、職域におけるがん検診は、事業者・保険者が任意で実施しているため、その実施主体、実施方法等が様々であり、職域のがん検診に関する情報の取り扱いについて、わかりやすいルールやガイドラインが整備されておらず、各事業者・保険者がそれぞれの方法で進めているのが現状です。
そこで、企業アクションでは職域がん情報に関するワーキンググループを設置し、1年間かけて議論を重ね、令和4年10月に、職域でのがん検診に関する情報の取扱について、わかりやすい形でモデルケースを公表しました。
このサイトでは、これまで整備されていなかった職域でのがん検診に関する情報の取扱について、具体的な運用方法や留意点、また従業員への告知に利用する『健康情報等の取扱規約』や、従業員から取得する『健康情報等に関する同意書』のサンプル(テンプレート)などを提示しておりますので、ぜひご活用いただければ幸いです。
また、令和4年度からは、コンソ40分科会活動「職域でのがん検診の情報の取扱」において、参画企業における職域でのがん検診の情報の取扱に関する取り組み事例、課題や疑問等についての情報共有、学識者からの意見聴取、議論を重ね、その成果物として、令和8年3月に「職域でのがん検診に関する情報の取扱についてのQ&A」を拡充予定です。また、Q&Aだけでなく企業における具体的な取り組み事例も併せて掲載していく予定です。
- 中川 恵一
- 東京大学大学院 医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授
- 立道 昌幸
- 東海大学医学部 基盤診療学系衛生学 公衆衛生学 教授
- 南谷 優成
- 東京大学医学部附属病院放射線科 助教
- 横垣 祐仁
- 株式会社プロセシング 代表取締役
- 福吉 潤
- 株式会社キャンサースキャン 代表取締役社長
- 古谷 佑輔
- 株式会社キャンサースキャン 新規事業推進室 ディレクター
- 菊池 可奈子
- 旭化成株式会社 健康経営推進室 東京健康経営支援センター
- 新谷 真治
- パナソニック健康保険組合 産業保健センター 事務管理部部長
コンソ40分科会活動「職域でのがん検診の情報の取扱」メンバー
(令和8年2月現在)
- 株式会社アートネイチャ一
- 人事部 課長代理 吉原 志織
- 伊藤忠エネクス株式会社
- 人事総務部 人事課 日野間 佳子
- SMBC日興証券株式会社
- 人事部 ウェルネス推進室 室長 森脇 三佳
人事部 ウェルネス推進室 保健師 門林 久恵
人事部 ウェルネス推進室 保健師 川尻 香奈枝
人事部 ウェルネス推進室 スタッフ 山岡 寿成 - 医療法人社団俊秀会エヌ・ケイ・クリニック
- がん検診推進事業部 室長 梁川 晋治
- 研冷工業株式会社
- 取締役 経営管理部 部長 酒井 明美
- 株式会社サンゲツ
- 人事部 健康経営推進室 村木 達也
- サントリーホールディングス株式会社
- 人財戦略本部 人財戦略部 グループ健康推進センター 飯村 裕子
- 資生堂健康保険組合
- 保健事業担当 湯河 真
- 城北ヤクルト販売株式会社
- 総務部 係長 岡田 俊介
- 大東建託パートナーズ株式会社
- 人事部 健康経営課 課長 飯塚 祐美恵
- 大同生命健康保険組合
- 常務理事 増岡 博史
- 大同生命保険株式会社
- 人事総務部 健康経営担当オフィサー 廣幡 恵
- 医療法人社団同友会
- TJK運営受託本部 総務部長補佐 東 泰弘
- 日本生命保険相互会社
- 営業教育部 活動推進担当部長 河野 幸彦
地域振興支援室 課長補佐 美澤 優太 - 日本電気株式会社
- ピープル&カルチャー部門 エンプロイリレーション統括部 居相 隆史
- 株式会社バリアンメディカルシステムズ
- 人事総務部 松下 直生
- P&Gグループ健康保険組合
- 常務理事 日野 正樹
- 株式会社フジタ建設コンサルタント
- 管理部 課長 徳川 慎也
管理部 総務 三木 朋子 - 富士通株式会社
- 健康推進本部 事業推進部 マネージャー 加藤 博久
- ブラザー健康保険組合
- 事務長 森 啓城
- 矢崎健康保険組合
- 芹澤 義夫
事業者が健康情報を取り扱う目的は、労働者の健康確保措置の実施や事業者が負う民事上の安全配慮義務の履行であり、そのために必要な心身の状態の情報を適正に収集し、活用する必要があります。
一方、労働者の個人情報を保護する観点から、現行制度においては、事業者が心身の状態の情報を取り扱えるのは、労働安全衛生令及びその他の法令に基づく場合や本人が同意している場合のほか、労働者の生命、身体の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき等とされているので、上記の目的に即して、適正に取り扱われる必要があります。
「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱のために事業者が講ずべき措置に関する指針」より
事業者は、健康情報等(がん検診に関する情報を含む)の適正な取扱のために、労使の協議により、各種情報を取り扱う目的、方法、権限等について「健康情報等の取扱規程」に定め、労働者に周知する必要があります。
事業者は、事業場の規模に応じて、産業医や衛生管理者を選任する等、適切な労働衛生管理体制を整備することが求められています。多くの事業場では、それらの労働者の健康管理に関する業務に従事する者(産業医や保健師等の医療職種や衛生管理者など。以下「産業保健業務従事者」といいます。)
が中心となり、労働者の健康情報等を取り扱っていますが、事業場によっては、産業保健業務従事者がおらず、人事部門の担当者等が、健康情報等を取り扱う場合もあります。
いずれの事業場においても、労使による話合いに基づき、事業場の状況に応じた健康情報等の取扱の在り方が取扱規程として策定され、労働者に広く周知されるなど、適正な取扱が確保されることで、労働者が不安を抱くことなく、安心して自身の健康に関する情報を事業者に提供できる環境を整備することが必要です。事業者や関係者により健康情報等が適切かつ円滑に取り扱われることにより、労働者に対する健康確保の取組が一層推進されることが期待されます。
「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」より
「健康情報等の取扱規程」の策定に際しては、「
事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」(2019年3月厚生労働省)を参考にしてください。
健康情報等の取扱規程(サンプル)
別表
【関連法規】
- 労働安全衛生第104条(心身の状態に関する情報の取扱)
- 労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱のために事業者が講ずべき措置に関する指針
がん検診を企業が実施している場合と、健保組合が実施している場合とで、情報の取扱に関する運用手順や社員への同意の取り方が違います。それぞれクリックするとマニュアルが表示されますので、ご参照ください。
