2018/03/20
平成29年度健康保険組合加入者を対象としたがん検診・がん対策に関する実態調査報告
【調査実施の概要】
調査名 | 全国健康保険協会加入者を対象とした がん検診・がん対策に関する実態調査 |
調査の目的 | 経営者もしくは個人のがんに対するリテラシーと“がん対策”の指標の相関を見る |
調査対象 | ①健康保険組合加入の企業で、従業員向け検診の内容を把握している人 559人 ②健康保険組合加入の企業の被保険者 662人 ③健康保険組合加入の企業の被扶養者 275人 |
調査実施 | 株式会社インテージ |
調査方法 | 株式会社インテージの保有するモニターパネルからの対象者をスクリーニングして実施したWEB調査 |
実施期間 | 本調査 2017年12月25日〜27日 |
【調査結果の概要】
「がん対策」の実態を把握すべく、2017年12月に健康保険組合加入者を対象としたWEB調査を行った(サンプル①健康保険組合加入の企業で、従業員向け検診の内容を把握している人559人、サンプル②健康保険組合加入の企業の被保険者662人、サンプル③健康保険組合加入の企業の被扶養者275人)。昨年協会けんぽ加入者を対象として実施した調査と同様、リテラシーと検診受診率および就労支援状況の相関についても明らかにすると同時に、健康保険組合の加入企業・加入者と協会けんぽ加入企業と加入者を比較した。
まずは、事業所において制度としてがん検診を実施している率と「従業員向け検診の内容を把握している者」のリテラシー度を見ると、リテラシー高とリテラシー低では、胃がん58.0%→50.8%、肺がん44.0%→30.0%、大腸がん62.7%→40.0%、子宮頸がん33.3%→23.3%、乳がん45.3%→25.8%と顕著な結果であった。<資料1参照>
事業所の就労支援策にも同様な傾向があり、勤務時間の変更42.7%→21.7%、傷病休暇制度58.0%→25.0%などとなっている。
被保険者のがん検診受診率も、リテラシー高とリテラシー低では、胃がん50.7%→29.1%、肺がん51.9%→28.8%、大腸がん45.6%→26.3%、子宮頸がん65.7%→30.8%、乳がん57.3%→23.8%の結果であった。得に女性特有のがんではその差が大きい。
被扶養者でも、胃がん39.8%→20.1%、肺がん42.5%→20.5%、大腸がん40.4%→15.2%、子宮頸がん60.4%→36.1%、乳がん54.2%→34.0%と同様の結果となった。
加入する健康保険に限らず、検診受診率を上げるには、がんに対する正しい知識を知ってもらう活動が有効な手段であり、事業所単位でより検診を受けやすい制度をつくるためには従業員に対する「がん教育」は非常に重要であることが今回の結果からも明らかになった。
更に協会けんぽ加入企業・加入者と比較したところ、企業におけるがん検診の実施率、被保険者のがん検診受診率、被扶養者のがん検診受診率、企業で行っている就労支援策すべてにおいて、健康保険組合加入企業・加入者の方が上回っていた。協会けんぽは中小企業が所属していることが多いため、日本のがん検診受診率向上のためには、中小企業へのがん教育とがん対策への支援が重要だといえる。
まずは、事業所において制度としてがん検診を実施している率と「従業員向け検診の内容を把握している者」のリテラシー度を見ると、リテラシー高とリテラシー低では、胃がん58.0%→50.8%、肺がん44.0%→30.0%、大腸がん62.7%→40.0%、子宮頸がん33.3%→23.3%、乳がん45.3%→25.8%と顕著な結果であった。<資料1参照>
事業所の就労支援策にも同様な傾向があり、勤務時間の変更42.7%→21.7%、傷病休暇制度58.0%→25.0%などとなっている。
被保険者のがん検診受診率も、リテラシー高とリテラシー低では、胃がん50.7%→29.1%、肺がん51.9%→28.8%、大腸がん45.6%→26.3%、子宮頸がん65.7%→30.8%、乳がん57.3%→23.8%の結果であった。得に女性特有のがんではその差が大きい。
被扶養者でも、胃がん39.8%→20.1%、肺がん42.5%→20.5%、大腸がん40.4%→15.2%、子宮頸がん60.4%→36.1%、乳がん54.2%→34.0%と同様の結果となった。
加入する健康保険に限らず、検診受診率を上げるには、がんに対する正しい知識を知ってもらう活動が有効な手段であり、事業所単位でより検診を受けやすい制度をつくるためには従業員に対する「がん教育」は非常に重要であることが今回の結果からも明らかになった。
更に協会けんぽ加入企業・加入者と比較したところ、企業におけるがん検診の実施率、被保険者のがん検診受診率、被扶養者のがん検診受診率、企業で行っている就労支援策すべてにおいて、健康保険組合加入企業・加入者の方が上回っていた。協会けんぽは中小企業が所属していることが多いため、日本のがん検診受診率向上のためには、中小企業へのがん教育とがん対策への支援が重要だといえる。
※<資料1>企業のがん検診実施率
※事業所として従業員向けがん検診を行っている率の相関をみたもの
※「経営者または従業員向け検診の状況を把握している者」を回答者とした結果
※<資料2>企業で行っている就労支援施策の実施率
※企業として、「従業員向け検診の状況を把握している者」を回答者として、がんに対するリテラシーと企業で行っている就労支援施策の実施率の相関を見たもの
※「従業員向け検診の状況を把握している者」を回答者とした結果
※<資料3>被保険者のがん検診受診率
※「胃がん」「肺がん」「大腸がん」は2017年の受診率、「子宮頸がん」「乳がん」は2017年または2016年の受診率
※「子宮頸がん」「乳がん」は母数を女性限定とした
※<資料4>被扶養者のがん検診受診率
※「胃がん」「肺がん」「大腸がん」は2017年の受診率、「子宮頸がん」「乳がん」は2017年または2016年の受診率
※被扶養者は回答者全員が女性
【健康保険組合と協会けんぽ比較】
※<資料5>企業でのがん検診実施率比較
※<資料6>企業で行っている就労支援施策の実施率比較
※<資料7>被保険者のがん検診受診率比較
※<資料8>被扶養者のがん検診受診率比較
【調査結果】
調査結果の詳しい内容はPDFをご覧下さい