2021/03/16
2021年3月16日 第9回企業コンソーシアム研修会を開催しました
がん対策推進企業アクションのパートナー企業・団体の中から自発的に立ち上がり、企業の人事・労務担当者や産業保健スタッフががんに対する対策、事例や情報の交換などを行う「企業コンソーシアム」の第9回研修会を、3月16日(火)にオンラインで開催しました。
当日は、今年度のがん対策推進パートナー賞 情報提供部門を受賞した株式会社アートネイチャーの根尾拓二氏の事例紹介のあと、「新型コロナに負けない職域がん対策」をテーマとしたグループディスカッションが行われました。
事例紹介
「アートネイチャーのがん対策について」 根尾拓二氏(株式会社アートネイチャー 人事部 部長)
アートネイチャーの従業員の平均年齢は42.3歳、女性が約6割を占め、直近10年間では婦人科がんの罹患者数が多くなっています。女性が活躍する企業としても、がん対策は大きな課題です。
定期健康診断の受診強化を図り、検診予約を9月まで、検診受診を11月まで、再検査受診を3月までに終わらせる運用とし、年度内に一連の検診をまとめました。再検査は上長を経由して受診勧奨、受診後は報告を受けるようにして受診率を高める努力をしました。
罹患率の高かった乳がんへの取り組みとしてピンクリボン活動を実施し、早期発見・早期治療の大切さを伝え、乳がん検診受診へとつなげました。子宮頸がんにおいては、国立がん研究センターによる行動変容研究に参加し、今年度はHPVセルフチェックを社員及び家族に対して無料で実施しました。これにより子宮頸がんへの理解が進み、来年度以降、検診受診率が向上することを期待しているところです。
がんのリスク要因である喫煙に対しては、社内禁煙や在社時間の喫煙回数を0回にするなどの徹底した禁煙対策に取り組み、2016年は42%だった喫煙率が2020年9月には7.9%へと低下しました。
実は、私も昨年2020年の夏にがんに罹患しました。
告知された時は非常にショックを受けましたが、人事部の仕事柄、懇意の先生方にいろいろなアドバイスをいただき、大変心強く思いました。抗がん剤と放射線治療を併用した化学放射線治療を行い、約2週間の入院のあとは通院での放射線治療を受けました。
自身のがん経験を社員にも知ってもらいたいという気持ちが強くなり、社内で「病気治療と仕事の両立支援のための説明会」を複数回開催し、約130名が参加しました。
参加者からは、「病気の怖さを感じるとともに、健康に気をつけないといけないことを改めて感じた」「治療費用等、なかなか聞けないので参考になった。」「罹患者への適切な言葉のかけ方を学べて良かった」などの声が聞かれました。また説明会を行ったことで、体調不良に関する悩みの相談や、病気に罹患したことを直接伝えてもらう機会が増えています。
グループディスカッション
「新型コロナに負けない職域がん対策」
参加者が従業員規模毎にグループに分かれ、オンラインによるディスカッションを行いました。
各グループでは
・がんなどの疾病で長期にわたって休業する場合に、所得をある程度補償する民間の団体保険であるGLDTの利用推進
・コロナ禍での健康診断受診のあり方
・女性のがん、特に子宮頸がん検診の受診率改善
・がん検診項目やオプション検査について
・「がん検診のススメ」の小冊子の利用法
・従業員の健康リテラシーをどうやって向上させるか
・二次検診受診率の向上
などについて、活発なディスカッションが行われました。