2021/02/02
「Working RIBBON」第1回会議、2021年2月2日開催
働く女性のためのがん対策プロジェクト「Working RIBBON」のキックオフとなる第1回会議が2021年2月2日(火)、オンラインで開催。
モデレータに林和彦先生(聖マリアンナ医科大学 客員教授)、難波美智代さん(一般社団法人シンクパール 代表理事)、ゲスト講演者に中川恵一先生(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長)を迎え、企業で活躍する女性幹部や経営者たちオフィシャルサポーター11名が集まり、企業で働く女性たちの乳がん、子宮頸がんについての現状や対策の重要性が話し合われました。
【内容】
会議開催にあたり厚生労働省健康局がん・疾病対策課 課長補佐の猪股研次氏は、女性が生涯にがんに罹患する確率は50%を超え、2人に1人ががんになる時代であり、働く世代のがんにおいてはその8割が女性。企業においては、女性特有のがん対策として女性へのがん教育、予防・早期発見、がんになっても安心して働ける両立支援の環境が必要と考え「Working RIBBON」を立ち上げたと挨拶しました。
がん対策推進企業アクションのアドバイザリーボード議長の中川恵一先生の講演では、がんはわずかな知識の差が運命を分ける病気。子宮頸がんは30代、乳がんは40代が罹患のピークであり、女性は男性よりも20代で1.6倍、30代で3倍の罹患率となっており、企業での女性へのがん対策は喫緊の課題。子宮頸がんはHPVウイルスによる感染が原因のほとんどであり、ワクチン接種が重要であること、男性のがんは定年退職後に多いのに対して、女性のがんは働く若い世代に多いため「Working RIBBON」の活動は大切だと述べました。
会議はキックオフということもあり、サポーターそれぞれが勤務企業・団体の紹介、自身のがん経験や行っているがん対策・具体例などを発表。
モデレータの林和彦先生は、女性(がん患者)に優しい社会は、すべての人に優しい社会だと思うので「Working RIBBON」はとてもいい取り組みで期待しており、自身も協力を惜しまないと述べました。
長時間労働ががん罹患に影響する可能性や、企業におけるヘルスリテラシー向上のためのエビデンス構築の必要性、さらにはがん患者やその家族がテレワーク等を活用することによって、時間や場所に制約の少ない働き方が実現できるなど、雇用者の視点を取り入れたがん対策で就労世代の女性とその家族の健康を守るアイデアが意見交換されました。
待ったなしの女性のがん対策、今後はさらに参画企業を募り、女性のがんの予防・早期発見、出席サポーターたちと議論を高めることで、「Working RIBBON」の活動が社会全体へ広がることを期待しました。
【オフィシャルサポートメンバー】
[出席]五十音順
生稲晃子さん(乳がん経験者、女優、アドバイザリーボードメンバー)
川崎貴子さん(乳がん経験者、リントス株式会社 代表取締役)
小室淑恵さん(株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役)
武田雅子さん(乳がん経験者、カルビー株式会社 常務執行役員 人事総務本部長)
tokcoさん(株式会社レーマン 代表取締役 / 獣医師)
成田妙庫さん(東京都社会保険労務士会 副会長、アドバイザリーボードメンバー)
樋口亜希さん(株式会社Selan「お迎えシスター」 代表取締役)
水田悠子さん(子宮頸がん経験者、株式会社encyclo 代表取締役)
村上由美子さん(経済協力開発機構(OECD) 東京センター所長)
望月美佐緒さん(株式会社ルネサンス 取締役常務執行役員)
山田メユミさん(子宮頸がん経験者、株式会社アイスタイル 取締役 共同創業者)
[都合により欠席]
秋本可愛さん(株式会社Blanket 代表取締役)
石戸奈々子さん(NPO CANVAS理事長 / 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
猪熊真理子さん(OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学 ファウンダー)
駒崎クララさん(株式会社KoLabo 代表取締役社長)
今野由梨さん(がん経験者、東京商工会議所 特別顧問)
高橋ゆきさん(がん経験者、株式会社ベアーズ 取締役副社長)
塚本恵さん(キャタピラージャパン合同会社 代表執行役員)
中野惠さん(健康保険組合連合会 参与)
水谷仁美さん(HACCI’s JAPAN.LLC CEO)