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イベントレポート

2019/01/16
2019年1月16日 東京商工会議所豊島支部青年部のセミナーにて中川氏が講演

東京商工会議所豊島支部の青年部が主催するセミナーが1月16日に東京・豊島区のリビエラ東京ガーデンフォレストにて開催され、がん対策推進企業アクションのアドバイザリーボード議長である中川恵一氏(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長)の講演「経営者とがん 〜がん社会を診る〜」が行なわれました。東京商工会議所の会員企業をはじめとした経営者や人事担当者を中心に、60名ほどの方が参加されました。がんに罹患した社員が発生した際に、企業がどう対処する必要があるのか、経営者の方々の注目が高まっていることが感じられました。

【経営者とがん 〜がん社会を診る〜】

(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長/がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長 中川恵一氏)

2016年から日本では、がん登録推進法により、すべてのがん患者のデータが都道府県のがん登録室から国立がん研究センターに集められています。この全国がん登録システムによって、正確なデータを得ることができ、治療や予防に役立てることができるようになりました。

男性の3人に2人、女性の2人に1人ががんになる時代ですが、なぜか皆さんは自分だけはがんにならないと思い込みがちです。

実際にはがんになります。こういったセミナーでがんのことを講演してきた私も昨年がんになり、年末に手術を受けています。

講演の様子

がんは細胞の老化といえる病気ですから、平均寿命が伸びれば、がんになる人は今よりも増えることが考えられます。

定年の延長により、働く世代のがん患者も増えていきます。

幸せに長生きする、ハッピーリタイヤメントするためには、がんのことを知っておく必要があります。

がんによる不幸を減らすためには、がんの予防が一番、次に早期発見・早期治療です。がん全体で見ても、2/3は5年生存率があり、早期発見であれば95%の方が治ります。がんは、早く見つけるということが重要、がん検診を受けることが必要です。

がんは「わずかな知識の差が運命を分ける」病気と言っても過言ではありません。

よく「がん家系」などと言われますが、実は遺伝によるがんは5%しかありません。

アメリカの調査によると男性の場合、がんになる原因は喫煙が1/3、食事や運動などの喫煙以外の生活習慣が1/3を占めます。このようにがんの原因の2/3を生活習慣が占め、残りの1/3は残念ながら「運」ということになります。

私も膀胱がんになりましたが、膀胱がんは1万人に1人の確率でしかならない珍しいがんです。なおかつ、男性が膀胱がんになる原因の50%以上は喫煙と言われています。私はタバコを吸いませんし、適度な運動もしていますが、がんになりました。これも運です。

1/3は運だとしても、残りの2/3は、禁煙をする、生活習慣を整えるということで、がんになる確率を下げられるということを理解してください。そして、運悪くがんになった時に対応するには、早期発見・早期治療が重要です。

日本人には、がんは不治の病だと誤解している方が多くいます。

国立がん研究センターの資料によると、がんと診断された患者の1年以内の自殺・事故死率は、他の病気の20倍です。自殺だけではなく、40%超の人が実際に治療を開始する前に退職しています。実際に治療をしてから本当に辛くて辞めるのではなく、がん治療は大変だと予測のもとに辞めてしまう。これは、がんという病気を知らないからです。

実際はがんの5年生存率は全体で65%、早期発見であれば95%あり、決して治らない病気ではないのです。がんでもやめない、やめさせない、ということが大切です。

がんについて知っていて欲しいことは
・早期がんは95%が治る
・がんは、なるリスクを減らせる病気
・運の要素もある病気
・がんは症状を出しにくい病気
・正しい生活習慣と早期発見が大事
・早期発見≒がん検診
・治療法も選べる病気
の7つです。

がんは早期であれば、ほぼ治ります。なおかつ、がんは自分の生活習慣を見直すことでなるリスクを1/3減らせます。

多くの日本人ががんは「痛い病気、苦しい病気」と勘違いしていますが、がんは症状を出しづらい病気です。全身に転移していてもほとんど症状は出しません。少し体調が悪くなってから病院に行くのでは遅いのです。

このようなことから、最も大切なのは正しい生活習慣+早期発見です。がん検診はどんなに体が絶好調でも受けなければなりません。

日本人はがんのことを知りません。義務教育で習ってこなかったからです。

今日本では、年間約101万人ががんになり、約38万人ががんで亡くなっており、この数字は右肩上がりに増えています。

日本人の死因の移り変わりを見てみると、戦前戦中は結核が1位でしたが、今や結核で亡くなる人はほとんどいません。これは、結核の治療薬ができたことよりも、栄養状態がよくなり、結核になる人自体が減ったことによるものです。

1960〜70年代は脳卒中が死因の1位でしたが、これも栄養状態がよくなったことにより、血管が強くなり、血管が切れることが少なくなりました。

しかし、がんによる死亡者は戦前から増え続けています。

欧米ではがんによる死亡数は減少していて、人口10万人あたりのがん死亡者数は、日本がアメリカの1.6倍にもなります。

今、日本で一番多いがんは大腸がんです。一昔前は胃がんが一番でしたが、ピロリ菌感染が98%の原因の胃がんは、衛生状態のよくなった近代では、ピロリ菌感染者の減少とともに減り続けています。しかし大腸がんは、日本で年間5万人強が亡くなっています。アメリカでは5万人弱で、人口はアメリカの方が2.6倍ほど多いのに、日本の方が大腸がんで亡くなる人が多いのは、年齢構成人口が違うとしても大きな問題です。アメリカは、しっかりと大腸がん検診を受け、早期発見・早期治療をしている人が多いということでもあります。

がん細胞は、正常な細胞の遺伝子が傷ついて不死化したものです。通常であれば、このようながん細胞は免疫細胞がやっつけてくれるのですが、見逃したたった1個のがん細胞がクローン増殖し、倍々に増えて行きます。そして約1cm程度の大きさに育つまでに約20年かかります。

早期がんとは、1〜2cmほどの大きさのものをいいます。1cmに満たないものは、最新鋭のMRIやCTスキャンでも見つけることはできません。そして、1cmのがんが2cmに育つ期間は、早いもので1年、遅いもので2年。ですから、肺がんなどは毎年、乳がんは2年に1度の検診が必要になってくるのです。

日本は健康や医療に関する知識、ヘルスリテラシーが低いのも特徴で、調査対象国の中で最下位となっています。がんはわずかな知識の差が運命をわける病気ですから、知らないということは大変にリスキーです。

一昨年の4月から小・中・高等学校でがん教育が始まりました。がんの正しい教育を受けた子どもたちが増えることで、将来的にはがんの正しい知識が広がり、ヘルスリテラシーも上がることが期待できます。

がん教育を受けてこなかった大人に対してはどうするか?その答えは企業です。いかに大人にがんの正しい知識を与えるかが大事で、そのためにはある程度強制力を持った形で企業が従業員(大人)に対して、正しいがん対策を講じる必要があります。

経営者のがんに対する理解度が高いほど、がん検診の受診率が高いこと、就労支援も行われやすいことがわかっています。とりわけ、中小企業においては、経営者は定年もなく働く場合も多く、人的資源も大企業ほど充実はしていません。経営者自身ががんのことを知ることが、自分を守り、従業員を守り、会社を守り、経営を守ることにつながります。

がんになっても仕事をやめてはいけません。仕事と治療の両立は可能です。がん検診で早期に発見し、早期治療をすることが重要です。

がんになる人は、男性は純粋に年齢が上がるほど増えていきますが、女性は多少異なります。なぜなら、女性がなる乳がんは40代がピーク、子宮頸がんは30代がピークだからです。20代では男性の約1.6倍、30代では約3倍のがん罹患者がいます。

今後は定年の延長、女性の社会進出で働く人ががんになる人が増えていくことが考えられますので、企業のがん対策は必要です。

がんの治療法のことも知っておく必要があります。

日本人はがん治療は手術だと思っている人が多いのですが、がん治療には「手術」以外にも「放射線治療」「抗がん剤」があります。欧米ではがん患者のうち6割が放射線治療を受けています。日本ではまだ3割。手術なら入院が必要ですが、放射線治療なら通院で可能ですし、通院なら働きながら治療を行うことも可能です。今では放射線医療機器も技術も進歩していますので、たった数回の通院で治療を終えることも可能です。

がんの種類や病状によってはさまざまな治療の選択肢があるということを、がんになる前に知っておくことが大切です。

講演の様子
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