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イベントレポート

2018/12/15
2018年12月15日 小田原の「ライフフェスタ」にて中川氏が講演

がん対策推進企業アクションが後援する第3回「ライフフェスタ」(主催:公益社団法人小田原法人会、共催:アフラック)が12月15日(土)、神奈川県小田原市の小田原お堀端コンベンションホールにて開催されました。

当日は、主催者である公益社団法人小田原法人会の鈴木達之厚生委員長から「がんは早期発見・早期治療が第一」との挨拶でスタート。がん対策推進企業アクションのアドバイザリーボード議長である中川恵一氏(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長)とがんサバイバーでもある女優・麻木久仁子氏の講演の後、地元企業でがん対策推進企業アクション推進パートナーである株式会社古川代表取締役社長の古川剛士氏を交えたパネルディスカッションが行われました。

講演の様子

【がんのひみつ】

(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長/がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長 中川恵一氏)

2人に1人がなるがんという病気ですが、男女で見てみると男性の方が多く、今や男性の3人に2人ががんになると言われています。

日本は世界一がんになる人が多い国です。なぜなら日本人が長生きになったからです。がんは、遺伝子が傷つくことでなる病気ですので、日本人が世界一長く生きるということは、それだけ遺伝子が経年劣化して傷つく可能性が高くなるということです。

講演の様子

実は、私もがんになりました。今週の月曜日にわかりました。脂肪肝があったため、自分で超音波検査を行っていましたら膀胱にがんらしき腫瘍を発見しました。その画像を泌尿器科の専門医に診てもらったところ、がんの疑いが濃いということになり、内視鏡検査の結果、膀胱がんと診断されました。

ショックでしたが、ただ本当に早期ですので、発見できたことはよかったと思っています。

がんによる不幸を減らすためには、がんの予防、早期発見・早期治療が必要です。がん全体で見ても、2/3は5年生存率があり、早期発見であれば95%の方が治ります。がんは、早く見つけるということが重要ですので、がん検診を受けることが必要です。

およそ全ての病気の中でも、がんは「わずかな知識の差が運命を分ける」病気と言っても過言ではありません。大事なのは、がんという病気を“正しく知る”ということです。

がんは、よく「がん家系」などと言われますが、実は遺伝によるがんは5%しかありません。

アメリカの調査によると、がんになる原因は喫煙が1/3、食事や運動などの喫煙以外の生活習慣が1/3を占めます。このようにがんの原因の2/3を生活習慣が占め、中でも喫煙はNGです。

では、残りの1/3は何かというと、残念ながら「運」ということになります。私も膀胱がんになりましたが、膀胱がんは1万人に1人の確率でしかならない珍しいがんです。なおかつ、男性が膀胱がんになる原因の50%以上は喫煙と言われています。私はタバコを吸いませんし、適度な運動もしていますが、がんになりました。これも運です。

今日の講演のタイトルでもある「がんのひみつ」ですが、がんについて知っていて欲しいことは以下の7つです。
・早期がんは95%が治る
・がんは、なるリスクを減らせる病気
・運の要素もある病気
・がんは症状を出しにくい病気
・正しい生活習慣と早期発見が大事
・早期発見≒がん検診
・治療法も選べる病気

がんは早期であれば、ほぼ治ります。なおかつ、がんは自分の生活習慣を見直すことでなるリスクを1/3減らせます。

がんの不幸を減らすためには、やれることは全てやるべきです。生活習慣以外にも、例えば乳がんであれば、自己触診によってがんを早期に発見することも可能です。月に1度くらいは自己触診を行い、毎月の変化がないか確かめるべきだと思います。

多くの日本人はがんは「痛い病気、苦しい病気」と勘違いしていますが、がんは症状を出しづらい病気です。全身に転移していてもほとんど症状は出しません。少し体調が悪くなってから病院に行くのでは遅いのです。

普段から正しい生活習慣を身につけることです。特にタバコは絶対にダメです。お酒も百薬の長といわれますが、飲みすぎはいけません。適度な運動も必要です。

このようなことから、どんなに体が絶好調でもがん検診は受けなければなりません。自治体からハガキで案内の来る「対策型検診」で十分ですから、必ず受けるようにしていただきたいと思います。

がん細胞は、正常な細胞の遺伝子が傷ついて不死化したものです。通常であれば、このようながん細胞は免疫細胞がやっつけてくれるのですが、見逃したたった1個のがん細胞がクローン増殖し、倍々にと増えて行きます。そして約1cm程度の大きさに育つまでに、約20年かかります。早期がんが発見されたということは、がん細胞が約20年前に体の中にできていたということです。

ちなみに早期がんとは、1〜2cmほどの大きさのものをいいます。1cmに満たないものは、MRIやCTスキャンを行っても見つけることはできません。そして、1cmのがんが2cmに育つ期間は、肺がんなどで1年、乳がんは2年。ですから、肺がんなどは毎年、乳がんは2年に1度の検診が必要になってくるのです。

がんの治療法のことも知っておく必要があります。

日本人はがん治療は手術だと思っている人が多いのですが、がん治療には「手術」以外にも「放射線治療」「抗がん剤」があります。欧米ではがん患者のうち6割が放射線治療を受けています。日本ではまだ3割です。手術なら入院が必要ですが、放射線治療なら通院で可能ですし、通院なら働きながら治療を行うことも可能です。今では放射線医療機器も技術も進歩していますので、たった数回の通院で治療を終えることも可能です。

がんの種類や病状によってはさまざまな治療の選択肢があるということを、がんになる前に知っておくことが大切です。

【パネルディスカッション】

中川恵一氏(東京大学医学部附属病院 放射線治療部門長)

古川剛士社長(株式会社古川 代表取締役社長)

講演の様子
司会者
古川さま、自己紹介をお願いします。
古川氏
地元小田原でLPガスやプロパンの販売をやらしていただいている株式会社古川の古川です。
私どもは、がん対策推進企業アクションに参加しまして、3年前から全社員へのがん検診の義務付け、それから配偶者の方へも会社負担でがん検診を受けていただいています。
司会者
赤ちゃんにおっぱいをあげることで、乳がんのリスクが減るということはあるのでしょうか?
中川氏
その通りです。今だいたい日本人女性の10人に1人が乳がんになります。しかも、ものすごい勢いで増えています。
この最大の要因は少子化です。ある調査によると、現代の女性は生涯で450回の生理があるそうです。100年前は85回だったそうです。昔のお母さんは、多くの子供を産んでいました。妊娠・出産・授乳まで入れると、約2年間生理は止まります。乳がんは生理がある時期にリスクが高まりますから、生理の回数の多い現代人は乳がんリスクが高いといえます。乳がんのピークは40代後半で、生理が止まる50代からは乳がんは減っていきます。
中川氏
古川社長に質問なのですが、なぜ会社の中でがん対策をそんなにやろうと思われたのですか?
古川氏
私が公私ともに応援しているフットサルの湘南ベルマーレの30代の選手が、肺がんになったことがきっかけです。アスリートである彼は、すごくハードなトレーニングもしていますし、食事や睡眠にすごく気を使っていました。なのにがんになったことが非常にショックでした。
当時私もご多分に漏れず、がんという病気は高齢者がなる病気で、痛いものや苦しいものと思っていました。しかし、彼ががんになったことをきっかけに、がんには子宮頸がんや乳がんをはじめ、若いうちからなるがんがあるということを知りました。また、がんは早期発見であれば治る病気だということも知りました。
私は中小企業を経営してますが、人手不足は深刻です。社員1人1人を健康で仕事に従事させることが、私の責務だと感じました。また奥さんががんになると、旦那さんも会社に来なくなりますから、社員のみならず、その配偶者に関しても会社負担で検診を行っています。
中川氏
がんになるのは、運の要素があるというお話をしましたが、できるならならない方がいいわけです。しかし、万が一にもがんになった時のことを考えて、早期発見のためにがん検診を受診しなくてはなりません。
古川氏のような取り組みは広がるべきだと思います。
ところが、日本のがん検診受診率は欧米や韓国の半分しかありません。これは学校でがんのことを習ってこなかったからです。そして、体や病気、医療についての知識、いわゆるヘルスリテラシーが低いのも特徴です。国別の調査ではインドネシア、ミャンマー、ベトナムなどより断トツで低く、調査対象国の中で最下位となっています。こういう部分が、日本だけが先進国の中でがんが増えていること、大腸がんで亡くなる方が2.6倍も人口のあるアメリカよりも多くなっていることなどの原因ではないかと思います。
中川氏
古川氏の会社では、具体的にどういう風に検診受診率をアップさせているのですか?
古川氏
私自身は、先ほどの選手の件からがんについて学んで、ある程度理解していますが、そうはいっても社員にがん検診の大切さを説くのは大変です。
そのために、検診を就業時間中に入れています。また毎年がん検診の前に、がんサバイバーの方男女2名を会社に呼んで講演をしてもらっています。この講演は、特に配偶者へのケアや女性社員への子宮がん検診の大切さなどの啓蒙に役立っていると感じます。
中川氏
がんは55歳までは男性よりも女性がなる方が多く、子宮頸がんや乳がんなどのリスクにより、30代では男性の約3倍の方ががんになります。ですから、配偶者の方への検診はすごく重要だと思います。
大企業などでは、がん検診も普通に行われていますが、中小企業ではなかなかそこまではいっていないのも実情です。がん対策推進企業アクションで調べたデータでは、経営者のヘルスリテラシーが高い企業ほどがん検診の受診率も高くなっています。ですから、ぜひ経営者のみなさんにはがんに対して少しでも正しい知識を学んで欲しいと思います。
司会者
最後に一言ずつお願いします。
中川氏
私もがんになりました。まずは症状がない時にも検診を受けるのが重要だということです。そして、乳がんの自己触診など、やれる努力は全部することです。
古川氏
男性の2/3の人ががんになるのだとすれば、私も将来がんになると思っています。その時に恥ずかしくない生き方をするためにも、がんについて学び、予防し、社員にも検診を勧め、世間の皆さんにもがん検診の大切さやがんのことをもっと知っていただきたいと思います。
講演の様子
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