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イベントレポート

2018/11/13
2018年11月13日 メディアセミナー「今から始めよう! オトナのがん教育」を開催

平成30年度メディアセミナー「今から始めよう! オトナのがん教育」(主催:がん対策推進企業アクション)が11月13日(火)に東京大学医学部附属病院で開催されました。この日は、自らのがん治療や仕事との両立などの体験談を全国で講演したり啓蒙活動を行うがんサバイバー9名(全10名中1名欠席)が紹介されました。

講演の様子

メディアセミナーでは、まず、がん対策推進企業アクションの事務局長の大石健司より、学校では平成29年度よりがん教育が始まっており、これからは働くオトナ世代へのがんに対する正しい知識を広めること、がんを取り巻く正しい社会環境づくりが必要であることが話されました。そのためには今以上にメディアを通じて、がんの正しい知識を広めていき、がん対策推進企業アクションもそれに貢献していくと、同事業について説明とあいさつがありました。

講演の様子

【今から始めよう! オトナのがん教育】
中川恵一氏
東京大学医学部附属病院 放射線科 准教授/がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長

現在、小・中・高校で実際に「がん教育」が始まっていますが、メディア等ではまだ報道が少なくあまり周知されていないのが現状です。文部科学省で行った実態調査によると5割を超える学校が「がん教育」を行っています。

「がんは、わずかな知識の差が運命を分ける」病気。がんを正しく知り、早く発見し、正しい治療を行うことこそが重要なのです。とくにがんは最初の治療が重要で、そこで間違った選択をしてしまうと、完治するものもしなくなる可能性が大きくなります。間違った選択をしたあとに、違う治療法を選択しても、そこからの逆転はほぼ望めない「敗者復活戦のない一発勝負」の病気なのです。

がん治療という重要な試合に臨む前に、相手(がん)のこと、試合のルール(治療法)をしっかりと調べて、頭に入れておくことが必要です。しかし、多くの日本人は、そのもっとも重要な、がんの知識を学校で習ってきませんでした。これからは学校教育で習っていくわけですが、すでに学校で習えない、働いている人たちは今からでも遅くないので、がんに対する正しい知識を学ぶ必要があります。

サラリーマンの死因の約半分はがん。最近行った伊藤忠商事の自社調査によると、在職中に病死した人の9割ががんでした。つまり、働く人にとってがんは身近で、大きな病気といえます。

がん対策推進企業アクションの大きな命題のひとつは、働く人にがんを正しく知ってもらうということです。

例えば、がんは非常に怖い病気だというイメージをお持ちだと思います。「がん=死」といったものです。しかし実際のがんの5年生存率は全体で65%、早期がんであれば5年生存率は95%です。がんは治る病気です。早期発見であれば95%がほぼ完治といってよいのですから、間違ったイメージを持つのはよくありません。がんの正しい知識が必要です。

講演の様子

今、日本ではがんによる死亡者は年間約38万人、年々増え続けています。先進国の中でがんの死亡者が増えているのは日本だけです。最も多いがんは、大腸がん。つい近年までは胃がんでしたが、ピロリ菌感染が98%の原因といわれる胃がんは、ピロリ菌保菌者の減退により10年で年齢調整死亡率は2/3にまで減りました。一方大腸がんは、日本で年間5万人強が亡くなっています。アメリカでは5万人弱で、人口はアメリカの方が多いのに日本の方が大腸がんで亡くなる人が多いのは、年齢構成人口が違うとしても大きな問題です。アメリカはしっかりと大腸がん検診を受けている人が多いということでもあります。

日本人は健康や医療に関する知識、ヘルスリテラシーが低いのも特徴で、国別の調査では最下位となっています。これは学校で健康や病気、医療などについて習ってこなかったからです。しかし、昨年の4月から小・中・高等学校でがん教育が始まり、学習指導要領にも明記され、次の教科書改訂では、がんの項目が教科書に追加されます。このようながんの正しい教育を受けた子どもたちが増えることで、将来的にはがんの正しい知識が広がり、がん検診の受診率も上がると思われます。

がんの治療は、手術と放射線治療、化学療法(薬物治療)が3つの柱です。

中でも日本は、世界で最も手術をする国です。欧米では放射線治療を行うケースでも、日本では手術が行われることが多いです。例えばステージ1の子宮頸がんの治療において、日本では8〜9割近くが手術ですが欧米では逆に放射線治療がメインです。これにはいろいろな理由がありますが、まずは患者側が治療方法には選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあるということを知っておく必要があります。

血液のがんといわれる白血病を除き、固形のがんの治療方法は手術か放射線治療です。薬物治療だけでは治すことはできません。ですから、最初の治療方法については、まずは手術か放射線治療の選択になります。

このように、がんという病気の特性、早期発見のための検診の重要性、がんになった時の治療方法の理解など、がんに対する正しい知識を、子供たちだけではなくオトナが学ぶことが、がんの死亡者を減らし、不幸を減らすことにつながります。

【がんサバイバー紹介】

中川恵一氏の講演の後、がん対策推進企業アクションが公募した、全国のセミナーや出張講座で講演活動等を行っていただく、がんサバイバー10人の紹介(1人欠席)がありました。以下が、サバイバーの方々の発言要旨です。

講演の様子

池田久美氏(京都府)

京都の市立中学校に勤務していた2014年3月に人間ドックで胃がんが発覚、胃の2/3を摘出。2015年に職場復帰を果たし、2017年の定年まで勤め上げる。現在では京都の市立中学校で再任用短時間教員として勤務中。夫は2005年に膵臓がんで死亡。

がん検診の受診率アップ、がん患者の就労支援のために自身の経験を伝えたいと応募。

石山美行氏(神奈川県)

2016年4月に初期の乳がんとリンパ節転移が見つかる。左乳房全摘とリンパ郭清の後、化学療法を1年続ける中、リンパ浮腫も発症。現在はホルモン治療中。副作用を緩和しながら、治療と仕事を両立。ヤフー株式会社勤務。医療や健康の相談ができる「暮らしの保健室」も手伝っている。

自身の経験から、仕事と治療の両立に役立ったことを伝えたいと応募。

風間沙織氏(神奈川県)

2014年に乳がんを罹患。左乳房全摘、再建手術も行う。その後抗がん剤治療を経て、現在はホルモン治療中。がん確定診断時より、周囲の理解を得るとともに、会社のさまざまな制度を活用し、仕事と治療を両立。アデコ株式会社キャリア推進室勤務。乳がん体験者コーディネーター11期生。

がんになって初めて知ったこと、感じたこと、必要なことなど、仕事と治療の両立のために伝えたいと応募。

川畑英美氏(大阪府)

2008年の職場検診で左肺線がんが見つかる。左肺下葉切除とリンパ節郭清を行う。現在は医療法人・浩仁会 南堺病院で居宅介護支援事業所「南堺ケアサポート」の管理者として勤務。高齢者や障がい者の在宅生活支援、がん末期患者の在宅生活や看取り支援に携わる。「がんと共に生きる会」「大阪がんええナビ」に所属してボランティア活動も行っている。

がん検診の大切さ、がん治療後に就職で苦労したことなどを伝えたいと応募。

昆広海氏(東京都)

出産後、2018年に子供が0歳児で復職するも、自己触診で乳房にしこりを発見、検査し1カ月後に乳がんが判明。抗がん剤治療の後、左乳房全摘。監査法人勤務。

仕事と治療の両立、子育ての経験をもとに、企業のがん対策やがん教育を進めたいと応募。

澤田崇史氏(岐阜県)

2017年、会社の健康診断で胃がんが判明。2カ月休職し、胃の4/5の切除手術を行う。キョーワグループ有限会社ヘルスサポート代表取締役で、薬剤師として勤務。

自身の経験を伝えることで、がん検診受診率がアップし、がんが早期発見されることで悲しむ人が減るのではないかと応募。

鈴木信行氏(東京都)

大学3年時に精巣がんを罹患、治療するも24歳で再発。その後寛解するも46歳で甲状腺癌に罹患。製薬企業の研究所に13年勤めた後、患者の視点から医療環境をよりよくするための組織「患医ねっと」を設立し、代表となる。現在は、全国各地の製薬企業や医療系団体、大学等で講演活動、研修の企画、運営を推進中。49歳。

自身の体験をもとに、薬剤師、産業医、患者の三者が密につながることでがん患者がよりよい人生を送れるのではないかと応募。

花木裕介氏(千葉県)

2017年12月、中咽頭がんとリンパ節転移が発覚。抗がん剤治療、放射線治療を行う。2018年8月、病巣が画像上消滅したのをきっかけに9月より復職。がん発覚後からブログを開設、日々の体験を発信し続けている。ティーペック株式会社サービス企画部サービス企画室マネージャー。

「治療と就労の両立」や「早期発見・早期治療」の重要性、そして何より「がんは治せる病気なんだ」ということを伝えたいと応募。

柳田真由美氏(広島県)

10年前に右胸にしこりを発見し、病院で乳がんが見つかる。右乳房部分切除、放射線治療、5年間にわたるホルモン治療を行う。治療に専念するために当時管理職として勤務していたリーガロイヤルホテル広島を退職。現在は広島大学学生支援グループに勤務。

「がんと共に生き、働く時代」を支えることをモットーに、前を向いて生きて行こうと応募。

[今回欠席]

中美佳氏(和歌山県)

2012年9月、マンモグラフィ検査で異常が見つかり、検査の結果10月に右乳房にがんが見つかる。半年間術前化学療法を行い、2013年4月に右乳房全摘。その後約1年間分子標的薬の点滴を行う。現在はホルモン療法中。4年前より保育教師として仕事に復帰している。

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