• がん対策推進企業アクションとは
  • がんについて
  • がん検診について
  • 就労支援
  • パートナー企業・団体

イベントレポート

2018/8/23
出張講座8/23開催 伊藤忠商事株式会社

8月23日(木)、伊藤忠商事株式会社の東京本社において、第3回朝活セミナー「ビジネスパーソンの新常識! 日本人最大の敵“がん”に克つ最強ストラテジー」が、中川恵一先生(東京大学医学部附属病院放射線科 准教授)を講師に迎え、開催されました。

講演の様子

当日は、早朝7:30からのセミナーにも関わらず、約300人の社員が集まり、会場は満員。伊藤忠商事は、2017年度より「がんとの両立支援施策」を推進し、国立がん研究センターとの提携や、社内風土の醸成を進めていることもあり、講義は熱気にあふれ、中川先生の講義に熱心に耳を傾けていました。

「議題は難しいですが、要は皆さんがどうしたらがんで死なないですむか」ということです、と中川先生のセミナーはスタート。
ビジネスマンならまずは敵(相手)を知ること。つまり「がんを正しく知ること」。各種さまざまなデータやグラフが用意され、日本のがんに対する現況、今後に必要な対策などが語られました。

講演の様子

誰もが知っている有名人の具体例や、漫画の主人公を例に挙げた加齢とがんの話など、わかりやすく楽しい講義に会場は笑いや歓声が上がるほどの盛り上がりをみせました。

【主なセミナーの内容】

がんは、男性のほうが女性よりも3割ほどかかりやすいというデータが出ています。なぜなら、男性のほうが女性に比べ、生活態度やお酒やたばこにルーズな傾向があるからです。生涯でがんに罹患する確率は、男性が63%、女性が47%(2012年)。つまり、男性は3人に2人、女性は2人に1人ががんになる時代なのです。

また、わが国の死因の1位はがんです。日本人の2人に1人ががんにかかります。平均寿命が伸びれば伸びるほど、がんにかかりやすくなり、仮に平均寿命が100歳になると、100%の人ががんにかかります。がんは、ある意味身近な病気といえます。

また、定年延長などで就労年齢が上がると、現役で働いている人のがんにかかる確率も上がります。専属産業医がいる事業所における在籍死亡調査(サンユー会QQプロジェクト/1999〜2003年)によると、会社員の死因の1位はがんで、全体の約50%。ですから、会社員にとってがんは非常に重要な病気です。

講演の様子

がんになる要素としては、食事(生活習慣)、喫煙、その他の要因がそれぞれ1/3ずつをしめます。その他の要因は何かというと、「運」ということになります。聖人君子のような生活をしていてもがんにかかる人はいますし、ヘビースモーカーでもがんにならない人はいます。ですから、普段の生活態度がよい人も検診を受けなければなりません。ただし、全体でみるとヘビースモーカーの方が、非喫煙者よりもがんになる確率は圧倒的に高くなります。ちなみに、遺伝が原因でがんにかかる人は5%程度しかありません。

大切なのは、「がんになる前に、がんを正しく知ること」です。がん治療は、敗者復活戦のない一発勝負です。最初に間違った選択をしないこと。正しい治療をすれば、がんは治せます。がん全体でも2/3が治り、早期であれば95%が完治します。ですから、がんは不治の病ではありませんし、ある意味コントロールしやすい病気ともいえます。

がんに対するわずかな知識の差が、運命を左右してしまいます。

日本は世界一のがん大国です。なぜなら、世界一の長寿国だからです。ですが、がんのことを知りません。教育してこなかったからです。日本人のヘルスリテラシーが低い要因でもあります。

日本では、年間約100万人ががんになり、37万人ががんで死亡していて、年々増え続けています。先進国でがんでの死亡が増え続けているのは日本だけです。日本は世界一のがん大国でありながら、がん対策においては後進国といわざるを得ません。

講演の様子

がん細胞は、60歳であれば毎日5000個もできているといわれていますが、通常は免疫力(リンパ球)ががん細胞を殺しています。しかし、加齢とともにがん細胞が増えるとともに免疫力が衰え、がんにかかりやすくなります。

がんは、検診で発見できる大きさ(約1cm)になるまで、約20年かかりますが、そこから末期がんになるまでは数年と短いスパンです。

つまり、1〜2cmの早期がんを、いかに早く見つけるかが非常に重要です。ですから、定期的に検診を受けることががんの早期発見、早期治療につながります。

日本は、女性の就労者の増加にともない、若い女性がかかりやすい子宮頸がん患者、定年延長による中高年者のがん患者、つまり働く人のがん患者が増えていき「がん社会」が到来します。

がんの正しい知識を身につけ、がんにならない生活習慣、定期検診による早期発見、がんになったときの正しい治療が求められます。

また、がん治療には「手術」「放射線治療」「抗がん剤」の3種類がありますが、日本では手術が一般的です。しかし、欧米では放射線治療が一般的です。手術なら入院が必要ですが、放射線治療なら通院で可能です。こういった治療の選択肢もあるということを、がんになる前に知っておくことが大切です。

がんは特別な病気ではありません。がんの予防は健康長寿のカギです。

【がんを防ぐ生活習慣】

・タバコは吸わない(受動喫煙も)
・酒はひかえめ(顔が赤くなる人はとくに)
・肉と塩分はひかえめ
・活発に暮らす
・体型の維持
・野菜・くだものなど、バランスのよい食事
・細菌・ウイルス感染にも注意

ページトップ
  • 参加方法・登録申請
  • お知らせ・イベント情報
  • 調査レポート
  • がん対策スライド
  • 全国3ブロックセミナー
  • がん対策推進企業アクション公式小冊子「働く人ががんを知る本」
  • 令和4年度がん検診50%推進全国大会
  • 令和5年度がん検診50%推進全国大会
  • がん対策推進企業アクション Facebookはじめました
  • がん対策推進企業アクション Facebookはじめました
  • 両立支援の啓発動画の紹介