2018/5/22
協働ステーション中央で開かれた「がんサバイバーが挑む「がん教育」の取組み」を取材しました
【日時】:5/22(火)19:00~21:00
【会場】:協働ステーション中央
十思カフェVol.83 がんサバイバーが挑む「がん教育」の取組み
【ゲスト】
林和彦さん(東京女子医科大学がんセンター長)
岸田徹さん(NPO法人がんノート代表理事)
西口洋平さん(一般社団法人キャンサーペアレンツ代表理事)

今回取材に赴いたのは、十思カフェです。
中央区で社会貢献活動団体間の協働を推進している協働ステーション中央にて、毎月1回開催されています。
83回目を迎える今回は、『十思カフェVol.83 がんサバイバーが挑む「がん教育」の取組み』
と題して、アドバイザリーボード委員、林和彦先生の講演が行われました。
![]() ▲東京女子医科大学 がんセンター長 化学療法・緩和ケア科 教授 林和彦先生
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林先生のパートでは、先生ご自身が行ってきた、がん教育、がん啓発活動についてのお話をされました。
がんは、毎年100万人が罹患する病気であり、対策が急務ですが、がん検診率は、ここ数年で40%台がやっとという現状があり、これは、世界的に見ても低い数字です。
また、啓発活動がなかなか奏功せず、例えば、たばこの害について著名な先生を呼び講義しても、普段沢山タバコを吸う人はその場には来ない現実があります。
そこで、林先生は自分から出かけようと思いました。
2013年に新宿西口でイベントを開催、2日間で5,800人来場、NHK番組「おはよう日本」で紹介という大きな動きになりました。
このことがきっかけで、林先生は積極的にマスコミと関わりながら、がん教育、啓発活動を活発化して行きます。
伝え方さえ正しければ、ちゃんと理解してもらえるという実感が大きくなり、若い世代に聞いて欲しい、という思いから、林先生は、教員免許を取得し、がん教育を行うべく、全国の小中高校を回ることになりました。
この活動を通じて、学校教育なら、日本中どこでも全ての子供に届けられる魅力を感じ、また、子供たちの理解力は高いということが良くわかりました。
がん教育を受けた子供たちは、家族にがん検診に行くよう勧めたなど、副次的効果も出ています。
がんという病気を通じて、健康教育全体を考え直すこと、がんを知ることで社会全体が変わる可能性があることに、林先生は希望を持っています。
子供たちに教育を施すことで、彼らが成長してからも、主体的に検診を受け、自分の体は自分で守ろうとする意識に変わってくるのです。
医療者が学校と協力し合って、子供たちから日本の社会を変えて行くことが大切なのだと述べて、講義を締めました。