2017/03/15
東急百貨店健康保険組合・保健センターで中川恵一先生の講演会が開催されました
2017年3月15日(水)、がん対策企業アクション推進パートナーである、東急百貨店健康保険組合が主催する講演会がありました。今回の講演会は、同健保組合の設立50周年記念事業として開催されました。アドバイザリーボード議長の中川恵一先生が、「がんは働きながら治す!」というタイトルで日本におけるがんの現状などを説明しました。東急百貨店グループ各社幹部役員含め約100名の参加者が熱心に耳を傾けました。
▲「がんは働きながら治す」と題された講演でした |
中川先生が日本における「がん」の現状を紹介
東急百貨店健康保険組合の飯塚常務理事より中川先生の経歴を紹介した後、中川先生がマイクを持って講演が始まりました。先生は「がんの臨床医として30年以上にわたって放射線治療や緩和ケアを行ってきましたが、病院で患者さんを待っているだけでは、がんが減らない。そこで約10年前からこういう啓発活動をしています」と話し、年間101万人が「がん」に罹患(りかん)し、37万人が死亡している日本の現状を紹介しました。さらに他の先進国では「がん」による死亡は減少しているのに、日本はずっと増え続けていて1981年以降ずっと死因の第一位であることも紹介しました。日本とアメリカの例を取って、人口ではアメリカが2.5倍であるのに対し、大腸がんによる死亡数が両国ほぼ同数であることを指摘し、格差が広がっていると話しました。
そして日本でがんへの取り組みが遅れている表れとして「がん登録制度」について言及。昨年やっと同制度が始まり、これでやっと正しいデータを把握できるとしたうえで、現在の推定値で男性の67%、女性の51%が「がん」に罹患していると紹介しました。女性の社会進出と定年延長などを背景に「働く世代のがん」が増えているとも語って、65歳まで働くと社員の7人に1人はがんになるデータを示しました。そしてがん発生のリスクについて解説。「がんになるリスクの1/3は喫煙、食事・運動など生活習慣がやはり1/3。残る1/3は大雑把に言えば〈運〉です」と話し、まず喫煙の影響について、肺だけでなく殆どの臓器でがんを増やすと説明しました。いかに健康に気をつけていても、1/3はがんになるリスクは残る。がんで死なないためにはがんにならないこと、そして早期発見がポイントであると話した先生。がんに対する間違った認識についても例を取って説明しました。国民意識調査で多数の回答があった「焦げた肉・魚を食べない」というがん予防は誤りであること、「日光に当たらない」も日本人には当てはまらないと解説しました。「何か異変や症状が出たらすぐ病院へ」というのも間違いで、がんは末期にならないと症状を出さない病気であると話しました。
また胃がん・子宮頸(けい)がん・肝臓がんは感染型で、自分がキャリアかどうか調べる必要があると示唆しました。そしてこれらの知識不足が不幸を招くとして、がんが不治の病というイメージによって、告知された人の自殺率が高まることや、治療を始める前に離職・廃業する人が多いことを紹介。がんは早期なら9割以上、全体で7割が治癒すると話しました。また、2017年4月から全国の小・中・高校で「がん教育」がスタートし、子どもはがんの正しい知識を学べるが、問題は大人たちで、自分はがんにならないと思っている人に正しい知識を伝えるには、職域である程度の強制力を持って教育を行わなければいけないと、会場に呼びかけました。
そして全国健康保険協会(協会けんぽ)が実施したWeb調査の結果を紹介。社員のがんに対する知識が高い職場はがん検診受診率が高く、経営者のリテラシーが高い会社ほど、がん対策が進んでいるデータを解説して、「ここにいる皆さん(経営者)には責任があります」と啓発を呼びかけ、中川先生の講演が終了しました。
そして日本でがんへの取り組みが遅れている表れとして「がん登録制度」について言及。昨年やっと同制度が始まり、これでやっと正しいデータを把握できるとしたうえで、現在の推定値で男性の67%、女性の51%が「がん」に罹患していると紹介しました。女性の社会進出と定年延長などを背景に「働く世代のがん」が増えているとも語って、65歳まで働くと社員の7人に1人はがんになるデータを示しました。そしてがん発生のリスクについて解説。「がんになるリスクの1/3は喫煙、食事・運動など生活習慣がやはり1/3。残る1/3は大雑把に言えば〈運〉です」と話し、まず喫煙の影響について、肺だけでなく殆どの臓器でがんを増やすと説明しました。いかに健康に気をつけていても、1/3はがんになるリスクは残る。がんで死なないためにはがんにならないこと、そして早期発見がポイントであると話した先生。がんに対する間違った認識についても例を取って説明しました。国民意識調査で多数の回答があった「焦げた肉・魚を食べない」というがん予防は誤りであること、「日光に当たらない」も日本人には当てはまらないと解説しました。「何か異変や症状が出たらすぐ病院へ」というのも間違いで、がんは末期にならないと症状を出さない病気であると話しました。
また胃がん・子宮頸(けい)がん・肝臓がんは感染型で、自分がキャリアかどうか調べる必要があると示唆しました。そしてこれらの知識不足が不幸を招くとして、がんが不治の病というイメージによって、告知された人の自殺率が高まることや、治療を始める前に離職・廃業する人が多いことを紹介。がんは早期なら9割以上、全体で7割が治癒すると話しました。また、2017年4月から全国の小・中・高校で「がん教育」がスタートし、子どもはがんの正しい知識を学べるが、問題は大人たちで、自分はがんにならないと思っている人に正しい知識を伝えるには、職域である程度の強制力を持って教育を行わなければいけないと、会場に呼びかけました。
そして全国健康保険協会(協会けんぽ)が実施したWeb調査の結果を紹介。社員のがんに対する知識が高い職場はがん検診受診率が高く、経営者のリテラシーが高い会社ほど、がん対策が進んでいるデータを解説して、「ここにいる皆さん(経営者)には責任があります」と啓発を呼びかけ、中川先生の講演が終了しました。
▲講演中の中川先生
|
がん対策推進企業アクションの川幡事務局長が事業内容を紹介
講演の後、司会者から紹介されて川幡事務局長が登場。がん対策推進企業アクションプロジェクトの概要を説明しました。今年度新たに参加した企業・団体は301社。社員数にして110万人となり、活動開始からの8年で2266社・623万人が参画するビッグプロジェクトになったことを紹介。就労支援という視点から事業体にもぜひ参画いただきたいと会場に呼びかけました。その後、司会者から新たに東急グループ2社の参画が報告され、講演は幕を閉じました。
▲プロジェクトの説明を行う川幡事務局長
|