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イベントレポート

「がん検診企業アクション 東京事業説明会」を開催致しました

主催者挨拶、事務局から事業概要を紹介
司会者から事業説明会の趣旨とプログラム説明が行われた後、主催者である厚生労働省健康局がん対策・健康増進課の田中氏より、厚生労働省健康局がん対策・健康増進課長宮嵜氏からのメッセージを代読する形で、1981年以降、『がん』は変わらず日本人の死亡率1位であり、その国家対策として『がん検診受診率50%達成』を目指していることの説明と、本事業に現在約900の企業・団体に参加いただいていることへの謝意が述べられました。
続いて、がん検診企業アクション事務局より、「がん検診企業アクション」の目的と意義について説明し、「推進パートナー」の登録に関するご案内を行いました。
NPO 法人HOPE プロジェクト理事長 桜井なおみ氏による講演
30代に職域検診で「乳がん」が発覚、がん治療を経験。その後、自らの体験や社会スキルを活かして、がん患者とその家族の支援活動を幅広く行っておられ、がん検診企業アクションアドバイザリーボードメンバーでもあるNPO 法人HOPE プロジェクト理事長の桜井なおみ氏より、「がんと就労~その現状と社会の取り組み~」というテーマにて、「がん」に関する基礎情報、「がんと就労」に関する現状等についてご講演いただきました。

講演では、まず、乳がんが発覚した時のショック、これからどうしようと不安でいっぱいだったことが語られ、「災害とがんは、ある日突然やってきます」ということが述べられ、がんは金太郎飴を切っていったときに時々出てくるひしゃげた金太郎飴のようなものだと、表現されていました。
「自分ががんになる」という心の準備がないなかで、いきなり突きつけられるがん罹患の事実。その精神的なインパクトは、実体験に基づくお話であり、会場出席者にもよく伝わったようでした。

日本人男性の2人に1人、日本人女性の3人に1人ががんになり、日本人の3人に1人(毎年30万人超)ががんで亡くなっているのは、ちょうど人生80年で交通事故に遭遇する確率が2分の1であるのと同じようなものであり、自動車に法定車検があるように身体は点検していますか?というわかりやすい呼びかけがありました。

そのうえで、女性のがんは罹患年齢が男性のがんに比べて早いこと、男性のがんは50歳以上で、一気に増えること、女性の社会進出・定年延長による雇用年齢の長期化により、就労世代でがんを罹患する人はこれから益々増えること、その為、企業での就労支援が重要となってくることが語られました。
例えば、乳がんは早期(病巣が2cm以下であるとき)に発見できれば90%以上は治るが、それ以上大きくなって発見されると致命的になってしまうこと、つなり、がんが1円玉の大きさで発見して欲しいことを強調されました。
それにもかかわらず、他先進国に比べて、受診率が低いことが述べられました。

また、がん罹患と就業状況への影響について、がん体験者に向けた調査では、就業条件の悪影響への懸念等から、がんに罹患しても職場に言わない現状が明らかになったことが紹介されました。がん罹患後に収入が減ったと回答した方が67%、事業へ影響があった人は72%もいたことが紹介され、働く世代のがんは健康問題であると同時に、労働問題・経営問題であると言えると述べられました。
 
具体的な事例として、働き盛りの50歳、会社経営者の男性の例が紹介され、事業の裁量権(者)が不在や業績悪化や取引条件変更等、がん罹患により引き起こされるリスクについて語られました。がん検診受診率向上は、経営基盤を守るリスクマネジメントであると強調されました。

このような現状に鑑み、がんと就労問題への取組みに関するステップとして、平成24年6月8日に閣議決定されたがん対策基本計画では、新たな分野別施策として、働く世代や小児へのがん対策の充実が盛り込まれ、職場における理解の促進や相談支援体制の充実を通じて、がんになっても安心して暮らせる社会の構築が、個別目標として追加されたことが述べられ、事業主や人事は今後対応を考える必要がでてくることが解説されました。
そして、がん対策やがんに罹患した従業員が出た場合に、相談相手を確保しておくという意味でも、がん検診企業アクションへの参加が良いであろうと呼びかけられました。
▲講演されている桜井なおみ氏
東京大学医学部付属病院放射線科 中川准教授による基調講演
セミナーのまとめとして、長く幅広いがん対策活動に取り組んでこられ、現在がん検診企業アクションアドバイザリーボード座長として参画いただいている東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一先生より、「がん検診のススメ」というテーマで基調講演をいただきました。
壇上に立った中川先生は、まず、「がんに対する正しい知識を身につけ、きちんと備えておくことががん予防には非常に重要」であると呼びかけ、がん発生のメカニズムとして、がんは細胞分裂の過程で起こるコピーミスであり、長く生きていればがん細胞は増えていくこと等を説明されました。

そして、欧米等の主な先進国ではがん死亡者数が減ってきているのに対して、日本ではがん死亡者数は増えている現状が発表されました。その理由の一つとして、欧米に比べ、我が国の低いがん検診受診率があると論じられました。

例えば、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの3つのがんは、検診で早期発見された場合、5年生存率が90%近くあること、つまり、がんは早期発見できればほとんどが治るという事実が解説されました。
がん検診を受けて早期がんのうちに発見して助かった例と進行がんで発見された不幸な例も紹介され、「全てのがんに早期がんの過程がある、その時に見つける為には、がん検診を定期的に受けることが重要である」と呼びかけられました。

また、「がんで死なない為には、がんにならないことが重要」、喫煙や飲酒は全てのがんを増やす(例えば、喫煙する人は喫煙しない人比べて約2倍がんになりやすい、咽頭がんに至っては32.5倍、という調査報告がある)ため、嗜好に関する生活習慣を見直すことが、がんにならない為に有効であることが説明されました。
さらに、運動すること、野菜をバランスよく食べること、特に運動をすることはやればやるだけ良いということ等が解説されました。

そして、最後に、がん検診の普及には就業前の若い世代からの教育と啓発が必要であり、学校教育を通じてがんやがん検診の重要性の理解を深め、さらに、職域におけるがん検診の推進、つまり、本事業のような企業連携を通じた啓蒙活動につなげることの有効性についてご指摘いただきました。
▲講演されている中川先生
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