2010/08/31
検診率 3年間で49.4%→76.7%に
乳がん検診推進企業ネットワーク 受診率アップの秘訣を報告
乳がん検診推進企業ネットワーク(乳検ネット)がマスコミ公開定例会を7月23日、東京・原宿のセコム株式会社本社会議室で開催、乳検ネット参加企業の関係者ら100人が参加しました。乳検ネットは2007年、乳がんの職域検診率の向上を目的に異業種企業15社(現在10社)で発足。これまで3年間にわたって活動してきましたが、今後は厚生労働省がん対策推進室が進める「がん検診企業アクション」に発展的統合をし、活動の成果と蓄積してきたノウハウが引き継がれることになりました。この日は同ネットワークの活動成果発表をはじめ、経営者によるパネルディスカッション、ノウハウ集の授与式が行われました。
死亡率の低下、QOL向上へつなげる一歩
乳検ネットは発足3年後の2010年に、各社における乳がん検診率の平均値を65%にするという目標を掲げて活動を開始。2006年49.4%だった参加企業の全体受診率(参加企業9社平均)を、2009年に76.7%に向上させるなど大きな成果を上げました。この日は、検診率向上の秘訣(ひけつ)について発表が行われました。
冒頭、登壇した厚生労働省がん対策推進室室長の鈴木健彦氏は、「検診率のアップは、取り組みの成功と同時に企業の理解が深まったことを意味するもので、たいへん喜ばしいことだと思います。しかし、最終目的はがんによる死亡率を下げること、国民のQOL(Quality of Life)を向上させることです。企業は大中小企業など規模もさまざまなので、どう意識を醸成していくかなど課題がたくさんあります。今後、活動を引き継ぐ『がん検診企業アクション』に期待しています」とあいさつしました。
冒頭、登壇した厚生労働省がん対策推進室室長の鈴木健彦氏は、「検診率のアップは、取り組みの成功と同時に企業の理解が深まったことを意味するもので、たいへん喜ばしいことだと思います。しかし、最終目的はがんによる死亡率を下げること、国民のQOL(Quality of Life)を向上させることです。企業は大中小企業など規模もさまざまなので、どう意識を醸成していくかなど課題がたくさんあります。今後、活動を引き継ぐ『がん検診企業アクション』に期待しています」とあいさつしました。
▲あいさつする厚生労働省がん対策推進室室長の鈴木氏 | ▲成果発表では、検診率を向上させる要因を明らかにしました |
検診率を向上させる六つの要素
引き続き、乳がん検診推進企業ネットワーク(乳検ネット)の取り組みが紹介されました。
同ネットワークは、4半期に1度の定例会を行い協働で施策を実施。乳がん検診率(参加企業9社平均)を2006年49.4%、2007年65.9%、2008年69.2%、2009年76.7%と向上させました。
検診率アップの要因にあげたのは、「検診体制の整備」「検診費用の補助」「受診勧奨の取り組み」「社内における旗振り役の存在」「社内連携」「経営者の理解」の6点で、すべての要素が連動したときに検診率は上がるという結論をまとめました。具体的に成果を上げた取り組みとして「検診バスを会社に配車する」「検診機関を会社に招へいし、社内検診を行う」「定期健康診断に組み入れる」などを紹介したほか、各社の取り組み例や6項目の関係性について解説しました。
同ネットワークは、4半期に1度の定例会を行い協働で施策を実施。乳がん検診率(参加企業9社平均)を2006年49.4%、2007年65.9%、2008年69.2%、2009年76.7%と向上させました。
検診率アップの要因にあげたのは、「検診体制の整備」「検診費用の補助」「受診勧奨の取り組み」「社内における旗振り役の存在」「社内連携」「経営者の理解」の6点で、すべての要素が連動したときに検診率は上がるという結論をまとめました。具体的に成果を上げた取り組みとして「検診バスを会社に配車する」「検診機関を会社に招へいし、社内検診を行う」「定期健康診断に組み入れる」などを紹介したほか、各社の取り組み例や6項目の関係性について解説しました。
▲乳検ネット参加企業の関係者を中心に100人が参加しました | ▲「異なる企業が連携して進めた活動の意義は大きかった」という意見が聞かれました |
3社の経営者がパネルディスカッション
その後、検診率アップの成果を上げた企業の経営者によるパネルディスカッションが行われました。ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の近咲子氏をコーディネーターとして、GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏、株式会社桃谷順天館取締役常務執行役員の藤本謙介氏、リコーリース株式会社常務執行役員の清見純子氏が、乳がん検診に対する経営者側の考え方、具体的な活動について意見を交換しました。
検診率を上げるユニークな取り組みとして、「母の日のプレゼントとして乳がん検診を贈る」(GEヘルスケア・ジャパン)、「乳がん検診の大切さをいつも気にしてもらえるよう持ち運びしやすいピンクリボン・ハンドクリームを開発。一般にも販売し、その収益金をピンクリボン活動にあてている」(桃谷順天館)、「社内のボランティアが乳がん検診受診のツールを作り、啓発活動を行っている」(リコーリース)といった取り組みが紹介されました。
検診率を上げるユニークな取り組みとして、「母の日のプレゼントとして乳がん検診を贈る」(GEヘルスケア・ジャパン)、「乳がん検診の大切さをいつも気にしてもらえるよう持ち運びしやすいピンクリボン・ハンドクリームを開発。一般にも販売し、その収益金をピンクリボン活動にあてている」(桃谷順天館)、「社内のボランティアが乳がん検診受診のツールを作り、啓発活動を行っている」(リコーリース)といった取り組みが紹介されました。
▲GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの熊谷氏 | ▲リコーリース株式会社常務執行役員の清見氏 |
検診率向上には経営者の意識が重要
乳がん検診についての経営者側の意見を尋ねられた熊谷氏は、「検診率が高い会社は経営者の意識も高いという傾向があると思います。特に当社は健康を事業のミッションとしているので、社員が健康で働いていることはそのまま会社のイメージにもなります。社員が健康でいることは経営者の責任だと考えています」とコメント。
また、どう経営サイドにアプローチすればいいのかという質問に対して清見氏は、「費用がかかる問題なので、経営者の理解が不可欠。アプローチの仕方はケースバイケースだが、時には中間の立ち位置にある人を引っ張り込む必要もある」。また、藤本氏は「できるところから始めることが大事。熱い活動は伝染していくので、まず、アクションを起こすこと」とそれぞれコメントしました。
最後に今後、活動を引き継ぐがん検診企業アクションに同ネットワークの3年間の取り組みをまとめたノウハウ集の授与式が行われ、厚生労働省がん対策推進室室長の鈴木氏に手渡されました。引き続き、2部では、乳がんの体験者であるタレントの山田邦子氏によるトークショーが行われました。
また、どう経営サイドにアプローチすればいいのかという質問に対して清見氏は、「費用がかかる問題なので、経営者の理解が不可欠。アプローチの仕方はケースバイケースだが、時には中間の立ち位置にある人を引っ張り込む必要もある」。また、藤本氏は「できるところから始めることが大事。熱い活動は伝染していくので、まず、アクションを起こすこと」とそれぞれコメントしました。
最後に今後、活動を引き継ぐがん検診企業アクションに同ネットワークの3年間の取り組みをまとめたノウハウ集の授与式が行われ、厚生労働省がん対策推進室室長の鈴木氏に手渡されました。引き続き、2部では、乳がんの体験者であるタレントの山田邦子氏によるトークショーが行われました。
▲株式会社桃谷順天館取締役常務執行役員の藤本氏 | ▲乳がん検診率アップのノウハウ集を鈴木氏に手渡しました |