コンソノート 企業のがん対策事例集 コンソノート 企業のがん対策事例集

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グローバル規模で積極的にがん対策に取り組む。100箇所以上の医療機関と連携し国内全ての事業所において同じ検診メニューを提供。

オリンパス株式会社

オリンパス株式会社

memo 医療機器の製造・販売で知られるオリンパス株式会社は、自社製品でもある内視鏡の検診をいち早く導入。国内外に多数の拠点を持ち、およそ3万人の従業員を抱えるグローバル企業の健康経営の裏に、健保との密接な協力体制があります。

--御社のがん対策推進に至った経緯について、お伺いしたいです。

がん検診は健康保険組合が当初から開始し、私が入社した1988年の時点で自社製品でもある内視鏡の検査も導入していました。その後、検診メニューの拡充、費用補助、全国を網羅した検診体制の構築など、従業員ががん検診を受診しやすい環境を整備してきました。昨今の健康経営という流れの中では、がん対策を重点項目と位置づけ、「従業員ががんで亡くなることを防ぐ、がんに罹患しても職場復帰を実現すること」を目的に、会社と健保が協力して様々な取り組みを推進しています。

--そうした御社内でのがん対策推進の取り組みで、課題と感じるものはありますか。

がん検診の受診促進に取り組んできた結果、受診率は高いレベルを維持していますが、検診結果後の精密検査をいかに受けてもらうかが重要な課題です。健保の方針として「本人主役の健康作り」を掲げており、社員本人に健康意識を強く持ってもらい、私たちはそれをサポートすることを基本に考えています。がん検診の結果を取得し、精密検査の受診勧奨も実施していますが、検診の結果が疑わしいときはきちんと精密検査を受けることを本人に認識してもらう、ここが重要なことと考えています。

--高水準を維持しているがん検診受診率ですが、効果的だった取り組みはありますか。

がん検診を受診しやすい環境整備と社内教育、情報発信などの継続的な取り組みが背景にあります。検診機関は全国で100箇所以上と契約をしており、各地の従業員が任意の場所で受診できるようにし、費用もほぼ無料で受診できる体制を完備しています。会社の定期健診と同時にがん検診の申し込みができるなど、従業員側の利便性にも配慮した検診運用を考えてきています。社内教育で言うと、毎年e-ラーニングを実施しており、がん知識と検診の重要性の教育に加え、がんサバイバーの匿名インタビューなど、様々なコンテンツを盛り込み、従業員のヘルスリテラシー向上を促しています。e-ラーニング実施後の従業員アンケートでもポジティブな反応をもらっています。

--健康保険組合との役割分担など、うまく機能したと感じるところはありますか。

当社は歴史的に健保と会社は密に連携をしながら、様々な取組みを進めてきています。
例えば、健康診断でいうと、会社は定期健診、健保は特定健診、がん検診がありますが、健診機関の管理、健診申し込み手続き等を外部委託も活用しながら健保に集約して、運営の効率化を図ってきています。各種健康増進活動においても、予算は健保側にカバーしてもらい、活動そのものは会社の医療職が企画・展開するなど、相互に連携しながら進めています。がんの取組みについては、特に検診を軸に考えると、健保側が中心の活動になりますが、会社の産業医、保健師の一部が健保と兼務する形をとって、先にお伝えした精密検査の受診率向上などの施策を実行してもらっています。このように幅広く会社と健保で協力体制を構築してきており、これがいろんな面でうまく機能していると感じています。

--自社製品でもありますが、内視鏡検査を導入した際の社内の反応はいかがでしたか。

残念ながら数十年も前のことなので、導入当初の反応については記録としても残っていません。ただ、がん検診のメニューに内視鏡検査を導入する際には、自社製品で従業員の健康を守るといった会社としての強い意思が第一にあったことは間違いないと思っています。世間一般でも、胃がん検診で内視鏡を導入する事例は、当然ながら少なかったはずです。そういった中、内視鏡検査が導入され、従業員の中にも、自ら使命感をもって積極的に受診する方もいたかもしれません。精度の高い検診が選択肢に追加されたことは、従業員にとって大きなメリットと思います。

--全ての拠点で同メニューでの受診は素晴らしいですが、どのようなハードルがありましたか。

第一に全国どこの拠点に属していても、従業員の健康に関わる支援は統一的に提供すべきといった考え方が前提にあります。しかしながら、定期健診、がん検診、それも内視鏡検査を含めて、全拠点で健診実施体制を確保することは容易ではありません。現在100を超える健診機関と契約を結んでいますが、契約更新、健診結果・費用処理など、自社内ではとてもカバーしきれないので、外部委託業者を仲介して、健診機関の管理、健診運営を行っており、これがうまく機能していると思います。また、国内グループ会社を含む全拠点従業員を一元的に管理する健康管理システムを導入しており、このシステムが、健康診断の申請、結果閲覧、健診事後措置面談の管理など、業務運営の基盤となっており、全拠点統一的な健康支援の実現に寄与しています。

--グローバルでのがん対策の取組みついても教えてもらえますか。

グローバルで健康に関する重点領域を設定し、それぞれの状況を踏まえながら、積極的に取組みを推進してもらっています。特にがん対策については最優先の重点課題に位置づけ、拠点毎の取組みを本社で集約し、水平展開を図りながら、それぞれの施策レベルの向上に繋げてもらっています。またイントラネットを活用して、各グローバル拠点のユニークな取組みを全従業員に情報発信し、グローバルで一丸となってがん対策に取り組んでいることへの理解促進を図っています。

--これからがん対策に取り組む企業様へのアドバイスをお願いします。

がん対策で重要なことは、まずは「早期発見・早期治療」です。そのためには、従業員が定期的にがん検診を受診できる環境を整えることがなにより大事です。その上で、従業員自身が自主的に検診を受診し、必要な対応を自らの意思で実行するための支援策を、それぞれの会社の独自性をもって検討することかと思います。また、がん予防の対策だけではなく、がんに罹患した従業員の支援として、人事制度の整備、例えば年休や休職制度のスムーズな活用などもあわせて検討することが大切と思います。

--ありがとうございました。

オリンパス株式会社
■ 設立
1919年10月
■ 従業員数
2万9,297名(※2025年3月時点)
■ 本社所在地
東京都八王子市石川町2951
■ 事業所数
国内12拠点、国内グループ会社9社、海外グループ会社52社
■URL
オフィシャルホームページ
https://www.olympus.co.jp/
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