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「健康ファミリー青谷学園」自身のがん罹患経験を基に、積極的ながん教育を実施、検診受診率90%越えを達成!

社会福祉法人青谷学園

社会福祉法人青谷学園

memo 社会福祉法人青谷学園は、「健康 de 笑顔 大作戦!!」をスローガンに、“健康ファミリー青谷学園”として、健康で笑顔あふれる職場を目指します。

--がん対策の受診率向上への取り組み実施にいたる背景は?

健康経営に関しては前々から取り組んでいましたが、職員に対して更に何かできることはないかと検索をしたところ、がん対策推進企業アクションを見つけました。
様々な情報が得られたり、「がんを正しく知る」ことができる小冊子を啓発用としていただけるとのことでしたので、ぜひ登録させてもらおうと思い、2020年6月にがん対策推進企業アクションへパートナー登録させていただきました。その後、職場のがん対策が一気に加速しました。

--取り組みの詳細をお聞かせください。

乳がんサバイバーによる体験談や服の上から希望者に乳がんのしこりを触ってもらう体験、子宮頸がんにまつわるコラムの紹介やHPVワクチンの接種勧奨、がん検診の法人費用負担、中川先生のYouTubeや小冊子「がん検診のススメ」の朗読を館内放送するなど、様々な取り組みをしてきました。

がん対策の受診率向上への取り組みの様子

--取り組み実施時の障壁はありましたか?

男性の3人に2人、女性の2人に1人はがんになると、様々な教育の機会に情報を提供していても、若い世代にとってがんはまだまだ他人事のようでした。ただ、職員が抗がん剤の副作用で脱毛の症状が現れていたにも関わらず、頭のひどい湿疹が原因でウィッグをつけることができず、事務室ではウィッグも帽子も被らず、それ以外でも帽子で働き続けていたため、会う人会う人、息をのむ様子が見られました。このことがきっかけとなり、がんが身近なものとして捉えられたようです。

--取り組みの直接的な効果、結果はありましたか?

直接的な効果としては、毎日の「がん検診のススメ」の朗読や中川先生のYouTubeによって、職員のがんの知識が向上し、前向きに検診を受診してくれるようになりました。積極的に自費で追加検診をしたり、家族に検診を勧めてくれるようにもなり、特定検診の受診率も向上しました。2022年度の特定検診の受診率は100%を達成致しました。

--子宮頸がん検診について、2年で倍近く受診率が増えていますがどのような啓発を行ったのでしょうか?

自治体の検診対象の有無に関わらず、検診費用を全額法人で負担、予約を代行しています。受診可能日だけ伺い、シフトなども調整する形にしました。職員のがんリテラシーが上がってきたところに費用の負担や予約の代行など、そこまでしてあげることによって一気に受診率が上がりました。
ただ、子宮頸がん検診については性交渉の経験がない方に関しては、最初の1回目は検診に行ったものの対象外であると伝えられた、などの事例もありました。そのようなセンシティブなところをもう少しうまく扱うことができればよかったというところは反省点でもあります。

がん対策の受診率向上への取り組みの様子

--今後の取り組みにおける構想をお聞かせください。

当法人内でのがん教育はかなり浸透し、全員が検診を受診してくれるようになりました。
今後は新規採用した正規・非正規問わず、新しい仲間にがん検診を推奨すると共に、様々な取引先、施設公開の際などに地域の皆様、ご利用者様のご家族や後見人、出張講座等の際に学生などに、機会を見つけ積極的にがん検診の受診を勧奨し、「健康ファミリー青谷学園」を広めていきたいと思います。
また、職員が乳がんに罹患した際にがん特別休暇という制度ができました。有給とは別に年度ごとに15日間あります。時間休としてでも取得することができます。週休3日と、15日の特別休暇があるため、当該職員は1日も休職することなく、給料もすべていただいたままがんの治療をすることができました。
両立支援コーディネーターの資格を受けた職員がいたり、支えられる、話を聞いてあげられる側の人間も増やして、有事の際に備えられる、そういった体制を整えられることを目指しています。

--ありがとうございました。

社会福祉法人 青谷学園
■ 設立
1982年3月
■ 従業員数
約100名
■ 本社所在地
〒610-0113 京都府城陽市中芦原14番地
■URL
オフィシャルホームページ
https://aodani.or.jp
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