パートナー企業・団体コンソノート
グループ社員約28,000人がE-learningを受講!その背景や受講促進の手法とは
リコー三愛グループ健康保険組合


memo 当健保の母体企業である株式会社リコーが掲げる、リコーグループ2036年ビジョン「“はたらく”に歓びを」実現に向け、またリコーグループ以外の健保加盟会社にとっても、個人の幸福(健康増進・疾病予防→イキイキ度UP)と会社の発展(組織の活性化→生産性・業績向上)の同時実現に向け、「生活習慣病予防」「がんの早期発見・早期対処」「メンタルヘルス不調の未然防止・早期対処」の3つの軸で、健康リスクの低減、健康経営の推進を通じて、ヘルスリテラシーの向上に取り組んでいます。
--なぜeラーニングを実施しようと思ったのですか?
そもそも私たちは、がんに罹患しても治療と仕事が両立できる環境整備を通じて、一人ひとりが日常生活や就業に前向きに取り組める状態を目指して取り組みを行ってきました。
ただ現状は、産業保健スタッフのフォローで早期対処、就業上の配慮の実現などは効果が出てきているものの、34歳以下の婦人科がん検診受診率の低さや、精密検査未受診者が一定割合いるなど、一人ひとりのがん及びがん検診等への理解が十分ではない面があることを含めて、課題と考えています。
日ごろからがんやがん検診への理解向上に向けて、
①未然に防ぐための生活習慣
②早期に発見・対処するための健診・精密検査の受け方
③罹患した場合の治療と心身への影響等の理解
に関する施策を実施しているのですが、その一環として、2021年2月に中川先生にご講演いただきました。約3000名の従業員が視聴しましたが、その際に実施したアンケート結果から、がんに対する認識や理解が、想定以上に不十分なことが把握できました。
そこで、継続的ながん対策や情報提供が必要と考えて、健保加入各社で企業アクションのeラーニングを実施しました。
--成果はいかがですか?
全体の約70%、28,000人を超える従業員に受講してもらうことができました。
eラーニング実施後のアンケートと同時に、会社制度や健康保険組合によるがん検診受診費用補助等の情報提供も併せて行っていたのですが、情報提供の影響もあり、課題としていた若年層の乳がん・子宮頚がん検診の受診率が前年比で約1.5倍になるなど、少しずつ効果が出てきています。
--どのように受講を促進したのですか?
実施にあたり、従業員個人の背景に配慮しつつ「自分の体と大切な人を守りましょう。」と、限りなく必須に近い任意という重要度で、受講を案内しました。
まずは事前に、各社の健康管理責任者と健康管理担当者、産業保健スタッフにeラーニング実施と、実施の背景・目的をしっかりと共有し、受講促進への協力をお願いしました。
その後従業員に、個人宛にメールで受講の案内を出し、同時に、安全衛生委員会での情報共有、弊社グループイントラネットの掲示板での周知、電子情報を閲覧できない従業員に向けてはポスターを準備し、事業場内に掲示する等の工夫も行いました。なお、電子情報を閲覧できない従業員には、印刷した教材をお渡しするなどして、徹底した受講の促進を行いました。
また、未受講者や、受講途中で止まってしまっている方に向けては、リマインドメールを送付し、その際も「”がん”は正しい知識とそれに基づく行動によって大きく運命を変えることができます。この機会に学習し、自分の体と大切な人を守りましょう。」とメッセージをお伝えすることで、受講を促しました。


--今後はどういった取り組みを?
eラーニング実施後のアンケートから、様々な意見や要望を把握することができました。
社内の相談窓口の周知、がんの治療と仕事の両立を支援する仕組みの整備など、継続した施策が必要だと思っています。ただ、浸透するまで繰り返し周知していかないと、とは思いますが、インパクトを与えるにはどうすればよいか検討が必要だと思いますし、今回eラーニングでは、広く網羅的に啓発したので、今後は個別のリスクに応じた情報提供もできればと考えています。
--ありがとうございました!
がん対策推進企業アクション 中川議長よりご提供
日本経済新聞/2022年12月14日 「がん社会を診る “職場でがんのeラーニング”」 中川 恵一
記事はこちら
リコー三愛グループ健康保険組合 概要 |
|
