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がんケアのための従業員グループ「dbRibbons」

ドイツ銀行

ドイツ銀行
写真右から、
ドイツ銀行グループ チーフ・カントリー・オフィサー 本間 民夫様、
ドイツ銀行グループ 人事部長 Jiana Leung様、
ドイツ銀行東京支店長 兼 COO 中野 知彦様

memo ドイツ銀行は、ドイツのフランクフルトを拠点とし1870年に創立致しました。
そして、設立後わずか2年で、初の海外支店として横浜に支店を開きました。
今では、欧州に深く根ざしつつグローバル・ネットワークを有する欧州有数の銀行であり、個人顧客、中小企業、事業法人、各国政府および機関投資家に対し、さまざまな金融サービスを提供しております。
日本では主に、コーポレート・バンキング業務、資産運用の商品およびサービス、ならびに焦点を絞った投資銀行業務を提供しています。
そして現在、ドイツ銀行東京支店、ドイツ証券、ドイチェ・アセット・マネジメントの事業展開がされています。

dbRibbons発足のきっかけと具体的な取り組み

――dbRibbons発足に至る背景を教えてください。

支店長が、ある従業員のがん闘病体験として身体面に加えメンタル面での辛さを聞いたのを契機に、がんになった従業員が仕事を続けられる環境の必要性を痛感してドイツ銀行グループの日本代表に相談をしました。
実は、ドイツ銀行グループの日本代表自身も優秀な社員をがんで失った体験があり、その事から強い賛同とサポートを得ることができたのがきっかけです。

――どのような取り組みを行なっているのですか?

がん治療をしている従業員をサポートし、治療と仕事を両立できる環境を作り出すべく、がんケアのための従業員グループとして、「dbRibbons」を発足致しました。
dbRibbonsはがん闘病中の人、がんを克服した人、がん介護をしている人及びその同僚など、様々な立場の従業員同士がその経験を共有しあえる場所を提供することで、自分や家族などががんになってもドイツ銀行は働く場所であり続けられることを目的とし、日本代表をはじめとする経営層が強くサポートしています。
また、社内で周知してもらうために、発足イベントも行いました。

――イベントとはどのような事を行なったのですか?

dbRibbonsの発足イベントはリモートで行い、70名超の従業員が参加しました。
そこでは、がん闘病中、あるいはがんを克服した従業員5名(パネリスト)によるパネルディスカッションが行われ、がんの診断を受けたときの気持ち、治療にどのように向き合ったか、家族の問題やそのサポート、仕事への対応や同僚との関係など、それぞれの経験やその際の心情を共有してもらいました。
また、定期的な健康診断や些細なことでも身体の異変は放置せず、ネットにあふれた情報を鵜呑みにせず、病院にいくことの重要性についても話してもらいました。

――他に具体的な取り組みがあれば教えてください。

健康診断については、従前より規則で年1回、原則誕生日月に受診することになっており、人事部のきめ細かなフォローの結果、昨年はコロナ禍の影響か、70%程度に落ち込みましたが、受診率は例年80〜90%程度を維持しております。
その上で、一定年齢層以上にはがん検診の要素に、よりフォーカスした内容にするなど、形式に陥らず、実効性をより高めていきたいと考えています。

そこでまずは、予防・早期発見のために、年次健康診断・人間ドック・がん早期発見のための腫瘍マーカーなどのオプションの実施。
そして、診断後のサポートとして、医療費のサポートを行っています。
具体的には、高額療養費(健康保険組合)や三大疫病サポート保険、グループ医療保険などに入っています。
最後に診断後のケアとして、がん患者及び家族へのメンタルサポートを行っています。
具体的には、コンサルテーション・プログラムや産業医によるカウンセリングなど。

がん対策推進企業アクションのWorking Ribbonにも女性幹部に参加してもらい、上記の理念に少しでも近づくために、色々な企画を考えています。

dbRibbons発足の効果と導入後の課題について

――発足イベントではどのような成果がありましたか?

参加者の深い共感を呼んだなか、特にちいさなお子さんのいるWorking Mother / Fatherの方々は非常に深く考えさせられた、と言っていたのが印象的でした。

イベント後、参加者からは、個人的な経験を共有してくれたパネリストへの感謝と、がんは人ごとではなく、自分の事として非常に考えさせられた、がん予防についてもっと知りたいといったポジティブな感想が多数寄せられ、イベントを開催した甲斐がありました。

dbRibbonsの取り組みを始めてまだ日が浅いですが、今後経営層はdbRibbonsの活動から見えてくるこのような従業員の声を大切にし、がん治療と仕事を両立できる環境づくりに活かしたいと考えています。

また、副次的な効果として、発足イベントを通じてこれまであまり関係がなかった職場での社員同士のつながりが出来始めました。
自分と違う部署の人たちとの交流があると、社員間同士で刺激になったり、会社全体の士気の底上げにも繋がると思っています。

――現在の課題は何ですか?

検査の受けっぱなしで終わらせず、きちんと再検査等を受けてもらうために、健康診断・人間ドックの結果、要再検査・精密検査の結果が出た際に、どれだけフォローアップができるか、というところが課題だと思っています。
また、取組みとしての直接的な課題ではないが、2020年はコロナ禍の影響により受診率が70%、また2021年は9月時点で30%程度となっており、そこの点もコロナ禍だからこその課題として考えています。

――今後の展望をお聞かせください。

まだ詳しくは決まっていないですが、caféやセミナー、他の従業員サポートグループとのコラボレーションができたら良いなと考えております。

--ありがとうございました。

ドイツ銀行 概要
■ 設立
1870年3月10日
■ 東京支店所在地
〒100-6171 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー インフォメーションデスク19階 (各社総合受付)
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