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ヤフー株式会社

検索サイト「Yahoo! JAPAN」、ニュースサイト「Yahoo!ニュース」、オークションサイト「ヤフオク!」など、誰もが知っているIT企業であるヤフー株式会社は、1996年設立の旧ヤフーが持ち株会社に移行したことに伴い、子会社として2019年に設立。約6500人の従業員の平均年齢は35.6歳(2019年3月31日時点)で男性が約7割、女性が約3割です。
2018年度には、全社員を対象としたがん検診eラーニング、治療と就労の両立支援プログラムなどで、がん対策推進企業厚生労働大臣賞を受賞しました。ヤフー社員の健康対策を一手に担うグッドコンディション推進室長の市川さんと保健師の白川さんのお2人に、さまざまながん対策についてお話を伺いました。

--ヤフーさんはまだ社員の年齢も比較的若く、がんへの対策はなかなか浸透しづらいのではないかと思いますが、がん対策としては、どんなことをされていますか?

まずがんにならないための1次予防として、がんについて正しい知識を得てもらうために、全社員を対象としたeラーニングを行なっています。これは、インターネット上でがんに関する簡単な情報を読み物として提供し、最後の設問に答えて、その回答があっているかどうかという15分程度で終了するものです。何点以上取らなければならないというものではなく、がんに対する基礎的な知識や制度を理解してもらうイメージです。eラーニングは社員のIDと紐づいており、2017、2018年度の2回とも80%以上の社員が受講しています。

また、がんにならないための健康対策として禁煙を推奨しています。禁煙外来治療への健康保険組合からの補助(8000円)や、社内の喫煙室の削減、仲間に応援してもらう「卒煙応援カード」などで、2013年に21.5%だった喫煙率は、2018年には17.5%に減りました。

しかし、残った17.5%はかなりの愛煙家だと思います。ただ現在では愛煙家でも、喫煙が体に悪いということは十分に理解していると思います。それでも辞められない。中には何かやめるためのきっかけを欲している人もいるかもしれませんが、今までのような方法で簡単に喫煙率が下がり続けるとは思えないのも実情です。ソフトバンクグループとしても全体で禁煙に取り組んでおり、就業時間中を禁煙にするなどしています。今後も対策を考え、グループで歩調を合わせながら将来的には喫煙率を限りなくゼロに近づけたいと思っています。

受動喫煙対策としては、喫煙室やフロアを結ぶ階段などに、喫煙後5分間は執務エリアに戻らないなどのマナー喚起のポスターを掲示するなどしています。

さらに、健康のためにも社内クラブ活動も福利厚生として推奨しており、サッカーやゴルフ、テニスやストリートダンスのようなスポーツをはじめ、音楽や将棋などの文化系の活動にも補助を出しています。補助は、活動するための備品購入や施設使用料などいろいろなものに使えますが、きっちりと決算報告書が必要です(笑)。

また、歩く習慣をつけるためのキャンペーンなども随時行なっています。

今後は、運動クラブに入っている人に伝道者となってもらい、食事や運動や睡眠などの施策を広げていってもらうと面白いのではと考えています。

ヤフー株式会社

喫煙後5分間は、執務エリアや階段・エレベーターの利用を控えてもらうポスターを掲示

--2次予防のがん検診については、どのように行われていますか?

20歳以上に肺がん、乳がん、子宮頸がん、30歳以上に胃がん、大腸がん検診を行なっています。がん検診は、定期健康診断時と35歳以上であれば人間ドック時に組み入れています。受診率は2018年度で胃がん89%、大腸がん91%、肺がん99%、乳がん98%、子宮頸がん78%です。

乳がん検診は20歳からは超音波検査、40歳からは超音波検査とマンモグラフィー検査の両方です。40歳になっていなくても、一部補助を使ってマンモグラフィー検査も追加で受けることもできます。子宮頸がんだけが、少し受診率が低いので上げていきたいと考えています。

--20歳からがん検診を受診できるのは、一般的な観点からはとても早く感じますし、高い受診率ですね。女性の乳がんや子宮頸がんの受診率もとても高いと思いますが、何か秘訣はありますか?

高い受診率は、年1回の健康診断にがん検診が組み込まれていること、または、がん検診の必要性を教育する啓発活動などが効果を示しているように思います。

また、現在の場所に本社が移転する時に、クリニックさんに一緒のビルに入っていただきました。2018年の12月からクリニックで健康診断やがん検診も受けられるようになりましたので、わざわざ遠くに出かけていく必要がありません。毎週金曜日をレディースデーとして、女性だけの受診日を作ったのも女性のがん検診受診率が高い1つの要因だと思います。

ただ、現在の問題点としては、がん検診の結果で精密検査が必要な人の受診率は産業保健スタッフが把握している中では約40%程度であり、それを短期的には70%へ長期的には100%に上げていくことを目標としています。現在は各フロアのエレベーター前のデジタルサイネージで精密検査の受診を喚起していますが、今後はさらにeラーニング等も活用していきたいと思っています。

--3次予防となる、治療と就労の支援についてはいかがでしょうか?

弊社はもともと10:00〜15:00がコアタイムのフレックスタイム制ですが、時差出勤制度を設けており、がん治療中の方が使えます。これは30分の時差を設けて出勤できるというもので、電車の混雑を避けて10:30に出勤することが可能です。

そのほか、休んだ日は無給となりますが週休3日制の「選べる勤務」というものがあり、決まった曜日に通院しなければならない人や、副作用を避けるためなどに決まった曜日を休みにすることができます。この制度は、がん治療の方だけでなく、介護や育児でも使用することができます。

「どこでもオフィス」という制度では、連絡さえ取れれば月に5日、会社に来なくても自宅や旅行先、図書館など、自由な場所で勤務することができます。使用するためには、上長への事前承認の必要があります。

これらを併用すれば、例えば副作用が心配される抗がん剤の治療を「選べる勤務」を利用して金曜に、月曜を「どこでもオフィス」にすれば金曜から月曜まで出社しないでも大丈夫な勤務ができます。時短勤務も、5、6、7時間が選べます。

また弊社は基本的にフリーアドレス制ですので、体調に合わせて、例えば薬の副作用や疾病によってトイレに近い席の方がいい人は、それを選べます。

これらができるのは、社員全員にノートパソコンとiPhoneが貸与されているからで、インターネットあるいは電話が繋がる場所であれば、デスクにいなくても仕事ができることも大きいです。

ちなみに、ノートパソコンやiPhoneは社内でWifiが繋がっている場所であれば、名前を検索すれば本人がどこにいるかがわかるとともに、フロアの混雑状況もわかりますのでとても便利です。

また、産業医や看護職にいつでも気軽に相談できる体制を整えていますので、メールでの相談はもちろん、復職面談や急な体調変化にもリアルタイムで対応ができます。

ヤフー株式会社

制度を利用した働き方例

--実際に社員ががんになって仕事との両立をする場合に、会社として制度以外に何か心がけていることはありますか?

がんは、人によって症状や薬の副作用、注意点などがそれぞれ異なりますから、まずは社員とのコミュニケーションを密に取るようにしています。病気のこと、治療のことなどの個人情報の取り扱いを最初に本人と話し合い、お互いに信頼を築いた上で、主治医、産業医、看護師、人事部、上司などと連携を図ります。

特に働く上での注意点などは、オリジナルのフォーマットを作成して主治医との連携をとり、どのような働き方がベストなのかを、本人と一緒に考えていきます。

--本社だけでなく全国の拠点や、あるいは外国籍の社員の方も同じ制度を使うことができるのでしょうか?

はい、もちろんです。紀尾井町オフィスの産業医が中心となり、拠点社員およびグローバル社員への対応も同様に行っています。拠点社員はリモートでの相談が随時可能で、グローバル社員は必要な情報を英訳で閲覧でき、必要な情報を誰でも取得できるように社内の情報掲載にも配慮をしています。

--ありがとうございました。

ヤフー株式会社 概要
設立 2019年10月
代表者 代表取締役社長 川邊 健太郎
従業員数 6,515人(2019年3月31日)
本社所在地 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー
主な事業概要 イーコマース事業、会員サービス事業、インターネット上の広告事業 など
URL https://about.yahoo.co.jp
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