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パートナー企業・団体コンソノート

イベント開催を通じ、患者さんの辛さや悩みを共有。
『がん暮らしフェア 2017
〜考えよう!体験しよう!がん治療と暮らし・仕事〜』

全国土木建築国民健康保険組合

全国土木建築国民健康保険組合
左から、
専務理事 依田 晶男さん
総合病院厚生中央病院 総合内科部長(腫瘍内科) 横山 智央さん
管理本部 総務部 庶務課長 金井 尚子さん

memo 推進パートナーである全国土木建築国民健康保険組合は、がん治療での生活支援に役立つ情報発信を目的とし、2017年11月3日(金・祝)、直営病院である総合病院厚生中央病院(東京都目黒区)にて、NPO法人キャンサーリボンズと共催で、『がん暮らしフェア2017考えよう!体験しよう!がん治療と暮らし・仕事』を開催しました。

『がん暮らしフェア 2017 〜考えよう!体験しよう!がん治療と暮らし・仕事〜』

当日は、組合員、がんを治療中の方、そのご家族はもちろん、地域の一般市民、病院スタッフなどで賑わい、一日のイベントを通じて、参加者ががん治療中の患者さんの辛さや悩みを共有し、少しでも軽減できる方法を学び、また、声を出して笑える機会となりました。

がん治療中の生活の質を高めるためのセミナー、企業・団体による情報発信や治療中の副作用ケアなど生活に役立つ製品の体験展示、メディカルスタッフによる生活相談、ハンドマッサージやヨガなどリラクゼーション体験、がん体験者でもある山田邦子さんが率いるスター混声合唱団の"がん支えあい"コンサートなど、盛りだくさんの内容となりました。

ここでは、その中でも当フェアの目玉となった、がん治療と仕事の両立をテーマにしたトークセッションをご紹介します。

トークセッション:がんサバイバー※に聞く。
がん治療と仕事の両立、本当のところ

このセッションはフェアの冒頭に開催され、病院ロビーにご用意した50 席がすぐにいっぱいとなり、立ち見の方もいらっしゃるなど、関心の高さがうかがえました。がんサバイバーで、まさに今、がん治療と仕事を両立されている西口洋平さんと白水千穂さん、厚生中央病院院長の櫻井道雄さん、司会のNPO法人キャンサーリボンズ副理事長の岡山慶子さんの4人が、約1時間、「本当のところ」を話し合いました。

▲左から、櫻井道雄さん、白水千穂さん、西口洋平さん、岡山慶子さん
▲左から、櫻井道雄さん、白水千穂さん、西口洋平さん、岡山慶子さん

西口さんは30代で胆管がんと診断され、現在も治療を継続中です。自ら立ち上げた、子どもを持つがん治療中の人どうしがつながるピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ」に注力するため、正社員からアルバイトに働き方をシフトチェンジしました。職場には自分のようなケースはそれまでなかったものの、上司に恵まれ、どうしたら働き続けられるかを一緒に考えてもらえたことが何よりだったと話されました。

トークセッション:がんサバイバーに聞く。の様子01

一方、白水さんは40代で虫垂がんと診断された後、外資系大手企業を退職し、ハローワークでは適職に巡り合えませんでした。1年半支給される傷病手当金もあり、無理に仕事に就くことはせず、気持ちと体調を整えながら治療されていました。

そのうちに、現在所属されている社会福祉法人で、それまでやりたかったけれどできなかったボランティアを始め、その後事業主から誘われて就職、現在では、抗がん薬治療のスケジュールを調整しながら海外出張もこなしていらっしゃいます。

「退職した場合は、事情が許せば、あせらずに自分の心と体を整えながら、じっくり仕事を探すというスタンスもあるかもしれませんね。また、働く場は企業だけではなく、社会福祉法人なども視野に入れると良いことに気づきました。」と岡山さんがコメントしました。

トークセッション:がんサバイバーに聞く。の様子02

診断後の情報収集はどのようなものだったのでしょうか。西口さんは、人事部長から病気休暇の制度など、あらゆる情報提供を受けたそうです。その過程で、社内でがんに関するリテラシーを上げることの重要性を実感し、今では西口さんも体験を生かして社内の制度の在り方などを検討するメンバーとなり、治療と仕事を両立するための環境整備に努めています。

一方、白水さんは、医師は病気の治療が専門なので、医師以外にも病気のつらさを相談できる人や経済面について相談できる人を探そう、と考え、担当の医療ソーシャルワーカーから助けを得たといいます。

櫻井病院長は、治療と仕事の両立が難しい企業は、がんについて知らない場合が多いと語られ、働く場でのがん知識の普及、大人のがん教育の重要性を訴えました。

トークセッション:がんサバイバーに聞く。の様子03

最後に、白水さんから「医療は進歩しているし、企業もサポートしてくれる。がん経験者の数も増えてきている。悩んだらいつでも周りに相談しましょう」、西口さんからは「がんだと言うのも聞くのも勇気がいる。忖度せずに、勇気を持って1歩踏み出しましょう」というメッセージが発せられました。

桜井病院長は、「仕事と治療を両立する上で、命の尊厳、自己決定、安全を大事にしてほしい。」と強調されました。最後に司会の岡山さんが「がんに限らず、周りに病気のことを伝えられるような社会になれば良いと思う」と締めくくりました。

※サバイバー:がんと診断されたすべての人。セッションの冒頭で、がん体験者・経験者・サバイバー、どの呼称にしようか話し合い、治療の前・中・後いかんにかかわらず一体感が感じられるサバイバーという言葉が選択された。

全国土木建築国民健康保険組合 概要
■ 設立
1943年年4月1日
■ 従業員数
703名
(加入事業所数 1,842事業所、加入者数 410,256名、うち、被保険者185,636名、被扶養者224,620名)(2017年3月末現在)
■ 所在地
東京都千代田区平河町1-5-9 厚生会館
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