パートナー企業・団体コンソノート
がんになっても働き続けられる企業の実現へ
新日鐵住金株式会社 八幡製鐵所

memo 2017年12月8日 「職域におけるがん対策の最新情報【北九州セミナー】」にて、新日鐵住金株式会社 八幡製鐵所の産業医による講演がありました。


2017年12月8日(金)16:20より、北九州市にある北九州国際会議場 国際会議室での「職域におけるがん対策の最新情報【北九州セミナー】」内で、新日鐵住金株式会社八幡製鐵所の産業医、中西昌嗣氏による講演が行われました。
事業所としての配慮項目(初発時・療養中)

はじめに自社で行っているがん検査項目について、肺がん、胃がんなどがあると挙げ、さらに来年からは希望者を対象に乳がん、子宮がん検診も実施予定であるという説明がありました。
がんにかかった従業員に対し、段階ごとに適切な配慮をしていることが紹介され、初発時には健康診断の結果を速やかに本人に通知したり、なるべく早めに再検査・精密検査が受けられるようにしていることなどが挙げられました。
療養中に関しては、治療に専念させて、なるべく業務上の連絡も控えること、療養生活が長期に渡る場合、本人の承諾に基づいて定期訪問で状況を確認することや、傷病手当金をはじめとした所得補償の手続きを忘れないようにすることが紹介されました。
勤務・休暇制度

続いて年次有給休暇と福祉休暇について、3年目から使える福祉休暇の積み立てなどを使うと最大90日の休暇が取得可能であると仕組みを解説。欠勤・休職については、治療のために欠勤し、6ヶ月を超えた日から休職扱いになると説明。勤務年数に応じて、規定の期間を超えた場合は退職となることも説明されました。
復帰時の配慮事項

療養から復帰する際に「病状経過診断書」を主治医に作成していただき、これを元に人事担当や産業医を中心に復職後の業務や就業制限などを話し合うことが紹介されました。実際に社員が復職する際には、本人の技能を生かすためになるべく元職で復帰できるよう配慮。また、復帰後の支援に関して、50人未満の小規模で産業保健スタッフがいない事業所の場合には、産業保健総合支援センター(地域窓口)の利用も検討していることを説明しました。
治療者へのサポート
がん治療者に対して様々なサポートを行っていることについても説明がありました。事例の一部を紹介いたします。
- 化学療法中で、2週間毎に通院し2時間程度の点滴治療が必要だった社員。外出扱いとし、勤務時間をシフトすることで対応。
- 治療後1~2日間は、吐き気・倦怠感等の副作用が出現し、出勤困難となることがある社員。金曜日に治療を受けることとし、月曜日の作業負荷軽減(軽作業/早退可能)
- 設備メンテナンス業務に従事しており、大腸がんで人口肛門を増設している社員。現状復帰となったが、作業姿勢に無理がないよう業務配慮を行いました。
がん患者サポートに有用と思われる制度

がん患者のサポートに有用と思われる制度について、2点、紹介がありました。1つ目は「試し出勤制度」と呼ばれるもので、午前勤務や週3日勤務などを有期限で行うもの。
2つ目は、合計80時間までならば1時間単位で年次有給休暇が取得できる制度。いずれも自由に使える時間を確保することで、働きながら治療に行きやすい環境を生み出すものであり、実現されればがんに罹患した社員にとって、強力なサポートになると思われます。
新日鐵住金株式会社 八幡製鐵所 概要 |
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