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2026/03/10

令和7年度 第2回 企業コンソーシアムコンソ40運営会議開催報告

開催概要

  • 日時:2026/01/30(金)16:00-17:30
  • 形式:ハイブリッド
  • 参加者:企業コンソーシアム、コンソ40参画の37社/54名
    会場25名、オンライン29名

開会のご挨拶

■がん対策推進企業アクション事務局 山田 浩章

令和7年度 第2回コンソ40運営会議を開催する旨、および、今回は大同生命保険株式会社様に会議室をお借りして、オンラインとのハイブリットにて進行する旨の説明がなされた。

令和7年度 第2回 企業コンソーシアムコンソ40運営会議開催報告 参加者
厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課長補佐 栢沼 優二 氏

ご挨拶

■厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課長補佐 栢沼 優二 氏

当初はオンライン開催を予定していたが、対面で意見交換したいとの声が多く、会場+オンラインのハイブリッド開催となったとお聞きしている。「精密検査の一層の受診推進」や「治療と仕事の両立支援」などの興味深いテーマが本日の議題に含まれており、熱心なみなさんによる闊達なディスカッションがなされるものと期待している、との挨拶があった。

大同生命健康保険組合 常務理事 増岡 博史氏

司会・進行

■大同生命健康保険組合 常務理事 増岡 博史氏

がんに関するリテラシー向上、治療と仕事の両立支援、がん検診および精密検査の受診率向上の3テーマについて、グループに分かれて、今から50分間のディスカッションを行う旨の説明がなされた。

ディスカッション

以下3テーマで4~6名程度のグループに分けて50分間のディスカッションを実施。
会場5グループ、オンライン6グループの計11グループ

<ディスカッションテーマ>
テーマ① がんに関するリテラシー向上
テーマ② 治療と仕事の両立支援
テーマ③ がん検診/精密検査の受診率向上
事前アンケートで取得した回答に沿って、自社の課題や工夫している点などを共有し意見交換を行った。また、グループごとに2分間で議論の内容を発表した。

<ディスカッションの様子(会場)>

ディスカッションの様子(会場)
ディスカッションの様子(会場)
ディスカッションの様子(会場)
ディスカッションの様子(会場)

<ディスカッションの様子(オンライン)>

ディスカッションの様子(オンライン)
ディスカッションの様子(オンライン)
ディスカッションの様子(オンライン)
ディスカッションの様子(オンライン)
ディスカッションの様子(オンライン)
ディスカッションの様子(オンライン)

発表パート
テーマ① がんに関するリテラシー向上

■会場Aグループ
日本生命保険相互会社 河野様(ご発表)、富士通株式会社 加藤様、エアロトヨタ株式会社 渡部様

今回のグループでは、社内外を問わず研修講師を担ってきた経験者が多い点が共通していた。がん経験者の立場から「話を聞く人/聞かない人」の違いが議題となり、研修は受け手の熱量に左右されやすく、伝わりにくさがあるという問題意識が共有された。各社にがんサバイバーはいるものの、社内で語り手として協力を得るのは容易ではなく、仲間をどう募り巻き込むかが課題として挙がった。取り組み例として、参加者属性に応じた講師選定の重要性が示され、女性参加者が多い場では女性講師の方ほど反応が大きかったため、社内で補えない場合は認定講師の活用も有効との意見が出た。総じて、リテラシー向上には伝える側の使命感と継続的な研修実施が不可欠であるという方向性で一致した。

■オンラインAグループ
大同生命保険株式会社 廣幡様(ご発表)、矢崎総業株式会社 城所様、葵機工株式会社 佐々木様、小禄様

背景として二次検診(精密検査)の受診率が上がらず、働きかけても受けないことがある。リテラシーが上がれば、働きかけがなくても従業員が能動的に受診するのでは、という問題意識を共有。
取り組み例として、厚労省等の資料をもとに研修している例、受診率向上の施策としてポイント付与で動機づけしている例などが挙がった。

■オンラインBグループ
研冷工業株式会社 酒井様(ご発表)、渡辺様、ライオン株式会社 多谷本様、大同生命健康保険組合 増岡様

規模が50人でも3000人でもリテラシー向上の課題があり、各社が工夫している点を共有。
Eラーニング、研修・セミナー、サバイバーの体験談(認定講師の話が刺さる)などが話題。歯周病とがんの関連にも触れ、歯科健診の充実も一案という意見。若年層の意識が低い傾向があるため向上策を考えたい、健診結果に基づく個別面談で「なぜ今面談しているか」を説明して自分事化を促す、といった工夫も挙げられた。

■オンラインCグループ
株式会社堀場製作所 人見様(ご発表)、伊藤忠商事株式会社 東口様、株式会社ファンケル 田中様、小冷様

共通課題は「がん検診の受診率は高まってきているが、精密検査の受診率が伸びない」。
未受診者に電話し予約まで取ってあげる例もある一方、本来は本人が情報をもとに必要性を感じて自分で受診行動をとれることが望ましいことを整理した。
企業アクションのEラーニングを使っていても視聴が伸び悩む面がある、という実情も話題に挙がった。
工夫例として、AIを使った4コマ漫画配信。両立支援とも関連して、休職が必要な社員が出た場合に産業医・両立支援コーディネーター・上司・本人等で面談し制度案内、希望者には復職後まで支援する取り組みも共有。制度は健康管理側から人事へボトムアップで作ってきた例もある

テーマ② 治療と仕事の両立支援

■会場グループB
アフラック生命保険株式会社 伊藤様(ご発表)、大東建託パートナーズ株式会社 東海林様、LINEヤフー株式会社 詫摩美様、医療法人社団俊秀会エヌ・ケイ・クリニック 梁川様、株式会社アートネイチャー 吉原様

大東建託パートナーズ、LINEヤフー、エヌ・ケイ・クリニック、アートネイチャー(敬称略)等、人事・保健師など立場の異なるメンバーで議論。制度が整っていても運用面で課題があり、管理職研修・啓発、治療後の復職対応など、ケースごとに課題があることを再確認。各社の取り組みから相互にヒントが得られたと、まとめた。
また、情報提供として、2026年1月25日(日)にBS日テレで放送された、中川先生出演の30分番組について共有。中高生ががんクイズに答える構成、養老先生の治療を通じた話、看護学生の啓発活動の様子などが盛り込まれており、参考になる内容であったと説明した。

■会場グループC
医療法人社団同友会 東様(ご発表)、福様、株式会社ワコールホールディングス 黛様、SOMPOひまわり生命保険株式会社 福本様、旭化成株式会社 山科様、内村様

4社6名で議論。事前に用意された「課題」「工夫」を中心に話した。結論を1つにまとめたわけではないが、各社の課題に共通項が多く、「自分たちもそこに困っている」という共有ができたこと自体が有益だった。

■会場グループD
大東建託パートナーズ株式会社 飯塚様(ご発表)、医療法人社団俊秀会エヌ・ケイ・クリニック 山﨑様、富士通株式会社 平賀様、LINEヤフー株式会社 黒川様、SOMPOひまわり生命保険株式会社 佐橋様

5社5名で議論し、両立支援を進める上で健康情報と人事の共有は避けられず、連携をどうするか悩む企業がある。月1回、人事と保健師チームで両立支援が必要な方を対象に共有ミーティングをしている例や、研修については、がんだけに特化せず、育児・介護・病気など「両立支援として共通する部分」を管理職研修に組み込む例も挙げた。
全従業員向けには、月1回「健康応援ミーティング」を業務時間内に実施し(本社がスクリプト提供)、課単位の小グループで両立支援・がん・喫煙・睡眠などを話し合う例が紹介。発言の機会は有意義である一方、毎月30分を業務中に確保するには経営層の理解が不可欠であり、巻き込み方が重要であるとの示唆があった。

■オンラインDグループ
伊藤忠商事株式会社 吉田様(ご発表)、サッポロビール株式会社 村本様、鶴山運送株式会社 田村様

弊社、サッポロビール、鶴山運送(敬称略)の3社で議論した。課題として、特に女性を中心に「病気を開示したくない」方へのサポートをどう設計するかを起点に話が始まった。
サッポロビールの取り組みとしては、「奨励ポイント」を活用した両立支援制度が挙げられた。支援が必要な社員が出た際、業務分担等により部署の負荷が増える場合に備え、2024年度からポイント制度を導入。部署としてサポートすると還元される仕組みとして運用している点が印象的だった。
鶴山運送からは、支援が必要でも申し出ないケースがあるため、トップダウンやミドルアップで方針を定め、段階的に進めるべきとの助言を得た。また、サッポロビールが当事者同士のオンライン交流会を2か月に1回実施している点も参考になり、弊社でも取り入れたい旨を共有した。

■オンラインEグループ
第一生命保険株式会社 馬場様(ご発表)、株式会社堀場製作所 渡邊様、テルモ株式会社 松原様、SMBC日興証券株式会社 川尻様、山岡様

制度やガイドブック等がすでに充実している会社から、これから着手する段階の会社まで、立場の異なるメンバーが参加し、情報交換を中心とした議論が行われた。
テレワークやフレックス制度が整備される一方で、会社に申告せずに治療を進める社員も一定数存在し、潜在的なニーズの把握が難しい点が課題として提起された。
他社の事例としては、「登録」など社員との接点を設けることで、必要な資料提供や産業医・保健師による支援につなげ、ニーズの把握ができているケースがあるとの紹介があった。
申告がなくても仕事と治療の両立を図ろうとする社員がいる場合には、制度の存在自体を知ってもらえるよう、ガイドブックの内容充実や周知に力を入れることが有効ではないかとの意見が出た。また、ガイドラインが未整備であっても、まずは既存の制度を整理して掲載するところから始めてもよいのではないか、という助言もあった。
そのほか、サッポロビールのマニュアル共有、当事者コミュニティの運営、休業後に申請を行わず復職してしまうケースへの対応など、話題は幅広く展開された。

テーマ③ がん検診/精密検査の受診率向上

■会場グループE
野村ホールディングス株式会社 河野様(ご発表)、中外製薬株式会社 小林様、矢崎健康保険組合 芹澤様、オリンパス株式会社 吉村様、城北ヤクルト販売株式会社 岡田様、松尾様

弊社、中外製薬、矢崎健保、オリンパス、城北ヤクルト(敬称略)と情報交換し、主に2点。
1点目は、受診率向上をテーマに議論が行われた。各社からは、そもそも健診結果を十分に把握できていないことや、結果を把握していても要精密検査の判定までつなげられていないことが課題として挙げられた。受診が進んでいる企業の取り組みを参考にし、好事例を横展開していくべきではないかという意見が出た。
また、大腸がん検診で要精密検査と判定されても、「痔だと自己判断する」などの理由で精密検査を受けないケースがあることが共有され、知識啓発の重要性が改めて指摘された。小ネタも含めた啓発を通じて、受診行動につなげていく必要があるとの認識で一致した。
2点目は、啓発の工夫について意見交換が行われた。中外製薬では、「世界対がんデー(2月)」に合わせて毎年イベントを実施しており、年代・性別ごとのペルソナを設定した上で、がんになった場合の経過や人事制度、保険制度などを紹介している点が参考になるとの共有があった。

■オンライングループF
SMBC日興証券株式会社 門林様(ご発表)、伊藤忠エネクス株式会社 日野間様、株式会社サンゲツ 村木様、株式会社堀場製作所 西園様、P&Gグループ健康保険組合 日野様、株式会社フジタ建設コンサルタント 徳川様、三木様

受診率が低い企業が複数あることが課題として共有された。対策として、未受診者への個別の働きかけに加え、上長へ未受診状況を共有して協力を得ること、受診しやすい環境づくりとして精密検査費用の補助を行うことなどが検討事項に挙げられた。
また、社員のリテラシー向上も重要であり、飲酒や喫煙など生活習慣に関する定期的・継続的な教育が有効ではないかとの意見が出た。
さらに健保の立場からは、レセプト情報を活用して受診率を把握し、その結果をもとに精密検査の分析や実績確認を行った上で、検査項目や対象年齢などを制度設計・運用設計のレベルまで踏み込んで検討している事例が紹介された。受診率向上だけでなく、ベネフィットとデメリットを明確にした上で対策を進める重要性について、改めて認識が共有された。

東京大学医学部医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川恵一先生

総括

■東京大学医学部医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川恵一先生

3つとも良いテーマであったと評価した。

  • リテラシー:子どもは学び始めているが大人はどうするのか。会社でやるしかない。喫煙者は市民公開講座に来ないが、職場にはある程度の強制力がある。
  • 両立支援:「永遠のテーマ」。55歳までに男性ががんになる確率は4%だが、70歳では男女とも2割を超える。働く年齢が上がると深刻になるので、今からトレーニングを重ねる意味で重要。
  • 精密検査:職域がん検診の最大の問題は法律の裏付けがないこと等。総理の公約でも精密検査受診促進が掲げられている趣旨を、各社上層部に「総理が言っている以上、やりましょう」と言える材料にしてほしいと共有。