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2024/08/30

令和6年度 第1回 コンソ40運営会議報告

◆令和6年度 第1回 コンソ40企業による運営会議を実施しました。

▲顧問:中川恵一先生(左)と 座長:第一生命保険株式会社 真鍋様(右)
▲会議の様子
  • 日 時:2024年7月11日(木) 16:30~18:00
  • 形 式:会場とオンラインのハイブリッド形式
  • 参加者:「コンソ40」ご参加の企業様

開会のご挨拶

■第一生命保険株式会社 生涯設計教育部フェロー 真鍋徹座長より

今年度最初の取り組みということで、本日は、お忙しい中、東京大学の中川恵一顧問にもご参加いただき、のちほどご挨拶と本日の総括をいただく予定です。今回は34社45名の方にご参加をいただいております。今後もパートナー企業を牽引していただく皆様から、活発なご意見をいただける議論の場となれば幸いです。

ご挨拶

■東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川恵一先生より

コンソ40の皆さんとは対面でお話しする機会がほとんどありませんでしたが、他社のために行動してくださることに、この場を借りて感謝いたします。参加されている皆さんが、この活動を通してどうベネフィットがあるかということが今日のディスカッションの最初のテーマです。
7月4日、「厚生労働省がん検診のあり方検討会」でも職域がん検診の法定化が議論されました。住民健診は健康増進法に基づいていますが、職域がん検診はそうではありません。今後法定化に向けてかなり議論が進む可能性があります。そうなれば企業に対しては新たな法律で義務が課せられるので、厚生労働省と企業の調整が重要になってくるかと思います。全国健康保険協会もそうですが、企業から見ればコストカットへ向かうはずなので、様々な意見も出ましたが、理解が進めば企業や経済団体側も動けるようになるはずです。そのときにまたぜひお力を貸していただきたいと思っております。コンソ40の考えを社会で、皆さんの会社の中で見えるようにするのは、非常に大きな課題と思っています。今日はじっくり聞かせていただきたいです。

グループディスカッション①

■「コンソ40へ参加することによって、各社が期待すること・得られるベネフィット」について

(Aグループ発表者 富士通株式会社 東泰弘様)
この場に参加することで、ひとつは自社に対してなんらかのメリットを出し、きちんと持ち帰りたいです。コンソ40参加企業には、健康経営銘柄、ホワイト500、ブライト500などの健康に関してすごく良い取り組みをされている企業が多いので、その方々と情報を共有して持ち帰りたいと思います。 もうひとつは活動を通じて、企業内はもちろん社会に貢献し、なんらかの成果を出すことです。それが、自社のブランドを高める社会貢献活動となるように思います。自分たちの立ち位置を理解し、情報交換の場としたいと思っております。

(Bグループ発表者 大東建託パートナーズ 飯塚祐美恵様)
一つ目に、こうしたディスカッションの場があるとよいという意見が出ました。未来の目標だけではなく、失敗談や、やってみたけどうまくいかなかったこと、こうした研修をやっているなど共有できるといいなと思います。二つ目は、1人か2人で参加されている企業が多いので、会社に持ち帰って発信するのも大変かと存じます。企業名は伏せて業種や企業規模を開示し、検診の取り組みやその背景がわかる一覧のようなものがあるとよいのではないでしょうか。
最後に、新しい検診の取り組みや、最新の知見なども情報交換できるとよいと思いました。

(Cグループ発表者 LINEヤフー株式会社 黒川知子様)
まず情報を得ていくことがメリットです。会社の規模ごとによって得たい情報や展開できる情報も違うので、そこをもっと知っていきたいという意見が出ました。どういう健康障害があるか、どういう制度が作りやすいか、必要かなど、同じ業種体でも相談や共有ができたらよいと思います。
次に、こうした場で得られた貴重な知識を持ち帰り、社内で共有しどう展開していくか検討できるのは強みであるということです。最後に、他社同士の交流があるので、施策以外でもお互いにウインウインになれることがメリットだと思います。

(Dグループ発表者 野村證券株式会社 河野和絵様)
私たちも情報を共有できることが一番のメリットという意見が多くありました。受診率を上げるためにどうしたらよいか、個人情報の同意をどうすればとれるかなど、同じ業態の企業と情報交換ができればと思います。あとは会社の規模や雇用形態、社員か個人事業主か、そういったことによって受診の勧奨の仕方や、個人情報同意の取り方も変わるので、同じような規模、業態の企業と情報交換がしたいです。

(Eグループ発表者 大同生命保険株式会社 増岡博史様)
一つ目として、各社の取組みを知り自社に活かすことができる点が挙げられます。各社の取組みを知ることで自社の立ち位置を把握できるというお話もございました。二つ目は、国の方向性や考えの理解につながるので、そことの平仄を意識して取り組むことができることです。最後に三つ目として、社内外にむけての地位向上、自社ブランドイメージの向上という点も挙げられます。

(Fグループ発表者 オリンパス株式会社 村上晋一郎様))
先進事例の発表が自社の施策に繋がったという事例があります。そうした発表を聞くことで、自分たちに足りていないことや、気づき、行動に繋げられることがありました。もうひとつは、本日のような議論を通じて、課題を互いに共有して気づきを得て、自分たちの伸びしろが認識できるのも良いところだと思います。また、対策に繋がった事例を自社のホームページで公表し、その事例がコンソ40に参画することから生まれたという紹介にも繋げられています。対策事例について社内にしっかり報告することで、がんのリテラシーの向上にも繋がりました。

(Gグループ発表者 第一生命保険株式会社 塩飽行平様)
ベネフィットの一つ目はネットワークの構築、二つ目は情報共有です。業種や規模が異なる企業同士でネットワークが構築できることはプラスになります。その一方で、情報共有は同業種や規模感が同じ会社同士のほうが参考になるという意見もありました。そうしたネットワークの構築、情報共有からできる限り自社の取り組みに繋げ、最終的には健康経営の強化に繋げていければと思っています。

グループディスカッション②

■「コンソ40運営会議内容や分科会テーマの成果を どのように企業アクションに登録されている 推進パートナーへの貢献につなげるか(社会への貢献)」について

(Aグループ発表者 富士通株式会社 東泰弘様)
一つ目は、短期的な話というよりは長期的な話で考えております。コンソ40、がん対策推進企業アクションとして、ひとつの方向性があるが非常に難しいですが、がん検診の法定化に調査意見をまとめるなどです。二つ目は、これだけの企業が集まっているので、成功事例も失敗事例も踏まえ、いくつかの選択肢を示してパートナー企業の方々が掴んでいただけるものを提示するアウトプットの仕方も考えていけることです。三つ目は、選択肢を提示してもなかなか実行に移せる企業さんばかりではないので、そこをもう一歩サポートしていきたいと思っています。労働体制、両立支援といっても、実際には相談する相手もいないようなところにどうサポートができるのか、もう少し踏み込むことも考えていけるのではないかと考えております。

(Bグループ発表者 大東建託パートナーズ 飯塚祐美恵様)
大きく二つあります。一つ目は、まず会社は褒めてほしい、褒める機会を作ってほしいということです。年度末にコンソ40も企業表彰があるが、もっと大きな会場で成果発表をし、メディアも呼んでSNSなどで積極的に発信されると「コンソ40ってなに?」というふうになっていくため、取り組もうとする企業も増えていくのではないのでしょうか。コンソ40に参加というより「厚生労働省委託事業」に参加という方が、社内の人間にも理解を得やすく、経営層へのアピールもしやすくなります。二つ目は、誰がこうした場に参加しているのかを一覧にできるとよいと思いました。各企業のどんな立場の人(部門・役職・専門職)ががん対策に参加しているのか、アピールしてもよいのではないでしょうか。

(Cグループ発表者 LINEヤフー株式会社 黒川知子様)
一つ目は、各社共通で啓発できるようなツールの開発、成果をホームページに掲載をしていき情報の共有をしつつ、他の登録会社様にも見ていただき、活用できるようにしていければと思います。その上で、業種や規模ごとに分類して情報を掴みやすくしてはどうでしょうか。二つ目は、企業アクションのCMを作り、YouTubeやTVer、LINEスタンプを活用をすることです。ピンクリボン月間のときに出していただくなど、一般の人にも目に触れやすいようなものを作っていくとよいのではないかと思います。例えばピンクリボンのLINEスタンプを作るとしたら、価格の何%かが協会に入るなどできればよいのではないでしょうか。

(Dグループ発表者 野村證券株式会社 河野和絵様)
一つ目に、ゴール設定があるとよいのではないでしょうか。3年後、5年後のゴールをどうするか設定し、例えば法制化はすごくハードルが高いものですが、その前のスモールステップである1年後、2年後を具体的に考えられるロードマップがあるとより主体的に参加しやすいという意見が出ました。二つ目は、良い事例を自社に持ち帰って共有する際に、どこの企業の事例かわからなくなることもあるので、ホームページ上で会社の規模や、拠点の数、店舗は単一なのかなどソートがかけられるとよいと思います。掲載する企業がOKであれば連絡先を載せるなど、ダイレクトにアクションを起こせるものがあると導入に繋がるという意見が出ました。

(Eグループ発表者 大同生命保険株式会社 増岡博史様)
パートナー企業がなにに悩んでいるのかをもっと知る必要があるのではないかという意見がございました。コンソ40分科会などでも「きっとこういうことに悩んでいるのだろう」と推測を前提に議論をしているところがあるとの反省もございます。広くパートナー企業が、タイムリーに悩みを相談できるような仕組みがあればという意見もございました。

(Fグループ発表者 オリンパス株式会社 村上晋一郎様)
大きく二つあります。一つ目は成功事例を冊子など媒体にしてまとめて展開するとパートナー企業も施策に繋げられるのではないかということです。企業だけではなく、取引先などにも広く展開していけるのではないかと思います。二つ目は、パートナー企業の「困りごとのよろず相談」のような専門性を有するコンソ40企業との間でインタラクティブな場を設けてはどうでしょうか。

(Gグループ発表者 第一生命保険株式会社 塩飽行平様)
目標、ゴールを決めることです。取り組むテーマの優先順位がつけられる、取り組んだ後の最終的な効果検証もできます。厚生労働省の指針をもとに両立支援の裾野を広げる、がん検診をすすめる標値があるとよいのではないでしょうか。もうひとつは社会へ発信することです。企業アクションのホームページやチラシなどを通じて社会へ発信していくことが重要ではないかと思います。

総括

■東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川恵一先生より

今日のテーマを簡単に言うと「自社と他社」です。グループディスカッションの二つ目の話については、まずは5600ほどあるパートナー企業に対してどうリードするかということです。Fグループのご意見にあったように、相談ができる機能も他社に対してのベネフィットになるが、自社として認められないとなかなかできない気がいたします。そこをどうしていくかと考えれば、本日のディスカッションの二つのテーマは非常に密接です。
Bグループのように大々的な表彰をして発信するというものわかります。厚生労働省という名前がついているから出席できるということも、厚生労働省側が理解する必要があるかと思います。特に厚生労働省には配慮を求める必要があるのではないでしょうか。今後もコンソ40から厚生労働省側へ提案していくことが必要と感じております。
好事例を共有するのも重要で、冊子なのかホームページなのかというと、規模別・内容別でソートをかけるという点ではやはりオンラインが有効だと思います。
得られるベネフィットの話で「ブランド化」という話がありましたが、今はそこが弱いです。企業アクション側、厚生労働省側でもう少し仕組みを考えるべきではないでしょうか。一朝一夕では「ブランド化」はできません。褒めていることを企業や経営者にどう伝えるかということが今は不明瞭かもしれません。直接社長に会いに行ける会社もありますし、社長とはすごい距離があるという会社もあると思うので、企業別、規模別の話になってきます。
日本経済新聞で11年「がん社会を診る」という連載をやっていますが、企業アクションについては何度も触れていても、コンソ40については触れたことがなかったので、今日の情報を書いていきたいと思います。新聞の記事は今後も形に残るので、今後活用していただきたいです。
要は、パートナー企業に対してベネフィットを与えることで、皆さん自身と皆さんの会社にベネフィットになるような循環が必要だということです。企業は最終、経営のプラスになることしかできないかと思うので、「ブランド化」をどう実現していくかが重要になってきます。

令和5年度(2023年度)コンソ40活動振り返りと閉会のご挨拶

■第一生命保険株式会社 生涯設計教育部フェロー 真鍋徹座長より

本会議は二つのテーマでディスカッションをすることと、参加企業間の総合交流ということをテーマにしています。コンソ40のコンセプトは、令和4年度の立ち上がりから、「自社と他社の従業員をがんから守るために」ということを理念にしています。現在までの取り組みとして、ホームページ上にコンソノートという事例紹介をまとめております。コンソ40のロゴも作成し、昨年度は「職域でのがん検診の情報の取扱い」「治療と仕事の両立支援」についてのテーマで、年5回分科会を開催しています。コンソ40の企業の皆様におかれては、ほとんどの企業が参加いただいて議論してきました。コンソ40コミュニティということで、各社が発表、共有してほしいことを挙げる仕組みがあります。加えて個別のコンソ企業間の情報交換も、事務局を経由して行っています。
先ほどの指摘にもありましたが、今日ご参加いただいている企業間、あるいはご参加いただいていない企業への、同じ業種、同じ規模の企業の意見を聞きたい場合は、事務局を通じてお取り付けすることは可能なので、活用していただきたいと思います。
パートナー推進企業案について、年2回の全体研修会を開催しています。令和4年度は8月と12月、各専門の先生にお越しいただき、事例共有としてコンソ40から2社ずつ発表をしています。令和5年度も、職域でのがん検診や治療と仕事の両立支援について、講師の先生に来ていただいております。こうした取り組みを通じ、コンソ40活動について今年度もしっかり運営を続けていきます。