2026/03/27
令和7年度 第11回アドバイザリーボード会議を開催しました
(ページの最終更新日:2026年3月27日)
令和7年度がん対策推進企業アクションアドバイザリーボード会議を、がん対策推進企業アクションの各施策の進捗状況を共有するとともに、今後の事業運営や重点施策について意見交換を行うことを目的として、2026年3月19日(木)にオンライン形式で開催した。
1.事業進捗のアウトライン報告
事務局より、令和7年度事業の全体進捗について報告が行われた。全体としては概ね計画どおりに推移しており、特にパートナー登録数やeラーニング受講数などは順調に伸長している状況が共有された。一方で、広報分野の一部施策については進捗にばらつきが見られ、年度後半に向けた改善の必要性が示された。
2.注力施策に関する進捗報告
今年度は、重点施策として以下の5点に注力した。
- ①新規パートナー(大手企業)の獲得では、中小規模企業が全体の大半を占める中、大手企業の参画拡大を目的として、健康経営銘柄企業約3,200社へアプローチを実施した。その結果、43社の新規登録につながった。件数自体は限定的ではあるものの、一定の成果が得られたため、次年度以降も継続実施する。
- ②連絡不通パートナーのクリーニングでは、メールが届かない、または一部連絡が取れない企業約1,000社に対し、個別に連絡を行った。その結果、677社の活動再開につながった。未確認先や退会見込み先の整理も進み、登録状況の適正化に大きく寄与した。
- ③パートナーアンケート回答数の増加では、回答しやすい設計に見直した結果、回答数は前年度比26.8%増の1,330件となった。一方で、回答項目を分けたことにより、経年比較がしづらくなるという課題も生じたため、次年度は設問設計の改善を進める。
- ④eラーニング利用社数の増加では、申込み時に受講案内を組み込む運用へ変更したことで、利用社数は前年度より34社増加した。ただし、想定していたほどの効果には至らなかったため、次年度は案内方法や促進策を再検討する。
- ⑤メールマガジンの全体配信では、利用規約の見直しにより配信対象を拡大した。これまで約4,000社だった配信先は8,443社まで広がり、到達範囲の大幅な拡大という点で高い効果が得られた。今後は、配信内容の質をさらに高めていくことが重要となる。
3.事務局進捗報告
今年度の事務局報告として、以下の5点について進捗を報告した。
- ①新規パートナー登録進捗報告では、年間の新規パートナー登録数は1,006件となった。登録経路としては、ホームページ経由と紹介によるものが引き続き中心であり、企業規模別では100人未満の企業による登録が多い傾向が見られた。なお、2月には中川先生からの紹介による登録もあった。
- ②セミナー関連報告では、2月20日に宮崎でブロックセミナーを開催し、会場参加39社82名、オンライン参加65社96名、合計約180名の参加があった。アンケートでは満足度が9点と高く、評価の高いセミナーとなった。また、集客に有効な媒体として、地域の新聞など地場メディアが有力であることも確認された。加えて、3月11日には統括セミナーを清涼会館ホールで実施し、厚生労働大臣表彰および優良企業表彰の発表を行った。全国大会の参加人数は前年対比136%となり、ブロックセミナーも実質的に増加した。
- ③出張講座関連報告では、今年度の通常分は申込み31件、実施30件となり、前年度の申込み28件、実施18件を大きく上回った。受講人数も、前年度の約1,500名から今年度は約3,000名へと増加し、およそ2倍となった。がん研有明病院との連携講座についても同程度の申込みがあり、認定講師や大同生命各支社の協力により、着実に実績を伸ばした。
- ④YouTube関連報告では、今年度の視聴回数は約7万6,700回、チャンネル登録者数は約5,300名での着地を見込んだ。視聴回数の多い動画は、放射線や治療に関する内容が上位を占めた。一方で、再生数の伸びには課題が残っており、改善に向けて、サムネイル上の再生ボタンの見せ方を見直すとともに、30秒程度のショート動画も新たに作成した。今後はSNS等での展開も予定している。
- ⑤HP関連報告では、企業アクションのホームページ閲覧数は今年度着地見込みで約64万~65万回となり、例年並みの水準を維持した。次年度以降の来訪者数・閲覧数の増加を見据え、今年度は複数ページの改修および新規ページの作成を進めた。情報提供ページ、両立支援ページ、男性向けページについては、今後さらに具体的な施策内容を共有する予定とした。
4.企業連携施策関連報告
企業コンソーシアムでは、2025年度の企業コンソーシアムでは、全体研修会、コンソ40運営会議、分科会の三つを柱に活動を行った。全体研修会は11月28日に開催し、講演を中心に実施した。運営会議は2回開催し、講演や情報共有、グループディスカッションを通じて意見交換を行った。分科会は二つのテーマで年3回開催し、いずれもホームページ掲載を見据えた成果物の作成を進めた。
分科会テーマ①では、「職域でのがん検診に関する情報の取り扱い」をテーマに、ホームページ掲載に向けた情報整備を進めた。トップページの文言修正やQ&Aページの作成を進めており、年度内の公開を予定している。一方、企業事例の掲載は次年度に持ち越し、早期実現を目指すこととした。
分科会②では、「企業における治療と仕事の両立支援」をテーマに、各企業が両立支援制度を導入・運用する際に必要な項目を整理したロードマップの作成を進めた。2024年度に枠組みを整備し、2025年度はその各項目に対応する企業事例を掲載するため、参加企業の協力を得ながら内容を具体化した。現在は最終調整段階にあり、年度末までにサイト公開を予定している。あわせて、次年度以降も掲載したロードマップの見直しや拡充を進め、内容をさらに発展させていく方針とした。
最後に中川議長からは、コンソーシアムの活動が当初目指していた姿にかなり近づいてきており、着実に前進しているとの認識が示された。そのうえで、コンソ40の参加企業に対する感謝の意を強く持っており、各社の社長宛てにお礼状を送付する方針が共有された。
Working RIBBONでは、今年度、80%チャレンジのフライヤー作成、チラシのリニューアル、インタビュー記事の公開、オフィシャルサポーター会議の開催などを進めた。次年度は新たなオフィシャルサポーターも加わる予定であり、発信力を活かした展開も検討している。参加メンバーからは、企業の取組レベルは向上している一方で、Working RIBBONや企業アクション自体の認知拡大が今後の課題であるとの意見が出された。また、コンテンツをより活用してもらうため、次年度はコンソ40との連携強化や、女性向け・男性向けページの見せ方改善を進めていく方向性が共有された。
中小企業コンソーシアムでは、今年度、大同サーベイの実施と中小企業向けブロックセミナーの開催を行った。サーベイでは、がん対策への関心や必要性の認識が高まっている一方で、実際の運用にはなお課題があることが確認された。
また、12月10日には埼玉で中小企業向けブロックセミナーを開催し、合計167名が参加した。内容や満足度は高かった一方、想定していた中小企業経営者の参加は限定的であり、開催方法の見直しが課題として残った。
次年度に向けては、サーベイの継続に加え、企業アクション参加状況や実行に移せない理由を把握する設問の追加を検討している。あわせて、eラーニング受講やYouTube視聴などの取組状況を可視化するスタンプラリーのような仕組みも構想しており、中小企業のがん対策をさらに後押ししていく方針である。
5. 令和7年度パートナーアンケート調査結果の報告
今年度のパートナーアンケートは、回答数が1,330件となり、前年より増加した。がん検診受診率に関する回答を増やすため、今年度は受診率までを必須回答とし、その先の受診率向上の取組や両立支援に関する設問は任意回答とした。その結果、回答数は増えた一方で、任意項目の回答数が減少し、これまでの継続データとの比較がしにくくなる課題も生じた。
受診率については全体として上昇傾向が見られたものの、国推奨の対象年齢における検診受診率について、乳がん・子宮頸がんでは、国の目標である6割に達していない。また、肝炎対策では通達を知らない企業が依然として2割を超えており、引き続き周知が必要であることが確認された。
あわせて今年度は、多様性とがん検診に関する設問を新たに追加した。企業における多様性推進は徐々に進んでいる一方で、障害者、外国籍、LGBTの社員に対する受診案内や対応には差があり、特にLGBTへの対応は十分に把握・整備できていない実態が見られた。全体として、受診率向上や多様性対応の面で一定の進展はあったものの、次年度に向けた設問設計や周知・運用面の改善が課題として共有された。
6.意見交換
意見交換では、主に情報発信および検診受診率向上に関する課題について議論が行われた。動画コンテンツについては、短時間で視聴可能な形式の方が効果的であるとの意見が多く、ショート動画等の活用が有効であるとされた。また、検診受診の促進には、職場からの積極的な働きかけが重要であり、制度だけでなく心理的ハードルを下げる工夫が必要であるとの指摘があった。さらに、企業規模や業種によって課題が異なることから、柔軟な施策設計の必要性についても認識が共有された。
7.その他
(1)事務局長より挨拶
事務局長より、本事業は企業と連携しながら、がん検診受診率向上および治療と仕事の両立支援を推進してきたことが述べられた。今後も企業の主体的な取組を支援しながら、さらなる普及啓発を進めていく方針が示された。
(2)厚生労働省より挨拶
厚生労働省より、第4期がん対策推進基本計画に基づき、職域におけるがん対策の重要性が改めて示された。特に、働く世代へのアプローチ強化の必要性が強調された。
(3)中川議長による年度末総括
中川恵一議長より、今年度の取組について総括が行われた。がん対策は企業活動および社会全体に関わる重要課題であり、今後はより実効性のある取組が求められるとの認識が示された。また、検診受診率の向上および両立支援の推進に向けて、職域の果たす役割が一層重要になるとの指摘があった。
決定事項
- パートナーアンケートについて、次年度は設問設計の改善を進める。
- 情報発信施策の改善を図りながら継続実施する
- 企業連携施策のさらなる強化を進める
確認・検討事項
- 動画・Webコンテンツの改善方策の検討
- 検診受診率向上に向けた具体的施策の整理
- コンソーシアム活動の今後の方向性の明確化
以上