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2026/03/11

令和7年度埼玉県ブロックセミナー「職域におけるがん対策の最新情報」を開催しました

(ページの最終更新日:2026年3月11日)

2025年12月10日に埼玉ブロックセミナーを開催しました。

【挨拶】
厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 課長補佐 栢沼 優二 氏

我が国においてがんが依然として死因の第1位であり、国民の生命と健康にとって重大な課題です。その上で、第4期がん対策推進基本計画に基づき、「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」の3本柱を軸に、誰一人取り残さないがん対策を推進しています。特に職域におけるがん検診の受診率向上は、早期発見・早期治療につながる重要な取り組みです。また、がん治療と仕事の両立を支える環境整備を進めることで、がんになっても安心して働き続けられる社会の実現を目指すため、本セミナーがその理解促進の機会となることを期待します。

厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 課長補佐 栢沼 優二 氏
▲厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 課長補佐 
栢沼 優二 氏

【ビデオメッセージ】
埼玉県知事 大野 元裕 氏

本県においても、がんは死因の第1位であり、令和5年には年間約2万千人が、がんで亡くなり、毎年約5万人もの県民が新たにがんと診断されています。
がんは早期発見・早期治療が重要ですが、本県のがん検診受診率は全国平均を下回っているという現状です。
また、少子高齢化や人口減少が課題となる中、がん患者の方々を含め、様々な事情を抱える従業員が働き続けられるよう、治療と仕事の両立支援をはじめとした柔軟な働き方への理解がより一層求められています。
御参加の皆様には、中川先生、鈴木様の貴重な御講演を通じて、がんへの理解を深め、その知識を身の回りに広めていただくことで、がん対策の更なる推進にお力添えいただければ幸いです。
県としても、誰もが安心して暮らし、働き続けられる社会の実現を目指し、今後もしっかりとがん対策に取り組んでまいります。

【がん対策推進企業アクション事業説明】
がん対策推進企業アクション事務局長 山田 浩章 氏

がん対策推進企業アクションは厚生労働省の委託事業として、職域におけるがん検診受診率の向上と、がんになっても安心して働き続けられる社会の実現を目的とし、がんに関する正しい知識の普及や啓発活動、治療と仕事の両立支援に関する情報提供を行っています。企業や団体の推進パートナーは年間1,000件ほど新規登録をいただいており、現時点で約8,000近く、埼玉県も200社以上ご登録がある状況です。今後も、当事業は自治体や関係機関との連携を一層強化し、より多くの職場において、がん対策が身近な取り組みとして定着するよう、継続的な支援を進めて参ります。

がん対策推進企業アクション事務局長 山田 浩章 氏
▲がん対策推進企業アクション事務局長 山田 浩章 氏

【がん対策の現状と今後の方針について】
埼玉県疾病対策課 がん対策担当 主幹 田中 陽子 氏

埼玉県では、4人に1人の県民が がんで亡くなり、毎年多くの県民が新たにがんと診断されています。
一方で、県内のがん検診受診率は依然として目標値を下回っており、受診率向上が大きな課題となっています。
国の世論調査では、「健康状態に自信があり、必要性を感じない」という理由でがん検診を受診しないという回答が多かったことから、埼玉県では医師会等と連携して、がん検診は症状があったら受けるものではなく、健康な方に受けていただき、早期発見するものであることを周知しています。
また、医療の進歩により、働きながらがん治療を受ける人が増えるなか、県ではがん患者向けの取組として夜間の相談窓口を設置するほか、事業者向けの支援として、「がん検診受診促進宣言事業所登録制度」も行っています。この機会に御登録いただけたら幸いです。
引き続き、県として誰一人取り残さないがん対策を推進してまいりますので、御参加の皆様も身の回りの方へ、がん検診や精密検査の受診を勧め、治療と仕事の両立に向けた配慮をお願いいたします。

埼玉県疾病対策課 がん対策担当 主幹 田中 陽子 氏
▲埼玉県疾病対策課 がん対策担当 主幹 田中 陽子 氏

【講演1】職域がん対策の進化
東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川 恵一 先生

東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川 恵一 先生
▲東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授 中川 恵一 先生

私はこれまで医師として多くのがん患者さんと向き合ってきましたが、医療技術の進歩により、がんは「治らない病」から「治療を受けながら生き、働く病」へと大きく変化してきていると感じます。現在では、がんと診断された方の多くが治療後も社会生活を続ける時代となっており、がん対策は医療だけで完結するものではなく、職場を含めた社会全体で支えていく必要があります。
その中でも、がん検診による早期発見は極めて重要です。早期に発見されれば治療の選択肢が広がり、身体的・精神的負担も軽減されます。職域での検診受診勧奨は、従業員一人ひとりの健康を守るだけでなく、企業にとっても大切な人材を守る取り組みだと考えています。一方で、がんに対する誤解や偏見が、治療と仕事の両立を難しくしている現実もあります。正しい知識が共有されていないことで、本人が必要以上に不安を抱えてしまう、職場で孤立してしまうことも少なくありません。だからこそ、職場全体でがんについて正しく理解することが重要です。
がん治療と仕事を両立するためには、制度整備に加え、経営層や人事担当者を含めた職場全体の理解と支援が欠かせません。職域におけるがん対策は、福利厚生にとどまらず、企業の持続的な成長や価値向上にもつながる重要な取り組みであり、ぜひ主体的に進めていただきたいと思います。

【埼玉労働局からのお知らせ】
埼玉労働局 労働基準部 健康安全課 課長 川又裕子氏

病気の治療を受けながら働く労働者が増加しており、治療と仕事の両立支援の重要性が高まっています。特に、がんをはじめとする疾病を抱える労働者が、安心して就労を継続できる環境整備は、企業にとって重要な責務です。近年、治療と仕事の両立支援は法令上の位置づけが明確化され、企業には、制度整備のみならず、職場全体での理解促進が求められています。また、両立支援を進めるにあたっては、主治医と職場との情報共有や、個々の状況に応じた柔軟な対応が重要です。埼玉労働局では、企業向けの相談対応や情報提供、支援ツールの活用支援を行っており、今後も関係機関と連携しながら、治療と仕事の両立が当たり前となる職場づくりを後押ししていきます。

埼玉労働局 労働基準部 健康安全課 課長 川又裕子氏
▲埼玉労働局 労働基準部 健康安全課 課長 川又裕子氏

【講演2】経験から学ぶ社会資源の活かし方
がん対策推進企業アクション認定講師 鈴木 信行 氏

私は精巣がんと甲状腺がんを経験し、治療と仕事を両立することの難しさと同時に、周囲の支えの大切さを強く感じてきました。がんと診断された直後は、仕事を続けられるのか、生活はどうなるのかといった不安が大きく、正しい情報にたどり着くこと自体が簡単ではありませんでした。そのような中で、医療機関や行政、職場など、さまざまな社会資源につながることができたことは、大きな支えとなりました。制度や支援策は用意されていても、知らなければ活用することはできません。だからこそ、がんになったときに相談できる窓口や、情報を得られる環境が重要だと感じています。
また、職場での理解や、上司・同僚からの声かけが、治療と仕事を両立する上で大きな力になることも実感しました。特別な配慮ではなく、「一緒に考えよう」という姿勢があるだけで、当事者は前向きに治療に向き合うことができます。私の経験から、がん対策は制度だけでなく、人と人とのつながりによって支えられていると感じています。職場においても、誰もが安心して相談でき、支え合える環境を整えていくことが、がんと共に生きる社会の実現につながると思います。

がん対策推進企業アクション認定講師 鈴木 信行 氏
▲がん対策推進企業アクション認定講師 鈴木 信行 氏

【全国健康保険協会より】
全国健康保険協会本部 保健部 保険企画グループ グループ長
併任 システム部 IT戦略推進室 副室長 園川 太郎 氏

全国健康保険協会(協会けんぽ)として、加入者の健康づくりと疾病予防は重要な役割として位置づけています。特に、がん検診の受診率向上は、早期発見・早期治療につながる重要な取り組みであり、職域での働きかけが大きな効果を持つものです。協会けんぽでは、データを活用した保健事業や、事業所と連携した各種取組を通じて、企業の健康づくりを支援しています。今後も、自治体や関係機関と連携しながら、職域におけるがん対策を後押しし、加入者が安心して働き続けられる環境づくりに貢献できるよう取り組んでいきます。

全国健康保険協会本部 保健部 保険企画グループ グループ長 併任 システム部 IT戦略推進室 副室長 園川 太郎 氏
▲全国健康保険協会本部 保健部 保険企画グループ グループ長
併任 システム部 IT戦略推進室 副室長 園川 太郎 氏

【中小企業コンソーシアム座長より挨拶】
医療法人社団 同友会 髙谷 典秀 氏

中小企業においても、職域でのがん対策は決して特別なものではなく、日常的な取り組みとして進めていくことが重要です。人材確保が課題となる中、従業員ひとりひとりの健康を守ることは、企業の持続的な成長につながります。また本セミナーを通じ、がん検診の重要性や治療と仕事の両立支援について、多くの実践的な知見が共有されたことと思います。本日学んだ内容を、それぞれの職場で具体的な行動につなげてほしいと思います。今後も、中小企業の立場に寄り添いながら、職域におけるがん対策の普及を進めていきたいです。

医療法人社団 同友会 髙谷 典秀 氏
▲医療法人社団 同友会 髙谷 典秀 氏
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