2026/01/19
令和7年度 第5回アドバイザリーボード会議を開催しました。
(ページの最終更新日:2026年1月19日)
令和7年度 第5回アドバイザリーボード会議をオフラインにて開催いたしました。
日時:2025年9月25日(木)15:30~17:30
会場:ビジョンセンター市ヶ谷 2F 206号室
厚生労働省挨拶
厚生労働省がん・疾病対策課の栢沼課長補佐より、職域でのがん検診受診率向上と治療と仕事の両立支援を目的とする本事業が、平成21年度開始から17年を迎え、継続の成果としてパートナー企業が累計6,900社を超え、今年度も新規登録1,000社突破を見込むと報告。一方でアンケート回答率など「事業の質向上」が課題と指摘した。経産省ヘルスケア産業課との連携やHP掲載強化など、普及啓発にも注力。ボード会議の位置づけを全体会議と個別会議として再構成し、委員への意見聴取を重視する姿勢を示した。
事業全体進捗の報告
事務局長の山田より、企業アクション全体の進捗について、本年度は注力施策を明確化し推進していると報告。大企業参画促進を目的に健康経営優良法人認定事務局が発行しているメルマガに企業アクションの紹介を掲載し、新規43社が登録、そのうち約44%が100名以上の企業であると一定の成果を示した。登録情報の精査では約1,000社に架電し、581社が再登録。出張講座ではこれまでなかった講師紹介ページと申込フォームを新設した。定量的な主要指標は概ね順調で、年度末は前年超の見込みとした。
注力施策に関する進捗報告
事務局の辻村より、注力施策の補足として、100名以上企業の登録割合が前月の11.7%から44.2%へと約4倍に増加したと報告。登録情報の精査では退会24.7%・対応検討17%で、退会希望のうち半数は法人消滅、半数は担当者退職による辞退。パートナーアンケートは必須・任意項目に分け回答者の負担軽減することで回答率の上昇を目指すとともに、多様性関連項目を新設。Eラーニング受講促進のため紹介動画を制作・配信。メールマガジンは規約改定により2026年1月から全社配信へ移行することが承認された。南谷氏の監修により多様性とがん検診についての設問の意義が説明された。
事業進捗の詳細報告
8月の新規パートナー登録では100名以上企業比率が累計23.4%に上昇。イベントは青森ブロックセミナーに46社99名が現地参加見込、福岡で開催のがん検診受診率向上推進全国大会は現段階で現地参加申し込みが35社64名。出張講座は講師の居住地偏在に対応し各地の患者団体と連携、ガイドライン・参考テキストで講座内容の品質を担保する。YouTube視聴数が減少していることから、新たなSNSツールとしてInstagram運用を開始し、8月に閲覧130件の非フォロワーからの接触があり、今後はSNS投稿も見込んで視聴者の興味喚起ができるよう動画タイトルも強化。企業アクション公式サイトはグローバルナビ改修、健康経営に関する記述の追記、出張講座ページ新設、Eラーニング動画組込み等を実施し、セキュリティ強化としてデータベースOSを更新した。
皆様からのご意見
出張講座の参考テキストが講師向けに非常に優れた内容と高評価を受け、アフラック・加瀬氏からは学生参加の産官学事業でも活用可能性があるとして、閲覧範囲拡大の検討と、出張講座の品質標準化のためのPowerPointテンプレート整備が提案された。事務局は前向きに検討すると回答。委員からは現状テキストは内部運用のみで、公開方法は慎重に判断すべきとの意見が出され、全文公開ではなく存在周知や抜粋提示など活用策の模索が課題として共有された。
企業コンソーシアム
座長の増岡委員より、9月9日に開催されたコンソ40運営会議では、講演情報をもとに活発な意見交換が行われ、「自社のがん対策における課題」のアンケート回答31社のうち6社が「課題なし」、3社が「がん検診受診率の低さ」を課題と回答し、共通課題の再確認がなされた。分科会活動は2班で構成し、以下の報告がなされた。
同友会の東氏より、分科会1は「がん情報の取り扱い」をテーマに、企業の実践例を付したQ&A集を作成し、企業アクションホームページで公開予定であると報告。伊藤委員より、分科会2は「治療と仕事の両立支援制度導入ロードマップ」を作成し、ホームページに各社事例を組み込むと同時に、両立支援ページ全体をリニューアルする計画が提示され、野村ホールディングス河野氏、中外製薬の小林氏からは、参画企業の知見共有と社会的発信の意義が報告された。
Working RIBBON
座長の難波委員より、Working RIBBONの進捗として、9月に実施中の「80%チャレンジ」企業取材を報告。大分キヤノンマテリアルなど現場取材を通じ、保健師の継続的取組と「従業員への思い」ががん対策推進の鍵であり、今後は目標の可視化を進める方針が示された。11月4日にはWorking RIBBON会議を開催し、効果測定と経営的価値への転換について議論する。80%チャレンジ参加企業は増加傾向にあり、用途別チラシ3種を新たに制作。さらに男性参画促進を目的に、声かけ事例や体験談を収集した男性向け特設ページを11月公開予定とし、協力が呼びかけられた。
中小企業コンソーシアム
座長の高谷委員より、中小企業コンソーシアムの現状として、登録企業の約7割が従業員100名以下であり、啓発チラシ配布・大同生命との共同調査・メールマガジン配信を柱に支援を進めていると報告。令和6年度パートナーアンケートより100名以下とそれ以外の企業を比較した調査では、100名以下の企業において乳がん以外の検診受診率は上昇傾向にある一方、メリット・デメリットの説明資料整備や啓発活動、健康情報管理体制などに課題があることが明らかになった。また今年度も大同生命様の協力を得て中小企業の実態調査を予定している。今後は情報提供と体制整備を重点に、12月10日に埼玉で経営者向けイベントを開催予定であることが報告された。
中川議長より情報提供
中川議長は、厚労省がんのあり方に関する検討会で示された「がん診療提供体制の見直し」について紹介した。これまで全国均てん化を重視してきた日本のがん医療は、今後、専門拠点への集約化へと方針転換が進む見込みである。2040年にがん患者数はピークを迎え、その後は人口減少とともに減少に転じる。治療形態も変化し、手術は減少、薬物療法と放射線治療は増加傾向である。一方で、日本では1施設あたりの装置数が少なく医師の数から見ると非効率であり、装置コストの高騰と海外製品依存が医療安全保障上の課題となっている。中川議長は、限られた医療資源を有効に活用するため、治療体制の再編・集約化が不可避であると述べた。
山本委員による講演
山本委員は、臨床・行政・保険者支援・社会起業を横断したキャリアを背景に、「質の良い医療=低コスト・低負担」という視点から健康投資型の医療を推進してきた経緯を報告。2011年設立の「ミナケア」や、2013年発足の健康と経営を考える会(コレクティブ・インパクト型)で、企業・健保・行政らの協働を進めている。現在はエムスリーグループの枠組みで企業のがん検診受診率向上を支援。課題は検診データの所在分散と同意設計で、職域の要精検受診率(約4割)は住民検診(8割超、大腸がんは7割)に比べて低い。解決へは同意取得設計・レセプトデータのAI活用が鍵。今後、経産省との連携強化(健康経営指標への“がん”の実装)と、中小企業支援を軸に、一次・二次検診の受診率向上に取り組むとした。
認定講師石山氏より情報提供
石山氏は、10〜12月に実施予定の企業内がん経験者向け運動イベントについて報告した。法政大学・越智教授および一般社団法人まめっつとの共同企画で、サッポロビール社の協力により、企業内がん患者会を対象に参加を募っている。治療と仕事の両立支援には体力維持が不可欠であり、運動が回復促進に効果的であることから企画された。プログラムは、①初回測定、②専門講義、③約2か月のオンライン運動、④再測定の4段階構成。過去には、運動継続でプランク時間が数倍に伸びた例や、杖を手放すまで回復した例もある。石山氏は、運動による体力改善が治療と就労の両立支援につながると述べ、参加協力を呼びかけた。
決定事項
- 2026年1月よりメルマガ配信をオプトイン方式から全体配信へ変更する。
確認・検討事項
- 認定講師向けテキストの活用範囲について検討。