トップ>>お知らせ・イベント情報>>令和6年度 Working RIBBON会議開催報告

2025/1/24

令和6年度
Working RIBBON会議開催報告

(ページの最終更新日:2025年1月24日)

<開催概要>

開催日時:2024年11月8日(金) 15:00~16:30 (14:30開場)
開催場所:神田カンファレンス・ルーム 4階 セミナールーム2【現地開催のみ】

開会
がん対策推進企業アクション事務局長 山田 浩章 氏

がん対策推進企業アクションのパートナーは現在およそ5,500の企業・団体様に登録いただいています。その中でWorking RIBBONに賛同いただいている企業・団体様は1,061社で、今年度中の申し込みが330社を数えており、昨年を上回る数となっています。令和3年度のがん検診受診率は乳がんが43.7%、子宮頸がんが35.5%であったのに対し、令和5年度の検診受診率は乳がんが48.7%、子宮頸がんが40.9%と改善してきています。

挨拶
聖マリアンナ医科大学 客員教授
神楽坂乳業株式会社 代表取締役 林 和彦 先生
一般社団法人シンクパール 代表理事 難波 美智代 様

がん対策推進企業アクション議長
中川恵一先生からオフィシャルサポーターの皆様へビデオメッセージ

がん対策推進企業アクションに共感し、オフィシャルサポーターとして積極的にご参加いただきありがとうございます。また皆様方の企業において、乳がんと子宮頸がんの受診率向上、HPVワクチン接種の啓発などご協力いただき、重ねて感謝申し上げます。働く女性が就労人口の半分に迫ろうとする現代で、企業において女性が安心して働き続けられる環境がますます重要です。

「Working RIBBON」の活動は、この女性2がんの検診の受診を促進し、早期発見と予防に力を入れています。職場での情報共有、検診の重要性を広めることは女性の就労を守るうえで非常に大きな力となります。乳がん、子宮頸がんは早期発見できれば治る確率が非常に高いのですが、検診受診率は低迷しているのが現状です。オフィシャルサポーターの皆さんのお力添えが重要になります。職場あるいは家庭で、検診の大切さを啓発していただきたいです。本日は具体的な推進事例を互いに共有し、多くの女性が健康で安全に働けるようこの活動を広めていきたいと思います。

女性のがんを取り巻く状況と、企業アクションの活動について
一般社団法人シンクパール 代表理事 難波 美智代 様

現在、女性特有のがんの罹患数は減ってはいない、検診の受診率もまだ低迷している中で、より働く世代の女性のがん対策に取り組んでいただくために5年前、「Working RIBBON」が結成されました。オフィシャルサポーターが13名、企業・団体様の懸け橋として一緒に活動しています。昨年から『80%チャレンジ』という取り組みを開始しました。自社の対策がどのような段階でも、まずは賛同や宣言をしてみて意識を高めることが重要だと思います。現状の検診受診率プラス10%でも目標を定め、他社の好事例を取り入れながら是非お取り組みをいただきたいです。今年度は賛同企業の取材や、参考事例の共有なども積極的に行なっております。大同生命さんなどは社内だけに留まらず、お客様にもお声かけくださっています。今回までに啓発の事例は積み重なってきてはいるものの、受診率など数字に反映には至らない感触を得ています。オフィシャルサポーターの積極的なお取り組みやご知見に期待し、さらに段階を進めていきたいと思います。

80%達成企業へのオフィシャルサポーター取材報告

①株式会社ペンシル様
(リポーター:リントス株式会社 代表取締役 川崎 貴子 様)

②大東建託リーシング株式会社様 ※12月実施予定
(リポーター:株式会社大林組 大阪関西万博室 部長 赤松 真弥 様)

※詳細はこちらをご確認ください(リンク先は株式会社ペンシル様のレポートです)

Working RIBBON × Hellosmileの対談動画
株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長 小巻 亜矢 様

11月1日に、企業アクション議長の中川 恵一 先生と対談をさせていただきました。毎年11月をWorking RIBBON強化月間としていますが、11月1日はハローキティの誕生日でもあり、このたび素晴らしいコラボレーションが実現しました。こちらの対談は富国生命さんが長らくハローキティを起用してくださっている関係と、子宮頸がん予防啓発を推進するHellosmileとのご縁で、富国生命内幸町本社ビル1階エントランスホールにある「Fukoku Friendly Forest(フコク フレンドリー フォレスト)」にて行いました。
内容としては、中川先生からWorking RIBBONや子宮頸がんについてご説明していただき、私からはやはりしっかりと情報を得ることが大切でとお話ししました。啓発活動は地道なものですが、ぱっと目につく仕掛けやエンタメなどを活用しながら、若い世代の方にも動いていただければという思いで、対談をさせていただきました。

オフィシャルサポーターによるディスカッション

議論内容

■大西 友美子 様(株式会社ワーク・ライフバランス 社会変革室)
100%を目指すため、がん検診について社内でスケジューラーを活用しています。全員がカレンダーを共有していますので、空いているところにがん検診の予定も入れるようにしています。また、がん検診を受診してもし再検査となった場合には、1回の再検査は会社が負担しますので、安心して受診することができます。普段から些細なことも共有し合っていて、仕事がこんな状況、こんなことで悩んでいる、プライベートでこんな自己研鑽している、子どもが今こんな様子だとか、職場ではなかなか共有されないようなことも気軽に話し合える雰囲気にしています。

望月 美佐緒 様(株式会社ルネサンス 取締役副社長執行役員)
私どもはスポーツクラブを全国に展開しており、がん専門運動指導士といって、がんに特化した運動指導ができる方の育成を大阪国際がんセンター認定事業として行っています。現在200名ぐらいに増えており、全国で色々な方々が資格を取ってくださっています。多数の総合スポーツクラブを持っていまして、そちらで資格を取った人間がパーソナルトレーニングで指導していくということもさせていただいています。最近ではオンラインでの指導も進めており、何かしらの事情で出かけるのが難しい、出かけるのが不安な方がオンラインパーソナル指導を受けられる体制も整えています。
もうひとつが、弊社の「ルネサンス・オンライン ライブストリーム」という、スタジオのプログラムをオンラインで行えるものです。こちらの中にもがんに特化したプログラムを入れて受けられるような仕組みも導入しています。そこからもう少しやってみたいという方が、オンラインのパーソナル指導に行かれたりもしています。社内には子宮頸がんや乳がんに罹患した者もいますので、健康経営を推進する企業として、そうした社員がオンラインプログラムを受けられるように推進しているところです。他業種の方々との様々な連携も進めており、それにより、社内にも良い影響が出ています。

■高橋 ゆき 様(株式会社ベアーズ 取締役副社長)
がんになっても働けますよというポスターを社内に掲示しています。罹患しても働ける環境づくりに努めています。また、男性社員に対して、一般的な健康の話から、女性だけを集めて行うようなお話しもしています。女性よりも男性のほうが関心を持っているので、今後も男性を巻き込んで勉強会を増やしていきたいと思っております。
また、家庭、職場において誰もが心健やかに活動していく上で、わたしは男性向けに女性特有の病気について啓発(職域でも)していくことも大切だと感じています。

■原 利彦 様(がん対策推進企業アクション 認定講師)
7年前に甲状腺がんと中咽頭がんに罹患した経験を活かし、現在いろんな活動に参加しています。小・中学校でのがん教育の講師や、ピアサポーターとしてがん患者の心を支えてきました。講演では必ず検診を受けてくださいとお伝えしています。いろんな方とお話をしてきましたが、診断を受けたばかりの方は周りに言えない、会社に言えないといいます。人に言えなかったり、検査を受けなかったりする理由は2つがあります。ひとつは他人事になってしまっていること。自分は大丈夫、まさか40代ではがんになるわけがない――。私もそう思っていました。もうひとつは、もしがんだったら怖いから受けない。
伝えるべきなのは、「検査を受けましょう」だけではなく、がんとわかったらどうすればよいのかという部分です。会社にうまく言えない、もしかしたらクビになるのではないかと考えるからです。福岡のがん治療学会で話題になりましたが、命に別条がないのに混乱して会社を辞めてしまうことをビックリ退社というそうです。がんとわかって自殺をしたというケースも過去にはありました。がんだとわかったときに、どのようにサポートが行われるのかを話していただければと思います。それがあるから、安心して検診を受けようと前向きになれるのかなと思います。どれだけサポートできるのかを形作った上で検診を勧めること、これが全国的に必要だと思います。

■成田 妙庫 様(東京都社会保険労務士会 副会長)
経営者がどれだけ熱心にがんに関心を持てるかということは非常に重要です。がんや健康経営にあまり関心がない経営者の方ですと、どうやったら辞めてもらえるのかという相談を受けることも実際にはあります。がんの両立支援について、診断された方が辞めなくてよい方法をご提案していくという活動をしています。しかし、退職される方がどうしてもいらっしゃるというのが現状です。正社員の方は比較的会社に雇用継続しやすいけれども、非正規の方は申告すると更新されなくなってしまうことに不安を感じており、会社には相談しづらい、という方々からの相談が多くなっていると実感しております。

■谷口 典江 様(大同生命保険株式会社 取締役常務執行役員)
女性のがんに関する講演を行ったところ、女性だけではなく、男性も含めてご参加いただきましたが、大変反響がありました。聞いてくださった方が配偶者やお子さんにも検診を受けるように言いますといったお声もありました。女性もそうですが、男性も知らなかったということで、女性に対する啓発も大事ですが、全員が同じ情報を共有していくことが本当に大事だと感じました。女性だけでなく、いろんな方が意識する必要があることだ、と伝えていくことが重要だと思います。

■中野 惠 様(健康保険組合連合会 参与)
経済的に大変な会社などがある中で健康経営のプライオリティを見出すことはなかなか難しいと思います。そいった会社に対して全体的に思うのが、やはり経営幹部のトップをどう動かすのか、ということが大きな課題だなと思います。

■阿南 里恵 様(一般社団法人PUNTO A CAPO 代表理事)
私は23歳で子宮頸がんにかかり、その後すごく就業に困りました。治療の問題や就職の問題もあり、20代は本当に、結婚ラッシュの友人の話を聞いたりして、自分はどうやって生きていったらいいのかわからない、本当に長い10年を経験しました。
今、企業アクションのボードメンバーを一緒にやらせていただいていますが、がん対策に意識の高い企業様ばかりに出会います。大企業ががん対策をやっていると、中小企業もやろうという流れになるのでしょうか。それとも中小企業からすると、大企業が始めたことだと達観するのか、そのあたりは実際どうなのか知りたいと思いました。

■赤松 真弥 様(株式会社大林組 大阪関西万博室 部長)
本日出席し、皆様の貴重なお話、ご意見を伺い、がん対策の取り組みをしっかり推進していきたいとの思いを強くしました。一方、当社は建設業で男性比率が高く、社内で本取り組みを説明しても、少数の女性から着手することの理解を得られにくい面もあります。同じ環境の企業がどのように推進されているかを参考にさせていただきたいです。
難波様に先日、当社大阪本店で講演いただきました。参加した女性社員が自分事として受け止め、若いときから検診が必要と始めて知ったという感想もあり、リアルな最新の声を聞く効果は大きいと感じました。大阪は女性の健康への関心が東京より遅れているように思います。本会の開催会場を大阪や地方とすることで正しい知識が早く拡がるかと思います。是非ご検討ください。
当社は40歳以上の検診受診率が高いのですが、健康診断や人間ドックは40歳からでいい、それまでは必要ないといった考えの人もいます。一人一人が必要性を理解することが大切です。また、罹患の経験談を社内では躊躇するが、社外なら話せるという方もおられます。個人の活動ですが、罹患された方が経験談を伝えていただける場、サードプレイスを作っています。同じ活動をされている方は是非、連携させていただきたいです。

■川崎 貴子様(リントス株式会社 代表取締役)
自社に勤めていた女性社員が、がん検診でステージ4と診断されました。優秀な人で非常に惜しかったです。そういった現状がある企業もありながら、かたや受診率80%を超える中小企業がたくさんあるので、こういった会議の様子や情報をSNSで発信することは、非常に重要だと考えます。

■小巻 亜矢 様(株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長)
人が大事というところがテーマパーク事業です。毎年、社外向けのイベントではありますが、4月と11月に必ず子宮頸がんの予防啓発の活動を行っています。
また、3年前、自分の体を大切にしてほしいというような絵本を出しました。その他にもいろんな活動をしています。今年11月30日にサンリオピューロランドで、学生を対象とした子宮頸がんのイベントを実施します。品川女子学院など、女子校でも「自分たちの病気だよ」と取り組む学校も何校かあります。
やっぱり自分は大丈夫だと思っている人も多いです。啓発というのは継続することが大切だと今でも実感しますので、諦めずに続けていきたいです。

■水田 悠子 様(株式会社encyclo 代表取締役)
当社グループは化粧品事業を展開しているので、販売現場を中心に女性従業員が多く、女性特有疾患の予防啓発は身近な課題です。
検診の受診促進や補助だけでなく、更年期、睡眠、栄養など、健康に関するウェビナーやコンテンツ配信などで、従業員自身が健康リテラシーを高められるような取り組みにも力を入れています。自らの健康に関心を持つ従業員を増やし、結果としてさらに検診受診率が上がっていくものと考えています。

■伊藤 春香 様(アフラック生命保険株式会社 社会公共活動推進室長)
ちょうど2年くらい前に水田さんにお越しいただいて、80%チャレンジのインタビューを受けました。今は弊社も検診率が上がって乳がんは約90%前後、子宮頸がんは80%を超えました。当社の人事部がインタビューを受けて私もわかったことですが、やはり啓発することは大事だなと思います。社内がちょっとでも話しやすい雰囲気にするのは、すごく大事だなと思いました。雑談を通じて周囲の人がどんなことをやっているか、対応しているかがわかっていくので、改めて雑談の大切さを感じました。

■難波 美智代 様(一般社団法人シンクパール 代表理事)
HPVワクチンのキャッチアップ世代の全国ナンバーワンが島根県だったので、先日、丸山知事を表敬訪問して感謝状をお渡ししてきました。地域性もあるのだとは思いますが、常日頃から”伝えるべきこと”を”継続的に伝えている”とおっしゃっていて、基本的なことを積み重ねて結果に繋がっていくということが大変勉強になりました。CMや地域の大学、医療機関、行政からのご尽力もあり、啓発HPVワクチンのキャッチアップ接種は予定よりも多いというお話もあります。今後も啓発は継続的に行なっていきたいなと思います。

総括
聖マリアンナ医科大学 客員教授
神楽坂乳業株式会社 代表取締役 林 和彦 先生

1年に1度皆さんのお話しを聞けるので、すごく楽しみにしていましたし、今年も有意義な時間になったなと思います。今は「女性の」っていう言葉が付いていますが、その言葉をなくしても全員に伝わるくらい一般化していくことが理想ですね。
この会に参加をされている皆さんの知識と意識は非常に高く、この国においてもトップクラスと言えます。これは間違いないです。こういった場で話す内容を対外的に発信していけたらなと思います。皆さん、引き続きよろしくお願いします。

<Working RIBBONリーダー>

一般社団法人シンクパール 難波 美智代様(がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード)

<顧問>

聖マリアンナ医科大学 客員教授
神楽坂乳業株式会社 代表取締役 林 和彦 先生(がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード)

参加者一覧(13名)
<Working RIBBONオフィシャルサポーター>

株式会社大林組 大阪関西万博室 部長 赤松 真弥様
株式会社ワーク・ライフバランス 社会変革室 大西 友美子 様
リントス株式会社 代表取締役 川崎 貴子 様
株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長 小巻 亜矢 様
株式会社ベアーズ 取締役副社長 高橋 ゆき 様
大同生命保険株式会社 取締役常務執行役員 谷口 典江 様
健康保険組合連合会 参与 中野 惠 様
東京都社会保険労務士会 副会長 成田 妙庫 様
株式会社encyclo 代表取締役 水田 悠子 様
株式会社ルネサンス 取締役副社長執行役員 望月 美佐緒 様

<がん対策推進企業アクション アドバイザリーボードメンバー>

アフラック生命保険株式会社 社会公共活動推進室長 伊藤 春香様
一般社団法人PUNTO A CAPO 代表理事 阿南 里恵 様

<がん対策推進企業アクション Working RIBBONコアメンバー>

認定講師 原 利彦 様

動画メッセージを見る 動画メッセージを見る 動画メッセージを見る