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2023/11/29

令和5年度
Working RIBBON会議開催報告

(ページの最終更新日:2023年12月01日)

<開催概要>

開催日時:2023年11月10日(金) 15:00~16:30 (14:30開場)
開催場所:神田カンファレンス・ルーム 4階 ルーム2【現地開催のみ】

中川恵一先生からオフィシャルサポーターの皆様へビデオメッセージ

中川恵一先生からのビデオメッセージ

オフィシャルサポーターの皆様はキックオフから、女性のがんの現状理解を深めていただきこれまで社内外への啓発にご尽力をくださっていると聞いております。
その活動から、研修会や社内制度が設計され、検診受診率という成果に現れている企業もあるそうです。
今回はより、具体的にそういったアウトカムやインパクトの整理をお願いし、好事例の共有をしていただければ幸いです。ご報告大変楽しみにしております。

女性のがんを取り巻く状況と、企業アクションの活動について 難波 美智代様

難波美智代様

<ご講演内容>
Working RIBBON発足時から現在に至るまでの進捗共有を行い、昨年度大同サーベイの集計データを活用して乳がん・子宮頸がんの検診受診率の低さをお伝えいただきました。
他、HPVワクチンのキャッチアップ接種開始について対象年齢や接種の機会が設定された経緯等をご解説いただきました。

-80%達成企業へのオフィシャルサポーター取材報告

  1. ①研冷工業株式会社様(リポーター:株式会社Blanket 代表取締役 秋本 可愛様)
  2. ②クラフト株式会社様(リポーター:株式会社ベアーズ 取締役副社長 高橋 ゆき様)
  3. ③株式会社フジタ建設コンサルタント様(リポーター:株式会社ルネサンス 取締役副社長執行役員 望月 美佐緒様)
  4. ④医療法人社団俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック様 (リポーター:株式会社ワーク・ライフバランス 社会変革室 大西 友美子様)

※詳細はリンク先をご確認ください
(リンク先は研冷工業株式会社様のレポートです)

オフィシャルサポーターによるディスカッション

議論内容

■谷口 典江様(大同生命保険株式会社 取締役常務執行役員)
弊社は、検診受診率が目に見えて上がってこない。主体的に自分が取り組むことが大切だとは認識しているので、今年の春にそういった生の声を聞くことを目的に研修を行った。

■下瀬 陽子様(阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ開発室課長)
2023年度から阪急阪神ホールディングスと阪急電鉄の女性従業員が、定期健康診断とがん検診を同日に受けられるように、健診体制を見直しました。その結果、2022年度のがん検診受診率は、乳がん検診が66.3%、子宮頸がん検診が56.2%と大幅に増加しました。駅で勤務されている方は夜勤や早朝勤務もありますが、働き方に合わせた検診に行きやすい体制を整え始めています。
健診体制の見直しと並行して、女性特有の健康課題に対する知識の向上を目的とした、女性従業員や女性の部下を持つ管理職向けのセミナーを開催しています。2022年度からは、女性従業員全員を対象とした社内保健師による健康セミナーを実施しています。2023年9月末現在で合計26回開催しており、341人(75.8%)が参加しました。1セミナーあたり、30人ほどで豆乳などを飲みながらカジュアルに行い、その後のアンケート結果は非常に好評でした。コメントとして、上司、男性管理職にも聞いてほしいという声が多かったので、来年から管理職対象のセミナーも組み込んでいく予定です。
健康経営のプロジェクトチームに女性の保健師さんも参画しており、熱意を持って取り組んでいる方たちによる、地道な取り組みがこうした結果に繋がってきていると感じています。

■望月 美佐緒様(株式会社ルネサンス 取締役副社長執行役員)
スポーツクラブをメインに運営。現在、大阪国際がんセンター認定の「がん専門運動指導士」という、がんのことがわかる運動指導者を増やすことに取り組んでいる。スポーツクラブで働く私達、運動指導者もあまりがんのことがわかっていない。がんとはどういう病気なのか、がんに罹患された方々が一番気にされてることは何なのかとか、そのためにはどういうリハビリテーションが必要なのかを、社員やアルバイトのスタッフも資格を取っていきながら、今知識をちょうど上げている。

■水田 悠子様(株式会社encyclo 代表取締役)
ポーラオルビスグループの子会社なのでそちらの検診の制度を使い、比較的高い水準の受診率を保っているが、美容部員の方や、非正規の方ですと完全に受診率を上げていくのは難しい状態。
がん経験の当事者として思うのは「病気になったらこんな大変なことになるから、検診を受けた方がいいよ」という恐怖訴求には限界がある。美容においても「ケアをしないとシワやシミだらけになっちゃいますよ」っていう、恐怖訴求の後ろってやはり人間の心が動かないし、行動変容しないんです。私自身、罹患から11年経って、恐怖訴求ではない啓発のあり方はないかなと考えているところです。

■小巻 亜矢様(株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長)
→11月23日のサンリオピューロランドイベントにて「WorkingRIBBON」チラシを配布済み
『ハロースマイル』という子宮頸がんの予防啓発活動を2010年からずっと続けております。私自身は乳がんの罹患経験もあり、子宮の病気で子宮を全摘している体験もあります。経営者としての意識は高いと自負はしているものの、自分の会社の検診率は本当のところどうなのかと調査しましたところ、本当に目も当てられない状況が明らかになったのです。そんなこともあり、当社から4名、総務人事、そして若手社員が参加しています。
なぜ検診に行かないのか、なぜワクチン接種に踏み切らないのかというとやはり「怖い」と。「自分はならない」という漠然とした根拠のない自信、それから「忙しい」それから「お金の問題」「なんとなく」――その辺り、まさに自分の会社の若い方たちも同じ理由で、みなさん検診を受けておらず、ワクチン接種もしていない。そんな結果を受けてまず当社の施策としては、その世代には呼びかけだけではなく、少し踏み込んだおせっかいが必要だと考えました。例えば検診に行く時間は就業時間内というふうに決めて、金額的なサポートも手厚くしようと踏み切ったので、来年この場で良い報告ができたら嬉しいです。

■川崎 貴子様(リントス株式会社 代表取締役)
女性活躍推進法のコンサルティングをしているが、ライフワークとして30代40代の女性向けに婚活のオンラインサロンを主宰。卒業生を合わせると1000人ぐらいいて、いつも一緒に情報交換をしています。平均年収だと550万ぐらいで、みなさん検診受診率が非常に高い。この理由は彼女たちが外資、大手企業に勤める方が多いということ。中小企業の女性活躍推進のコンサルに入ってる身としては、本当にここが足りないんだなと思いました。
この中小企業の社長たちに話を聞いていると、女性のがんが30代40代に多いと知らない。今コロナが明けて非常に良い人材が必要だという状況で、採用・教育にたくさんのお金をかけてるわけなんですよ。せっかく育った女性たちが、体の不安を持っていることでキャリアを捨てる状況って本当にもったいないことこのうえないです。やはりそういうベンチャー、中小企業の集まりでたくさん勉強会をやってますので、もう「これは大損ですよ」って言うんです。そういうセミナーをやったりとか、そうしたアクションをしたい。

■永田 徳子様(株式会社レーマン 代表取締役/獣医師)
人の医療においても医療機器開発やワクチンの開発、再生医療や臓器移植のトレーニングなどで獣医師が必要な場面で、人の医療の中で働いていた獣医師です。
その中で難しい最先端の医学ですとか手術手技、専門家同士であっても難しい、言葉だけでは難しいという場面でメディカルイラストレーションやアニメーション、今の時代だと3Dモデルも使って伝える仕事をしております。弊社は女性が多く、8名の内6名が女性です。医学のコンテンツをつくるチームなので社内での取り組みとしては、論文を読み込んで専門家と話をしてコンテンツを作るので自分の学びが深くなります。それを定期的に発表をして、社内で共有をしています。弊社で1年半くらいかけてアプリを開発したので、教育に使っていただくために活動をおこなっています。

■髙橋 ゆき様(株式会社ベアーズ 取締役副社長)
25年前に家事代行サービスのベアーズという会社を持ちそして現在、年間55万件ほどのご家庭に日常の暮らしをサポートするというサービスを提供している。その中でもがん罹患者であったり、まさに今がんと闘っている方、がん罹患者と一緒に生きている方々の家事というものをサポートさせていただいております。
WorkingRIBBONに参加させていただいた事によって、社内の社員がこのがんに対する思いが非常に強くなり、勉強であったりとかそういったことももっとオフィシャルにやってほしいというリクエストもあります。いわゆる研修の中に組み入れてほしいというような話が出てきたので、それもやらないといけないなと思っている。社員たちにはWorkingRIBBONの活動を聞かせることで家庭までこういった事をお届けしたいなと思います。
私は東京商工会議所の特別顧問を務めておりますので、そういったところにも、このような活動のあり方を伝えていく事が私の役目とも思っている。

■大西 友美子様(株式会社ワーク・ライフバランス 社会変革室)
子宮頸がん検診は毎年、マンモグラフィ―超音波検査は交互にというように、女性の場合は全員がやっているんですけれどもカレンダーに他の人が設定して良いという業務上のルールがあるので、検診の予約をしてくれる担当の人が全員のカレンダーの開いてるところにどんどん入れていくという流れで検診受診率を高めています。
弊社は今男性育休の普及をしていくために、有料ではあるんですけれども、各企業様が1年間で定額を払っていただければ弊社がやっている何回でも何人でも聞きこんでいいよっていうようなオンラインセミナーがあります。
3ヶ月に1回その男性育休の父親向けのセミナーをさせていただいってるんですけれども、今200社ぐらいに到達します。参加者数が多いときで約2000人、少ない時で約4~500人オンラインで、従業員の方だけではなく、そのパートナーやご家族も参加していいという仕組みで、ご家族も巻き込んでいます。同じように、このがんの検診率を上げる取り組みも、ご家族の検診率を上げるためにも、その企業だけでなくご家族もオンラインで受講できるような仕組みを活用すると良いのではないでしょうか。

■川崎 貴子様(リントス株式会社 代表取締役)
今19歳と11歳のちょうどHPVワクチンキャッチアップ接種対象の娘がいます。
梅毒が流行りましたよね。男性は30~50代が同じぐらい。女性の場合20代が非常に高くてそれは全部風俗勤務とかパパ活動をやってるのかというとそうではない。出会い系の普及というか、やはり40代よりも20代の女性の方が出会い系に対して、ラフ使っていて、これだけ20代の女性たちが性交渉が感染の原因である梅毒に感染するということは、子宮頸がんも一緒でしょっていうことでゾっとしたんですよね。

ただHPVワクチンに関しては、ママ友も含め勧奨自体にアレルギーがある人もいる。もっとダイレクトに若者たちに伝えるには、お話があった通りやはりTikTokとかYouTubeなど動画でメッセージをくれないと、作り物なんじゃないかっていうイメージを若者たちが非常に持っているということ。やはり動画配信的な事に力を入れたら良いのではないかなと思い、手を挙げさせて頂きました。

ディスカッションの様子

総括 林和彦先生

林和彦先生

このWorkingRIBBONも変革期であり、改めて皆様が成長というのはおこがましいけれども、リーダーとしてすごく併用されているのをひしひしと感じました。今日の話などは是非議員会館などで国民全員聞かせたい。

知るという事は重要で、先ほど性教育の話がありましたけれども、梅毒の話も深刻です。

ただHPVは、もっとポピュラーです。HPVは生涯で感染する確率が女性は8割と言われてます。男性も9割です。その90%ぐらいは自然に排除されるので、そこは梅毒と違うところです。梅毒は感染してしまうと自然の排除は中々ない。排除されているのでHPVウイルスは大きな問題にならないけれども、むしろ移るのが当たり前というところから出発しなきゃならないと思います。そういった理由でワクチンが本当に重要になってくる。

今日のお話を伺い、勇気づけられましたし、「ちょっと(検診・ワクチン接種に)行ってくる」ってどこかで使いますね。いいフレーズだと思います。

<Working RIBBONリーダー>

一般社団法人シンクパール 難波 美智代様(がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード)

<顧問>

聖マリアンナ医科大学 客員教授 林 和彦先生(がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード)

参加者一覧(13名)
<Working RIBBONオフィシャルサポーター>

株式会社encyclo 代表取締役 水田 悠子様
健康保険組合連合会 参与 中野 惠様
株式会社サンリオエンターテイメント 代表取締役社長 小巻 亜矢様
大同生命保険株式会社 取締役常務執行役員 谷口 典江様
株式会社ベアーズ 取締役副社長 高橋 ゆき様
東京都社会保険労務士会 副会長 成田 妙庫様
阪急阪神ホールディングス グループ開発室 課長 下瀬 陽子様
リントス株式会社 代表取締役 川崎 貴子様
株式会社レーマン 代表取締役 / 獣医師 永田 徳子様
株式会社ワーク・ライフバランス 大西 友美子様
株式会社ルネサンス 取締役副社長執行役員 望月 美佐緒様

<がん対策推進企業アクション アドバイザリーボードメンバー>

アフラック生命保険株式会社 社会公共活動推進室長 伊藤 春香様
大同生命保険株式会社 執行役員 部長 営業企画部/商品部 岩谷 崇志様

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