がん知識チェック
最初に、みなさんの「がん」に対する知識を確認してみましょう。
設問を読み、「知っている」、「聞いたことがある」、「知らない」を選択してください。
知っている | 聞いたことがある | 知らない | ||
---|---|---|---|---|
Q1. | 男性の約3人に2人が生涯にがんを発症する。 | |||
Q2. | 女性の約2人に1人が生涯にがんを発症する。 | |||
Q3. | 日本の死因第一位はがんである。 | |||
Q4. | 日本では約3人に1人ががんで死亡している。 | |||
Q5. | 人口10万人当たりのがん死亡率は、日本はアメリカの1.5倍以上である。 | |||
Q6. | 乳がんがいちばん多いのは、40歳代後半である。 | |||
Q7. | 子宮頸がんがいちばん多いのは、30歳代前半である。 | |||
Q8. | 健康な人でも、体の中で毎日たくさんのがん細胞ができている。 | |||
Q9. | 早期がんの段階なら、多くのがんで9割以上が完治する。 | |||
Q10. | がんが生まれた場所にとどまっている段階であれば治療は比較的容易。がんが生まれた場所から、外に出ると完治が難しくなる。よって、検診による「早期発見」が大切である。 | |||
Q11. | 早期のがんには自覚症状がほとんどない。なので症状がでる前にがんを見つける「がん検診」が大切である。 | |||
Q12. | 多くのがんでは入院せずに仕事を続けながら治療を行うことが可能である。 | |||
Q13. | 細菌やウイルスへの感染が原因でがんになることがある。 | |||
Q14. | 病気の治療をサポートするための社内制度を知っている。 | |||
Q15. | 健康に関する社内の相談窓口を知っている。 |
あなたのe-ラーニング受講前の知識スコアは
まだまだこれからです
気にはなっているけど不十分です
まぁまぁ関心を持っています
高い知識を持っています
-
26-30点 高い知識あなたは、「がん」についてよくご存知で、意識も高いようです。
本コースは、知識の再確認もかねて学習を進めていってください。 -
16-25点 まぁまぁ関心を持っているあなたは、「がん」に関心を持ち、日頃から情報を収集されているようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。 -
6-15点 気にはなっているけど不十分あなたは、「がん」について、一般的な情報はご存知のようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。 -
0-5点 まだまだこれからあなたは、「がん」について、あまりご存知ないようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。
がんリテラシーチェック
がんに関するリテラシーチェック
- 次に、以下のそれぞれが、あなたにとって簡単か難しいかについてお聞きします。
それぞれの中で、最もあてはまるものをお選びください。
とても 簡単 |
やや 簡単 |
やや 難しい |
とても 難しい |
分からない/ あてはまらない |
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Q1. | がんと疑われた時に、どう対処するべきか調べるのは | |||||
Q2. | がんの対処法を理解するのは | |||||
Q3. | がんの治療法が複数あるときに、それぞれの長所と短所を評価するのは | |||||
Q4. | まわりの人の意見を取捨選択して、がんにならない生活を心がけることは | |||||
Q5. | どうすればがん検診が受けられるかについての情報を得るのは | |||||
Q6. | どのような行動や生活習慣ががんになる可能性を高めるかを理解するのは | |||||
Q7. | がん検診の長所と短所を評価するのは | |||||
Q8. | がんについての知識をもとに、がんのリスクになる生活習慣をできるだけ避けることは | |||||
Q9. | 自分の住んでいる地域の自治体ががんを予防するためにどのような取り組みをしているかを知ることは | |||||
Q10. | どのような政策ががん予防につながるかを理解するのは | |||||
Q11. | 自治体の試みのうち、どのようなものががん予防にとって有効かどうかを評価するのは | |||||
Q12. | 正しいがんの知識や予防法を友人や身近な人に伝えることは |
あなたのe-ラーニング受講前のリテラシースコアは
あなたのがんリテラシー偏差値は
![](./images/graph.png)
リテラシーとは?
リテラシー:「情報を入手し、理解し、評価し、活用するための能力のこと」ヘルスリテラシーは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、理解し、効果的に利用する能力として国内でも広まってきた概念です。
先に示した「がんに関するリテラシー」は、我々のグループが作成したチェック項目で、点数が高い人ほどがんに対して正しい行動がとれることが分かっています。
はじめに
はじめに
がん対策推進企業アクションでは、パートナー企業における、がん検診受診率の向上、がんの治療と就業の両立支援のため、e-learning「がん予防と両立支援」を作成いたしました。
がん対策・がん予防の「切り札」は、がんを知ることです。このe-learningによって、がんに関する基礎的な知識を身につけ、ぜひこの病気から皆さんの命を、体を守っていただきたいと思います。
本e-learningは、4つのセッションで構成されており、セッションⅠ~Ⅲは 全社員対象、セッションⅣは管理職対象(一般社員は任意受講)となっています。
- 学習目標
-
- ・がんに関する基本知識を習得する
- ・がん予防・がん検診の重要性を理解する
- ・仕事とがん治療の両立支援について理解する
東京大学大学院医学系研究科 総合放射線腫瘍講座 特任教授 中川恵一先生メッセージ
東大病院の中川です。
がんは「他人事」ではありません。日本人男性の3人に2人、女性でも2人に1人が、がんになっています。年間では約100万人の方が新たにがんと診断されて、38万人近くの方が、この病気で命を失っています。この率は、世界でもトップクラスです。
日本の人口10万人あたりのがん死亡数は、アメリカの1.6倍、最近では2倍近くになっています。欧米では減少傾向にあるがんによる死亡が、日本では増え続けています。これは、なぜでしょうか。
高齢化もありますが、日本人ががんという病気を知らないことが大きな原因と言えます。がんはわずかな知識と、それに基づく行動によって、大きく運命を変えることができる病気だからです。
がんで死なないための「切り札」は、がんを防ぐ生活習慣と、早期発見のためのがん検診をセットで行うこと。早期のうちに見つかれば、ほとんどのがんで、9割、あるいは95%が完治します。ところが、日本のがん検診受診率は先進国で最低レベルに留まっています。たとえば子宮頸がんのがん検診受診率は、アメリカでは8割以上にのぼりますが、日本では約4割にとどまっています。じつにもったいない話です。
このe-Learningによって、がんに関する基礎的な知識を身につけ、ぜひこの病気から皆さんの命を、体を守っていただきたいと思います。ぜひがんを知っていただきたいと思います。
1.がん対策の「切り札」は、がんを知ること!
01 がん対策の「切り札」は、がんを知ること!
がんになる可能性は、誰にでもある
- 男性の3人に2人、女性の2人に1人ががんになります。
- 特に若い女性のがんが増えています。
![](./images/page/img_p11.png)
どうしてヒトは、がんになるのか
- がんは細胞が分裂するときのコピーミス(遺伝子の突然変異)によって生じます。
![](./images/page/img_p12.png)
悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍
- 良性腫瘍は、切除してしまえば命にかかわることはありません。
- がんがその場にとどまっている段階であれば、治療は比較的容易です。(早期)
- しかし、がんが「転移」してしまうと、完治は難しくなります。(進行期)
![](./images/page/img_p13.png)
世界一の長寿国日本は世界一の「がん大国」
- 毎日、たくさん(5,000個)のがん細胞が生まれています。
- 年をとると細胞分裂でコピーミスが増え、がん細胞を退治する免疫の働きは低下します。
- そのため、長生きするとがんは増えます。
![](./images/page/img_p14.png)
がん患者の3割が働く世代
- 高齢化により、高齢者のがん患者数が増加しています。
- 若い世代の女性のがん患者が増加しています。
- 就業年齢延長、働く女性の増加により、ますます働く世代のがん患者が増加していきます。
![](./images/page/img_p15.png)
日本はがん対策後進国
- がん死亡率は日本では増加していますが、米国では減少しています。
- 2016年の日本のがん死亡率は、米国の1.6倍です。
- がん死亡率増加の一番の要因は、急速な人口の高齢化ですが、日本のがん対策の遅れ(高い喫煙率、低い検診率など)が影響しています。
![](./images/page/img_p16.png)
がんは予防できる
- 男性のがんの5割以上、女性のがんの3割弱が喫煙などの生活習慣や感染が原因です。
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がん予防のための生活習慣改善①禁煙
- 臓器別がん死亡のトップは「肺がん」です。
- タバコは、肺がんに加え、喉、すい臓、肝臓など全身のがんを増やします。
- タバコがなくなれば日本人男性のがんの4割はなくなります。
- タバコは周囲の人の健康も損ねます。
- 電子/加熱式タバコによる害の報告も増えています。
![](./images/page/img_p18.png)
がん予防のための生活習慣改善②飲酒・運動
- 飲酒はほどほどに。 ~顔が赤くなる人は、お酒に注意しましょう~
- 少しの運動でも効果があります。
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がん予防のための生活習慣改善 ③食事
- 肉食はほどほどに。食卓に野菜や果物を欠かさないようにしましょう。
- 塩分の多いもの、熱いものの取りすぎに注意しましょう。
- がん予防にはバランスのとれた食事が一番です。
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感染による「がん」もある
- 日本人のがんの原因の約2割は、細菌やウイルスへの感染です。(欧米では約5%)
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男性が気をつけるべきことは?
- 禁煙と飲酒量のコントロールで男性のがんの発症リスクは4割程度軽減できます。
- 感染も日本人男性の発がん原因の約2割を占めます。
- ピロリ菌・肝炎ウイルスへの感染の有無を早めに検査しましょう。
![](./images/page/img_p22.png)
女性が気をつけるべきことは?
- 女性特有のがんが、働き盛りの若い世代(30歳~40歳代)に急増しています。
- 中高年、特に40歳代後半で大きく増加しています。
- 20歳~40歳代の若い年齢層で増加しています。
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女性特有のがん ①乳がん
- 乳がんは、女性のがんの中で最も多く発症し、死亡者は交通事故の2倍以上です。
- 発症する人は40年間で約7倍に増加しています。
- セルフチェック(自己触診)とがん検診が大切です。
![](./images/page/img_p24.png)
乳がんセルフチェック
- 月に1度、生理が終わった4~7日後にチェックします。
- 習慣的に触れることで乳房の触り心地を覚えておき、自己触診で何もなくても、2年に1回はマンモグラフィーを受診しましょう。
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女性特有のがん ②子宮頸がん
- ヒトパピローマウイルスの持続的な感染が原因です。
- 性交開始年齢の若年化に伴い、近年、20歳~30歳代の若年層に急増しています。
- 20歳代から「がん検診」を受けることが特効薬になります。
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聖人君子でもがんになる
- 生活習慣を整えるだけでなく、早期発見(がん検診セルフチェック)も心掛ける必要があります。
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2.早期に見つけられれば、働きながら治せます
02 早期に見つけられれば、働きながら治せます
がんになったら、もう治らない?
- 現在、がん全体で見れば、がんの6割が治ります。
- 早期がんなら多くのがんで9割以上が完治します。
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がんになっても働きつづけられる時代
- がん治療は、「入院」から「通院治療」にシフトしました。多くは通院で治療ができます。
- 2019年の統計では、44.8万人のがん患者が、治療を受けながら働いています。
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がんの治療
- がんの種類や進行度に応じて、手術(外科治療)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などを組み合わせて行われます。
- 長期間にわたることが多くなります。
- 体力の低下や治療の副作用などが現れる場合もあります。
治療をしながら働き続けるために
- 就業規則を確認して、無理なく働き続けるための制度を確認しましょう。
- 上司、産業医、人事・総務部、社会保険労務士、派遣の場合は派遣会社などまわりの力になってくれる人に相談しましょう。
3.がん検診を受けよう
03 がん検診を受けよう
がん検診
- 厚生労働省「職域におけるがん検診に関するマニュアル」で、がんの死亡率を減少させることを目的として、推奨されているがん検診
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早期発見の重要性
- がん検診を受診しているのと、いないのでは、がんが発見された時の進行度に大きな違いがあります。
- 早期発見のため「がん検診」を受けましょう。
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がん検診は定期的に受診しよう
- がんは1cm程度の大きさにならないと診断できません。
- がんを早期(2cm以下)のうちに発見できれば、ほとんど完治させることができます。
- 早期がんには、ほとんど自覚症状がありません。
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精密検査の重要性
- 精密検査や治療を受けなければ、がん検診の効果がなくなってしまいます。
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がんは交通事故のようなもの
- 避けられない事故もあるが、注意していればリスクは必ず減ります!
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4.仕事とがん治療の両立支援(管理職必修)
04 仕事とがん治療の両立支援(管理職必修)
がんになっても安心して働ける職場づくりが大切
- がんを発症する人の約3分の1が、働く世代です。
- 従業員の高齢化、女性従業員の増加により、働きながらがんの治療を続ける人が更に増加します。
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がんの治療の基本知識
- がん治療は、「手術が終われば終了」ではなく、治療や経過観察が必要で、突然手術の後遺症や治療の副作用が現れる場合もあります。
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がん就労者の話を聴くときのポイント
- がんと診断された方の多くは、一時的に大きなストレスを受けます。
- 必要なのは、まず話を聴いてもらい、苦しみを理解してもらうことです。
- カウンセリング手法を用いて、話をじっくり聴きましょう。
![](./images/page/img_p41.png)
- 相談された内容は、もらさないことが原則ですが、問題解決のためには、人事や産業医などと情報を共有し、適切な配慮をしていくことが必要となります。本人の承諾を得て、がん就労者に不利益が生じないよう注意し、早めに関連部門と連携しましょう。
仕事と治療の両立支援
- 仕事と治療の両立を支援するためには、がん就労者と関係者がみんなで連携して、具体的な 支援をしていく必要があります
![](./images/page/img_p42.png)
がん知識チェック
がん知識チェック
- 最後に、みなさんの「がん」に対する知識を確認してみましょう。
設問を読み、「知っている」、「聞いたことがある」、「知らない」を選択してください。
知っている | 聞いたことがある | 知らない | ||
---|---|---|---|---|
Q1. | 男性の約3人に2人が生涯にがんを発症する。 | |||
Q2. | 女性の約2人に1人が生涯にがんを発症する。 | |||
Q3. | 日本の死因第一位はがんである。 | |||
Q4. | 日本では約3人に1人ががんで死亡している。 | |||
Q5. | 人口10万人当たりのがん死亡率は、日本はアメリカの1.5倍以上である。 | |||
Q6. | 乳がんがいちばん多いのは、40歳代後半である。 | |||
Q7. | 子宮頸がんがいちばん多いのは、30歳代前半である。 | |||
Q8. | 健康な人でも、体の中で毎日たくさんのがん細胞ができている。 | |||
Q9. | 早期がんの段階なら、多くのがんで9割以上が完治する。 | |||
Q10. | がんが生まれた場所にとどまっている段階であれば治療は比較的容易。がんが生まれた場所から、外に出ると完治が難しくなる。よって、検診による「早期発見」が大切である。 | |||
Q11. | 早期のがんには自覚症状がほとんどない。なので症状がでる前にがんを見つける「がん検診」が大切である。 | |||
Q12. | 多くのがんでは入院せずに仕事を続けながら治療を行うことが可能である。 | |||
Q13. | 細菌やウイルスへの感染が原因でがんになることがある。 | |||
Q14. | 病気の治療をサポートするための社内制度を知っている。 | |||
Q15. | 健康に関する社内の相談窓口を知っている。 |
あなたのe-ラーニング受講後の知識スコアは
まだまだこれからです
気にはなっているけど不十分です
まぁまぁ関心を持っています
高い知識を持っています
-
26-30点 高い知識あなたは、「がん」についてよくご存知で、意識も高いようです。
本コースは、知識の再確認もかねて学習を進めていってください。 -
16-25点 まぁまぁ関心を持っているあなたは、「がん」に関心を持ち、日頃から情報を収集されているようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。 -
6-15点 気にはなっているけど不十分あなたは、「がん」について、一般的な情報はご存知のようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。 -
0-5点 まだまだこれからあなたは、「がん」について、あまりご存知ないようです。
本コースでは、がんの発症メカニズムから日頃からできる対策まで、幅広く紹介しています。学習を通して知識を深めてください。
eラーニングは以上で終了となります。
お疲れ様でした。
受講後アンケートにご協力いただける方は
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※サービス向上のため、率直なご意見・ご要望をお聞かせください。
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がんについて詳しい情報が知りたい方は、次のホームページをご参照ください。
- がん対策推進企業アクション
https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/index.html - 国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス 「がん情報サービス」
https://ganjoho.jp - がん研有明病院 「がんに関するサポート・ご相談」
https://www.jfcr.or.jp/hospital/conference/cancer/index.html - 公益財団法人 日本対がん協会
https://www.jcancer.jp/ - がん情報サイト
http://cancerinfo.tri-kobe.org/
参考情報
参考情報
がん検診のススメ
先生、がんから身を守るには、どうしたらいいでしょうか?
監修 中川恵一 東京大学医学部附属病院放射線治療部門長
厚生労働省がん対策推進企業アクション議長
文部科学省「がん教育」の在り方に関する検討会委員
制作 朝日出版社
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