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イベントレポート

2018/10/26
2018年10月26日開催「健康増進講演会」日本ガイシ株式会社

日本ガイシ株式会社(愛知県名古屋市)が10月26日(金)に開催した「平成30年度 健康増進講演会」において、中川恵一氏(東京大学医学部附属病院放射線科 准教授)の講演が、昨年に引き続き開催されました。 講演に先立ち、同社健康保険組合の常務理事である伊藤嘉典氏から、同社の健康に関する取り組みや現況が具体的データを示しながら説明され、今後も「健康宣言」に基づいて各種データの開示をするなど、従業員一人一人が自らの健康維持増進に努められるよう、積極的に取り組むとのあいさつがありました。
講演の様子

今回の講演は主に管理職を対象としたもので、会場は参加者で満員となるほか、全国の事業拠点にも同時中継されました。なお、希望者には講演を録画したDVDが貸し出されるということです。

日本ガイシ株式会社
https://www.ngk.co.jp/

「がんを知る-企業におけるがん教育の重要性PART2-」

中川恵一氏

まず、がんはおよそ全ての病気の中で「わずかな知識の有無で運命が変わる病気」です。

現在、小・中・高等学校ではがん教育が始まっています。問題は大人で、もう学校で習うことはできませんから、本日のような講演を聴いていただくことは非常に重要なことです。そして、みなさんの周りの職場や家族、友人などにも今日の話を伝えていただければと思います。

講演の様子

さて、がんは男性と女性、どちらがなりやすいでしょうか? それは、圧倒的に男性です。理由は簡単で男性の方が、生活態度が悪いからです。最大の要因は喫煙で、そのほかお酒や運動不足、肥満などが挙げられます。

生涯でがんになる確率は、2012年時点で男性64%、女性47%、2016年の予測値では男性67%、女性51%となっています。つまり、男性は3人に2人、女性は2人に1人ががんになる時代だということです。

各年齢までのがんになるリスクは、50歳までは男性3%、女性5%。この時点では女性の方がリスクは高いわけですが、全体を見ても5%以下ですから罹患リスクは低いといえます。これを65歳までに上げてみると、男女差ともに15%にまで罹患リスクが高まります。65歳まで働くわけですから、今後は会社員の6〜7人に1人ががんになるということです。

また、サラリーマンの死因の約半分ががんです。伊藤忠商事のデータでは、同社の在職中に病気で亡くなる人のうち9割ががんでした。要するに自殺を除いて、病気で亡くなるサラリーマンのほとんどががんだということです。

アメリカの研究によると、がんになる原因の1/3はたばこ、1/3が食事、つまり2/3は生活習慣。特に喫煙はがんの最大の原因で、男性が喫煙をやめればがんの4割が消滅します。残り1/3はその他の原因となっていますが、このその他は何かというと、「運」ということになります。ヘビースモーカーで大酒飲みでも、がんにならない人はいますし、その逆もいます。ただし、全体でみるとヘビースモーカーの人の方が、聖人君子よりもがんになる確率は圧倒的に高くなります。予防の観点からいえば、禁煙や生活習慣の改善などを行えば、がんにかかるリスクは1/3まで減らすことができます。ただ、どんなに努力しても1/3よりリスクが減ることはありません。ですから、もしも運悪くがんになった時に備えておく、これが早期発見です。簡単にいえば、がんで死にたくないならば「生活習慣の改善」と「早期発見」の2つにつきます。

がんの治療は「敗者復活戦のない一発勝負」といえます。最初に間違った選択をしないこと。正しい治療をすれば、がんは治せます。がん全体で見ても5年生存率は65%、早期がんに限れば95%が治癒します。ですから、試合に望む前に相手(がん)のこと、ルール(治療方法)を知っておく必要があります。しかし、多くの日本人はがんのことを知りません。それは学校で習ってこなかったからです。いまだにがんは不治の病だと思ってる人も多く、現実に、がんと診断された患者の1年以内の自殺率は20倍になっています。これは、がんという病気を知らないからになりません。

現在がんの告知率は100%。告知されて1〜2週間は、患者の精神は混乱します。データによるとがんになって退職する人は30%。特筆すべきは辞める時期で、診断確定時が32%、診断から最初の治療までが9%と、実に40%超の人が実際に治療を開始する前に退職しています。実際に治療をしてから本当に辛くて辞めるのではなく、がん治療は大変だと予測のもとに辞めてしまう。これもがんに対する知識の無さから来るのではないでしょうか。

早期がんであれば100%仕事と両立できます。こういうことをがんになる前に頭に入れておくことが重要です。

また日本人は誤解されている方が多いでずが、「がんは、よほど進行しても症状を出さない病気」です。全身に転移したがんでも、よほど末期の末期にならない限り症状は出ません。早期に発見されるがんにおいては、自覚症状などまったくありません。ですから、普段の生活態度がよい人も、元気で健康だと思っている人も定期的に検診を受けなければなりません。がん検診は、がんの早期発見の一番の手立てです。

例えば、日本で一番多いがんは大腸がんですが、この大腸がんのがん検診は「検便」です。自治体の補助で安く受けられる検査でもあります。1度の検査で2回、便を取るだけのわずかな手間で大腸がんを見つけられるのですから、やらない手はありません。大腸がんは「検便」で見つかるような早期発見であれば5年生存率98.2%に対し、進行して見つかった場合は5年生存率16%、10年生存率はほぼ0になってしまいます。「検便」をするだけで運命が変わります。

また、進行がんや末期がんになってしまうと、完全治癒が難しいだけでなく、医療費もとてつもなく高額になっていきます。高い薬では、年間の薬価が何千万円というものもあります。会社員のみなさんは保険適用で安く診療できるとはいえ、保険は健保組合で賄われていますから、その財政面にもがんは大きく関係します。がんは自分だけの問題ではなく、企業や国の問題でもあるといえます。

がん治療には「手術」「放射線治療」「抗がん剤」の3種類がありますが、日本では手術が一般的です。欧米では放射線治療を受けている人は6割、日本ではまだ3割です。手術なら入院が必要ですが、放射線治療なら通院で可能ですし、通院なら働きながら治療を行うことも可能です。がんの種類や病状によってはさまざまな治療の選択肢があるということを、がんになる前に知っておくことも大切です。

がんは遺伝子の経年劣化といえる病気で、簡単にいえば細胞の老化ですから、世界一の高齢化社会である日本は、世界一のがん大国です。本来、日本人ががんのことを一番知らなければならないのです。

現在日本では毎年約101万人の方ががんになっており、38万人ががんで亡くなっています。新規がん患者の3人に1人は、15〜64歳の働く世代で、定年がもっと延長されれば、さらにこの数字は増えていきます。また、がんの死亡者は、欧米では減っていますが、日本では増え続けています。

がん細胞は、60歳であれば毎日5000個もできているといわれていますが、通常は免疫力(リンパ球)ががん細胞を殺しています。しかし、加齢とともにがん細胞が増えるとともに免疫力が衰え、がんになりやすくなります。

そしてがんは、検診で発見できる大きさ(約1cm)になるまで、約20年かかりますが、そこから末期がんになるまでは数年と短いスパンです。1〜2 cmの早期がんを、いかに早く見つけるかが非常に重要です。

また、日本は健康や医療に関する知識、ヘルスリテラシーが低いのも特徴で、国別の調査ではインドネシア、ミャンマー、ベトナムなどより断トツで低く、最下位となっています。しかし、昨年の4月から小・中・高等学校でがん教育が始まりました。次の教科書改訂では、がんの項目が教科書に追加されます。このような正しいがん教育を受けた子供たちが増えることで、将来的には正しいがん知識が広がることが期待できますが、同時に、大人も正しいがん知識を勉強しなくてはなりません。

会社員の方においては、まずは企業で行われるがん検診を受診すること。そして、要検査が出た方は“必ず”病院で再検査を受けることです。これは、がんを早期発見するチャンスです。早期発見であれば、がんは95%が治るのです。欧米では、がんを早期発見すると「congratulations」と言われます。早期でよかったね、治せるね、つまり、死なないということです。

講演の様子

【がんを防ぐ生活習慣】
・ タバコは吸わない(受動喫煙も)
・ 酒はひかえめ(顔が赤くなる人はとくに)
・ 肉と塩分はひかえめ
・ 活発に暮らす
・ 体型の維持
・ 野菜・くだものなど、バランスのよい食事
・ 細菌・ウイルス感染にも注意

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