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イベントレポート

2017/9/29
葛飾区立新小岩中学校で開かれた「がん教育講演会」を取材しました

飾区立新小岩中学校にて、全校生徒を対象に東京女子医科大学がんセンターセンター長の林和彦先生によるがん教育の授業がありました。新小岩中学校では平成23年度に、当時の1年生を対象として中川恵一先生をお呼びし、がん教育を行ったことがあるとのことです。

校門

1時間目:林先生授業(「知っておきたい『がん』の話」)

がんの話林先生は、事前に生徒に答えてもらった、がんに関するアンケート結果を示しながら授業を始めました。アンケートからはがんに対して「死ぬ病気」「恐ろしい」などといった意見が多く見られ、マイナスなイメージが強いことがうかがえました。また、細胞分裂の際、ミスコピーが起きることによってがんになり、免疫で退治しきれず、ミスコピーされた細胞が増殖することでがんが大きくなる、ということを「ばるん」というキャラクターを用いて説明しました。

 続いて、「がんを防ぐための新12箇条」を紹介し、全12箇条に触れつつ、とりわけ最も効果のある予防法として1条の「禁煙」を大きく取り上げ、受動喫煙や妊娠中の喫煙による他者への影響を強く訴えました。また、喫煙・飲酒を控えることに加え、12箇条に沿って生活習慣の改善を促し、今からでも実践できる予防法があることを述べました。 
続けて、がんは早期発見が大事であることを述べました。症状が出る頃にはがんが進行していることが多く、検診で早期発見することを心がけてほしいと主張しました。しかし、がん検診が大事であるにもかかわらず日本では検診受診率が低いことをデータで示し、時間やお金がないといった理由を紹介して、日本人のがん検診に対する意識の低さについて話されました。がんの治療法は手術だけではないことや、国では胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの5大がんについて検診を実施していることの紹介もありました。

最後に、がんは早期に発見して治療すれば決して怖くないこと、帰ったら是非、家族に検診受診を勧めてほしいことを訴え、講演を終えました。

がんの話

2時間目:青木孝子校長の講話・林先生講話



■青木先生講話(がん患者家族としての体験談)

青木校長の写真青木先生は、12歳の時の2月、当時35歳だったお母様をすい臓がんで亡くした経験を話しました。がんが発見された時にはかなり進行しており、夜中に父と祖母が「あとどれぐらい持つだろう」という話をしているのを聞いて、幼いながらにもお母様が助からないことを悟ったとのことです。お母様からは、遺言のような形で「あなたは学校の先生になりなさい」と言われたことを語り、ベッドに横たわった状態でも十分なので、生きていてほしかったと涙ながらに話されました。お母様を亡くしてからは、自分は3人兄弟の長女なのだからしっかりしないといけないという意識を持っていたそうです。
お母様が亡くなられた当時は、医療技術は進んでおらず、検診も今よりずっと受けられなかった時代だったと説明があり、あの時、今の技術があればお母様は亡くならずにすんだかもしれない、と話されました。しかし、「いつまでもくよくよしていても亡くなった母が悲しむだけなので、心の中で生き続ける母を心の支えにして、母の分まで生きようと思う」と明るく話されました。最後に、今日林先生から教わったことを胸に刻んで、がんや他の病気にならないよう、健康に過ごしてほしい、と締めくくりました。生徒たちの中には涙ぐんでいる子や、いつも明るい青木校長の体験に驚いているような子も見受けられました。

■林先生講話

林先生の写真林先生は、青木先生の話を踏まえ、自身も中学生の時にお父様をがんで亡くされていることを話しました。このようなことはどの家庭にも起こり得る、と、がんが身近な存在であることを強調しました。
だからこそ、がんについて知ることは非常に大事であり、今はかかりつけの病院の医師をはじめ、ケアマネージャーなど、患者とその家族を支える仲間がたくさんいることを示しました。そして、いつも通りの生活を送れることは奇跡の連続であるのだから、毎日を大切に生きてほしいと話されました。
実際のがん患者さんから寄せられた「家族に対して申し訳ない」「周りにかわいそうだと思われたくない」といった意見が示された上で、生徒たちに事前に行ったアンケートの「大切な人ががんになったらどうしますか」という項目についての回答例が挙げられました。「支える」「一緒にいる」「祈ることしかできない」といった意見のほか、「泣いてばかりで何もできないと思う」と答えた生徒もいました。生徒たちと同じくらいの年齢に小児がんを経験したサバイバーの方が同じ質問に答えたワークシートも紹介され、「あなたが必要だと伝えたい」「七夕の短冊に『治りますように』と書く」「いつでも一緒にいてあげて、相談にも乗る」といった当事者ならではの考えがうかがえました。
最後に、一番大切なことは、患者のことを考えて行動することだと述べ、家族の力も大きな希望になるので、家族で力を合わせてほしいと締めくくりました。
講演後は、生徒会長が生徒を代表して「がんは怖い病気だと思っていたが、予防する術はたくさんあるとわかった。喫煙者の父を説得してタバコをやめさせたいし、自分も将来絶対に吸わない。奇跡の連続である毎日に感謝し、身近にがんだと診断された人がいたら支えになりたい」という感想を全校生徒の前で林先生に伝えました。

生徒インタビュー

講演後、生徒会役員の9名に、講演に関してインタビューする機会をいただきました。意見を紹介します。

質問1「感想を一言、お願いします」

2年女子A
がんは、自分もいずれ体験するかもしれないことだとわかった。今日の授業を活かしてこれからにつなげたい。
1年女子
祖母をがんで亡くしたが、自分は何もできなかった。これからは周りの人ががんになったら、支えになりたい。
2年女子B
おじががんなので、実際に支えになりたい。
1年男子A
別の学校に通う友達の母が乳がん。必ず死ぬ病気ではないことを教えたい。
1年男子B
何気ない日常が大切だとわかった。がんにかかっている人は苦しい思いをしていると思う。今日の授業を無駄にしないよう行動したい。
2年男子
祖母をがんで亡くしている。苦しかっただろうと思う。何もできなかった、と後悔しないように、患者さんの力になりたい。
3年女子A
父がタバコを吸っているので、今すぐやめさせたいと思った。家族の誰かが死んだら、残されたみんなが悲しむ。きちんとした生活習慣の大事さを教えたい。また、校長先生の話で感動し、泣きそうになった。
3年男子
昔、祖母をがんで亡くしたが、祖母との関わりがそれほどなかった。がん患者に限らず、人と接する機会を多く持つようにしたい。
3年女子B
がんに関してあまり知らなかったが、よくわかった。自分の体を大切にしたい。

質問2「今日の授業を受けて、家族や別の学校の友達等にどんなアクションを起こそうと思いますか」

2年女子A
がんにかかっても、早期で発見すればほぼ助かることを初めて知った。他の人にも伝え、がんになった人を支えたい。
1年女子
がんになった際のデメリットは大きい。でも、今では治る病気なんだと伝えたい。
2年女子B
母が喫煙者。やめてもらえるように言う。
1年男子A
1日1日が大切であることを伝える。また、がんになっても治らないわけではないので、あきらめないで、と勇気づける。
1年男子B
父がタバコを吸っている。やめてもらえるように頼む。
2年男子
がんは必ずしも治らない病気ではないことを伝える。両親にがん検診を受けたことがあるか聞いてみる。受けていないなら受診を勧める。
3年女子A
がんについて知らない人に、がんだと診断されても治ることを伝えたい。検診受診を周りに勧め、自分も大人になったら受ける。
3年男子
早期発見で助かるように、がん検診の受診を勧める。
3年女子B
感情を伝えるのが得意ではないので、これからは周りの人に素直に気持ちを伝えるようにして、毎日を過ごしたい。


林先生や青木先生のメッセージを胸に刻み、授業内容をきちんと理解していることがうかがえます。身近にがん患者、あるいはがんで亡くなった方がいる、という生徒や、身内が喫煙者、という生徒も一定数いました。喫煙者には喫煙をやめさせる、両親に検診を勧める、といった周りへの働きかけに加え、自分もタバコを吸わない、検診を受ける、患者を支えたいなど、がんを自分のこととしても考えている様子が見られました。がん教育が進むことで、将来的ながん患者の減少、あるいはがん患者が生きやすい社会が期待できます。

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