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イベントレポート

2016/11/15
がん対策推進企業アクション「新潟セミナー」を開催しました

2016年11月15日、新潟市中央区のANAクラウンプラザホテル新潟で〈がん対策推進企業アクション「新潟セミナー」〉を開催しました。全国7ブロックで開催されるセミナーの第四弾に、約140名が参加しました。開催概要はこちらをご覧ください。
会場
▲会場
受付
▲受付
厚労省の主催者挨拶と「国の取り組み」紹介からスタート
セミナー冒頭に登壇したのは、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の渡部直史氏です。渡部氏は主催者挨拶の後、『我が国におけるがん対策について』というテーマで、がんの現状や国が行ってきた施策を紹介しました。死因1位であるがんへの対策として、まず1962年2月に国立がんセンターを設置。1983年の老人保険法施行と同時に胃がん・子宮頸(けい)がん検診を開始し、以降、子宮体部がん・肺がん・乳がん・大腸がんへ検診を拡充してきた経緯が語られました。

そして平成18年の議員立法による『がん対策基本法』成立で、国の施策が大きく動き出したと説明し、がん対策推進基本計画のもとで、総合的施策が展開されるようになったと語りました。現在は第2期基本計画を推進中で、第1期に定めた『10年間で年齢調整死亡率を20%下げる』目標が難しい状況にあるため、平成27年に『がん対策加速化プラン』を打ち出し、第2期計画に上乗せする形で、取り組みを強化していることも説明しました。

そして強化例の中から、受診率向上に向けたがん検診へのさらなる注力、就労支援にウェイトを置いて説明が行われました。それによるとハローワーク(職業安定局)で治療と両立可能な求人紹介を開始、労働基準局は治療と職業生活の両立支援プランを策定し、今年から施策を本格化。健康局と合わせた厚生労働省の3局が積極的な施策を展開していると語り、渡部氏は降壇しました。
厚生労働省健康局がん・疾病対策課・渡部直史氏
▲厚生労働省健康局がん・疾病対策課・渡部直史氏
「治療と職業生活の両立支援ガイドライン」について
続いてステージに立ったのは、新潟産業保健総合支援センターの須貝澄夫・副所長です。須貝氏は参加者に『家族・親戚・知人の中でがんに罹患(りかん)した人がいる人は?』と質問を投げかけ、多くの参加者が挙手するなか、がんが決して他人事でない現状を示しました。そして厚労省が今年2月にまとめた指針『治療と職業生活の両立支援ガイドライン』についての詳細な説明へ。年間85万人ががんに罹患し、その約3割が就労世代(20〜64歳)。仕事を持ちながら、がんで通院している人は32.5万人に上るとデータを紹介。

一方でがんの5年生存率は58.6%に上昇していて、今やがんは不治の病ではなく、長く付き合う病気になっていると解説。だからこそ糖尿病・メンタルヘルス・脳血管疾患といった継続治療を要する疾病とともに、がん罹患者にも治療と職業生活の両立支援が必要だと語りました。続いて取り組みの現状や企業に必要な環境整備を説明。新潟産業保健総合支援センターのサポートは労働者(会社員)が主治医を通じて事業所に申し出ることからスタートするなど、支援が行われるフローにも触れました。最後に新潟県で個別事例に応じた、きめ細かな支援がこれから本格化すると語り、須貝氏の講演が終了しました。
新潟産業保健総合支援センター・須貝澄夫副所長
▲新潟産業保健総合支援センター・須貝澄夫副所長
がん検診対策企業アクションの取り組みと現状の紹介
続いて登壇したのは、がん対策推進企業アクションの事務局の水株隼人氏です。がんが増え続けている日本の現状をデータで示し、その上で職域における『がん検診』受診率向上を目指し、がんの基本知識を提供しているプロジェクトの活動を紹介しました。そして昨年度からスタートした表彰制度にも触れて、本年度もがん対策を推進している企業を表彰すると語りました。

また2016年10月末現在のデータを紹介。がん対策推進企業アクションに参画している企業は2162社で、その従業員は550万人以上におよぶこと、全国47都道府県に活動の輪が広がっている現況を説明しました。新潟県から29企業・団体が参画していることも紹介。最後にプロジェクトへのさらなる参画を呼びかけて水株氏は降壇しました。
がん対策推進企業アクション事務局・水株隼人氏
▲がん対策推進企業アクション事務局・水株隼人氏
中川先生の基調講演「職域におけるがん教育の必要性」
続いて東京大学医学部附属病院 放射線科准教授・中川恵一先生(がん対策推進企業アクション・アドバイザリーボード議長)が、『職域におけるがん教育の必要性』のテーマで講演を行いました。先生はまず、日本人ががんに罹患する確率は男性63%・女性47%とデータを紹介。さらにこのデータは4年前のもので、現在はさらに高い数値になっていて、2016年の概算値は男性67%・女性51%であると説明しました。

さらに働き盛りの女性に子宮頸がんや乳がんが増えていることを指摘。定年延長で男性会社員のがんもますます増えていく日本は『がん社会』。まさに職域での対策が重要だと強調しました。驚くべきデータも明らかにされました。がんに罹患した人が1年内に自殺する率は、そうでない人の20倍におよぶというのです。先生は、早期の胃がん・大腸がんなどは90%治るにも関わらず、こういう悲劇を生むのは、がんの正しい知識が無いからだと語りました。

がん教育がなされてこなかった日本ではTVドラマから「がん」を知り、その患者は髪が抜け、やがて死を迎える定番のストーリーになっていると指摘。そして来年4月から全国の小学校・中学校・高校で『がん教育』が始まることを紹介しました。一方で大人への教育はほぼ手つかずで、大人に正しいがん教育をするには、職域の努力が必要だと強く呼びかけて講演を締めくくりました。
中川恵一先生
▲中川恵一先生
「がんに負けない社会は職場から~受けよう、がん検診を」
10分の休憩を挟んでステージに立ったのは、新潟県立がんセンター新潟病院院長・佐藤信明先生でした。佐藤先生の講演テーマは「がんに負けない社会は職場から~受けよう、がん検診を」。先生は1981年から死因第一位になっているがんは、日本社会の高齢化に伴ってこれからも増えていくこと、がんになるリスクを減らすには、1次予防(環境・生活習慣の見直し)と2次予防(早期治療・発見のためのがん検診)がポイントであると説明しました。

そしてがん検診の目的は早期発見・治療によって死亡を減少させることで、単に見つけることではないと語り、その視点からがん検診に不利益もあると解説。偽陰性(がんがあるのに見つからない)、疑陽性(がんがないのに異常を指摘される)、過剰診断(生命に関わらないものが見つかる)を不利益の例として挙げ、さらに受診者の心理的・身体的・金銭的負担もあるとして、科学的に効果が実証されている検査を受けるべきと語りました。

次に胃がん・大腸がん・肺がん・子宮がんについて行われている検査の効果を説明。その後、特に増加が顕著な肺がんと乳がんについて、時間を割いて現状解説しました。肺がんは2015年の予測値で罹患者98万人、死亡者37万人(年間)。2014年より罹患が10万人、死亡は4000人増加していて、男性のがん死亡率トップ。女性も部位別の2位。乳がんは2016年に9万人の罹患が見つかり、かかる人も亡くなる人も増える一方であることがデータで示されました。

先生の専門分野である乳がんについては、デンスブレスト(高濃度乳腺)についても解説。日本人の40%がマンモグラフィー検査でしこりが見つかりにくい高濃度乳腺であり、これが乳がん検査の課題になっていると語られ、最後にがんにならないため生活習慣を見直し、効果的ながん検診を受診してほしいと呼びかけて、佐藤先生の講演が終了しました。
新潟県立がんセンター新潟病院・院長/佐藤信明先生
▲新潟県立がんセンター新潟病院・院長/佐藤信明先生
「病を授かって見えたもの~キャンサーギフトという生き方」
セミナー最後の講演はフリーアナウンサー・伊勢みずほさん。「病を授かって見えたもの~キャンサーギフトという生き方」というタイトルで、ご自身の闘病とこれまでを語りました。仙台出身の伊勢さんは2002年から2010年まで新潟放送(BSN)アナウンサーとして勤務。現在はフリーアナウンサーとして活躍中です。2年前、36歳のとき乳がんが見つかった伊勢さん。病気が見つかったきっかけは入浴中に違和感を覚えたこと。すぐにかかりつけのクリニックでエコー検査を受けました。

最初の診断は「嚢胞(のうほう)だと思うが、年齢的にマンモグラフィー検査もしたほうがいいですね」というもの。別の病院でマンモグラフィーと細胞診を受けて、乳がんが判明しました。「死ぬのでは。仕事を辞めなくてはいけないのでは」とパニックに陥ったという伊勢さん。手術と放射線・抗がん剤治療で10年かかると医師に告げられ、さらにショックを受けたといいます。しかし周囲の理解とサポートによって、ブランクはあったものの仕事と治療を両立。現在も3カ月に1回の通院治療と投薬を続けながら、BSNの人気番組に出演しています。

以前から交際していて、病気がわかってから結婚したご主人のサポートが大きかったという伊勢さん。また昨年2月にブログで病を公表してからは、同じがんと闘う人からのメッセージが心強かったと語りました。そして病気になってから、日常のささやかな喜びに対する幸せの感度が上がったと語り、「がん=死」というイメージが強かった2年前の自分に、今を教えたいとも語りました。そして伊勢さんはいったん降壇しました。
伊勢みずほさん
▲伊勢みずほさん
ステージセッティングの後、中川先生・佐藤先生・伊勢さんのパネルディスカッションがあり、新潟セミナーは終演となりました。
パネルディスカッションの様子
▲パネルディスカッションの様子
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