2023/11/15
令和5年度 第4回アドバイザリーボード会議を開催しました
(ページの最終更新日:2023年11月15日)
令和5年度 第4回アドバイザリーボード会議を7月27日(木)にオンラインにて開催いたしました。
議題1 事務局報告
1 パートナー推移について
(事務局 岡村)
パートナーの推移について、登録の企業数は現在75社で今月は90社前後の登録を見込んでいる。前年度に比べるとWeb申請の数が増え、1.5倍程度の伸び率となっている。また今月は退会が1社あったが、理由は合併し消滅のためということだった。
パートナー申請の理由について注目すべき点は、明治安田生命保険相互会社様である。中川先生のご紹介で非常に従業員数の多いところからの登録があった。その他もホームページを見てという数が増えているので、引き続きホームページは充実させていければと思っている。
(岩切副議長)
今年は登録数がこの4ヶ月で463社、昨年は279社だった。この2、3年ぐらいで急激に伸びている。このまま推移していくことを願うと同時に、登録後も企業アクションに入って良かったと感じてもらえるようなホームページや、情報提供をしていかなければならないと感じた。申請理由のホームページを見てという内容を見ていくと、こういうものを求めていた、いろいろ探していたという理由で登録されている方が多い。ある意味、登録された後からが本番だという気がしている。
2 出張講座の申込・実施報告
(事務局 岡村)
出張講座の申込みと実施報告について。申込みは通常の出張講座が3社、がん研有明病院コラボの出張講座が4社という状況である。先日ブラザー健康保険組合で、東京大学
南谷優成先生の講座を実施させていただいた。この実施結果、感想等についてはまた改めてご共有させていただければと思う。
(岩切副議長)
当初、認定講師を含めて出張講座は年間30社ぐらいということで目標を決めて進めてきた。若干まだコロナの影響はあったが、そろそろまた増えてきている。傾向として認定講師への依頼が増えつつある。そこで近いうちに認定講師の紹介を載せた出張講座のチラシを作り、各企業にお渡しできたらと思っている。わかりやすく、またこれならお願いしたいというものを作れればと思う。当初、出張講座の依頼は医師の方が多いと思っていた。だが実施後の声を集めると、がんの経験談をお話しいただけるということが現場的には非常に重要で、求められていると感じた。特にこの点を強めていきたいと思っている。
(中野委員)
ブラザー健康保険組合様のときの受講後の感想に「南谷先生の言葉が刺さり意識が変わった」という好感度の感想があるが、南谷先生はどのようなことを仰ったのか聞かせていただきたい。
(南谷様)
あまり特別な言葉というものを言ったつもりはないが、ブラザー健康保険組合様は3年連続で実施をしている。また3年連続で1年あたり3回やっているので、かなりいろいろなことを喋ってきている。がんの予防をメインとした講演の他に、同僚の生活習慣を改善させるためのロールプレイも少し実施した。オンラインではあるが企業の方々に参加していただいたところがもしかしたら良かったのかもしれない。
(中川議長)
ロールプレイとはどんなことをやるのか。
(南谷様)
講演のだいたいは自分がどう健康に生きるか、検診を受けるか、タバコの煙の影響をどう予防するかなどの話が中心になると思うが、健康という概念的にはやはり他人の健康をどう変えていけるかということも重要になるので、そこのところを考えていけるようなロールプレイをやったりしている。
(岩切副議長)
南谷先生には八王子市のがん教育をやっていただいている。それを実際に見た方は、そんなに特別なことをやっているわけではないかもしれないが、4ヵ所ぐらい子どもに突き刺さる場面があって、そこが私はすごいと思ったとのことだった。ここにも出てきた心に突き刺さるという何かがマジックなのか、私も一度ぜひ聞いてみたい。
3 YouTubeについて
(事務局 佐藤)
YouTubeは全体を通して数字は右肩上がりになってきている。一番動画が見られるタイミングは、やはり動画を公開する月末だが、我々が調べた中で月中の10日から13日の間に毎月見られていることも判明した。そのため月末に公開した動画を、再度月中にFacebook等で告知させていただくなどをして、より再生回数の増加に繋がるように進めていきたい。
4 HP関連報告
(事務局
岡村)
ホームページに更新をかけたところは、フィロソフィーのバナー、第4期がん対策推進基本計画の概要図と注目点、厚生労働省の組織体制、がん診療連携拠点病院のところである。フィロソフィーページへのボタンの設置や、サイドバナーのデザインの統一も行った。ホームページを見てパートナー登録が増えているということもあり、しっかり充実させていきたいと思っている。ホームページは今までの傾向だと基本的にパソコンからが多かったが、最近ではケータイも多いためスマートフォンにも対応できるようにしている。
(若尾委員)
4点ほど気になった点について。
1.グローバルナビのがん対策推進企業アクションとはから、フィロソフィーに飛ぶのは少し違和感がある。まず一つは言葉が違うということ。「とは」というのはどのような活動をしているのかを話すことであり、フィロソフィーは更にその上流なので、ここに違和感を感じる。
2.第3階層について。例えばリーフページの右ナビゲーションで、一番上のフィロソフィーは第2階層で階層が違うはずだが、これが同じように見えてしまっている。
3.上記のページでスマホタイプにすると本来であればリーフページの右ナビゲーションがメニューとして出るはずだが、グローバルナビのメニューがそのまま出てしまっている。
4.組織体制のところについて。関係団体等のオレンジの部分に国立がん研究センターがあるが、すでに組織が変わっているため「がん対策研究所」に変更する必要がある。
(中川議長)
確かにフィロソフィーが最初に来るのは多少違和感がある。宿題として少し検討したい。
(岩切副議長)
若尾先生には、以前と同様に全てのページを見ながら検討する時間をいただきたい。現在の件は事務局と相談してどのようにできるか検討していきたい
5 イベント関連報告
(事務局
岡村)
今年度10月25日に実施する秋田県のブロックセミナーは、チラシがほぼ完成している。今回秋田県知事様にもご登壇いただきトークセッションに参加していただくので、この点が大変注目点である。また本日参加していただいている認定講師の鈴木様にもご登壇いただく予定である。
(中川議長)
ブロックセミナーについては、あと宮崎県と香川県がある。こちらも準備を進めているところである。
議題2 各施策の方向性議論
1 企業コンソーシアムについて
(真鍋委員)
企業コンソーシアムの現在の進捗状況について。コンソ40の分科会は、テーマ1を職域でのがん検診に関する情報の取扱い、テーマ2を企業における治療と仕事の両立支援に関する取り組みという内容で、昨日までに第3回目まで終えている。第3、4回目に関しては毎回ファシリテーターを変えている。
第3回目の分科会では、テーマ1は従業員の個別同意について、テーマ2は企業内、企業間の経験者コミュニティについてということで、テーマを既に決め論点を絞って進行を行った。テーマ1については、かなり議論として突っ込んだ話があり、テーマ2に関しては11社全てに参加をいただいた。
テーマ1では、個人情報について把握の仕方や聞き方、会社の仕組みの違い等を参加企業間で意見交換を実施した。課題点がかなり如実にあることがわかった。課題点や現状についてアンケートでしっかり集めその後の意見交換に繋げるため、アンケート項目についてかなり細かい議論を行った。項目はかなり分かれているが、個人情報の取得だけではなく、受診状況を管理する人的リソースをどうするか、経営者側の視点で見てどうするかなど、非常に丁寧に議論していた。アンケートは広い範囲を対象とし、企業が今どのような状態にあるのかという現状を明らかにしていきたい。第4回目についても引き続きここを精査して出せる形にしていきたいと考えている。
テーマ2については、がん経験者コミュニティに絞って分科会をやったが、11社参加のうち3社は既にコミュニティを立ち上げており、残り8社のうち3社については既に検討している、5社については興味があるというところだった。
がん経験者コミュニティの先行企業からは、細かい事例の共有とレクチャーのような形で紹介をいただいた。がん経験者コミュニティを立ち上げるための注意点、結成に当たっての具体的な動き、がんコミュニティを他の疾病よりも先に立ち上げる意義などの議論を行い、先行する企業の考え方を聞いた。結果としておそらく今検討中の3社については、がんコミュニティがしばらくの間に立ち上がると思う。患者さん同士が繋がりを持てるような仕組みが各企業に必要だということを、11社とも強く認識をしていた。他の企業にもコミュニティを形成することを検討していただけるようなモデルができるのではないかと考えている。
この流れを持ち、来月の8月29日(火)にコンソ40運営会議を行う。この運営会議は次の10月の全体研修会についても議論をするが、コンソ40企業全ての気持ちを更に高めたいという思いもある。各分科会は3回実施しているが参加されていない企業もまだ16社あり、24社の取り組みの内容や成果について進捗を発表したいと考えている。またHPVワクチンキャッチアップ接種をはじめとする企業における子宮頸がん啓発の提起や、ワーキングリボン活動の紹介や参加呼びかけを行う。女性のがん対策ということで、しっかりコンソ40企業が先頭になって考えていきたい。
また2023年度のゴールをどうするかについて、どのような形で発信していくのかコンソ40メンバーで意見をまとめていきたい。全体研修会は10月と2月に行う。10月については東海大学の立道先生に、がん検診に関する情報の取扱いということでお話をいただく。
(中川議長)
提言のようなものがこれから世に出ていくということで期待してもいいのか。
(真鍋委員)
私が申し上げられる立場ではないが、出したいというふうに思っている
2 中小企業コンソーシアムについて
(髙谷委員)
年間計画に沿って中小企業経営者セミナーは、8月1日に秋田県と打ち合わせをして調整をしている段階である。中小企業向けのチラシは、今年度も作成して配布を依頼する。また大同サーベイの動画は中川議長出演で作成をし、啓発用として使用する方向で進めている。この大同生命様との共同調査は、今年度も11月を目途に実施をする予定になっている。これまでの地域では商工会議所様などと連携をとってやっていくということを進めてきているが、今年度は秋田県、香川県、宮崎県のブロックセミナーともあわせて、連携を進めていきたいと思っている。また中小企業のがん検診受診率の把握などの目標設定がずっと課題になっていたため、把握状況に関するアンケートを作成して送付する施策を進めている。アンケートの実施、集計、電話インタビューなどを行った後に、受診率把握の良いモデル方法をいくつか提示していきたいと考えている。
(岩切副議長)
企業アクションとして中小企業対策をどうするかということが非常に大きな課題だと感じている。今の登録状況を見ると小規模企業の方が多くなってきている。新しいものを何かしっかりとやりたいと考えているため、また髙谷座長にご相談したい。
3 WorkingRIBBONについて
(難波委員)
コンソ40との連携というところで協力をいただき、HPVワクチンの啓発チラシの意見をいただいた。また職域でどのような形でHPVワクチンの定期接種とキャッチアップ接種を推進していけるのかというところを、勉強会という形で実施する形になった。8月29日が運営会議というところで、まずはどのようなものなのかということをメンバーに周知する。その上で林先生から、10月17日の研修会でHPVワクチンの男子向け接種が中野区で進んでいるということを、医師会を通じた取り組み等々の好事例という形で発表していただく。中野区は出向いて状況等を聞き取りするので、皆様にも共有していきたいと思う。
オフィシャルサポーターの活動に関しては11月10日に会議を予定している。またアンケートを実施しようかと考えている。アンケートの趣旨は、HPVワクチンに関してと、オフィシャルサポーターが主体的にこの活動に参加してもらうためには、具体的にどのようなことができるかというところの背景を集約できたらと思っている。
スケジュールはほぼ予定通りに進んでいる。オフィシャルサポーターが80%チャレンジに手を挙げてくれた5社にインタビューを実施する予定である。遠隔地の企業もいるためオンラインで実施するが、できるだけリアルで2社程は訪問したいなど打ち合わせを重ねている。
(林委員)
中野区はかねてよりがんの啓発活動を非常に盛んに行っている区で、今の医師会長はついこの前まで教育委員会の委員だった。がん教育に関しても非常に理解のある公共団体である。また区の行政が当初から中野区でがん啓発イベント等にも参加しているような、三位一体の好事例を紹介できるのではないかと期待している。
(中川議長)
中野区では8月から男子に対する接種の助成も始まるため、非常にボリュームが大きく注目されている。
(岩切副議長)
医療関係者はこの1年を通して、女性の定期接種の副反応はほとんど聞いていないということを言っていた。そこら辺のところも詳しく聞いていただきたい。
(中川議長)
副反応の話は非常に重要である。9年前は針小棒大に報道するというような姿勢もあった。中野区医師会に聞いていただくことは、とても大事なことだと感じる。
議題3 意見交換
1 各組織・企業様等の企業アクションPRへのご協力について
(成田委員)
昨年度中川先生にご講演いただき、それに合わせて会報でのPRをさせていただいた。今年度は社会保険労務士会もSNSでの発信を積極的に進めている。
(中野委員)
健保ニュースを関係者に配布している。こういうものを含めてPRに活用していきたい。また健康保険という冊子を通して情報発信を行っていきたいと思う。
(園川様)
ブロックセミナーの開催等に関しては、地域の状況を踏まえて各種広報等に協力できると思う。
(中川議長)
検査費用の値下げの影響という意味では何かあったか。
(園川様)
統計的にどういった形で効果が出ているのかというところは、これから検証という状況である。自己負担を大きく引き下げたということもあり、割と反応はあると検診機関の方から聞いている。これまで以上に受診率が向上していくのではないかと思っている。
(中川議長)
データがまとまったら、コラム等でも紹介できるので教えてほしい。
(岩谷委員)
企業アクションの中でいろいろ会議をさせていただくことが増え、社内でもがん対策の理解が着実に浸透してきた。その結果、今年から一部の検診費用を全額補助することが始まり、自己負担なしで受けられるようになった。従業員のがん対策の意識を高めていくことが、お客様接点のところにも繋がっていくと思っている。
また、「大人も子どももがんを知る本」を使わせていただくことと、11月実施予定の大同サーベイの共同調査を通して、中小企業経営者に対する従業員へのがん対策の啓発活動を引き続き実践していきたい。
中川議長にはいろいろな場面でご講演いただき、直接大事だと思っていただく機会を作っていきたいと思っている
(真鍋委員)
第一生命では、昨年度暫定的に名古屋ブロックを中心に取引先企業に直接企業アクションを紹介して、e-ラーニングやYouTubeの閲覧をやってもらっている。このe-ラーニングを導入することで、企業としてがん対策が進んだと非常に取引先から高評価をいただいている。名古屋をきっかけにこの半年間でかなり多くの企業が企業アクションへ登録をしてくれた。これは継続することにすごく意義がある。取引先には中小企業が多く、がん対策をどうすればいいか、そんな余裕がないなどの現状があることがわかったため、第一生命の取り組みとして名古屋に限らず広げていこうかと現在検討しているところである。
(伊藤委員)
企業アクション事務局から毎月発信されるメールマガジン(パートナー通信)を、月に1回社内のイントラネット掲示板に情報掲載している。また、コロナの影響で今年は4年ぶりに、当社主催によるがんに関する展示会「がんを知る教室」を再開した。ちょうど今月の7月7日~7月9日に大阪で開催したが、中川先生と阿南さんにご講演いただいた。10月に企業アクションの全国大会が大阪で開催されることも周知させていただいた。いずれもがんのリテラシーを高める重要な施策と捉えている。
(中川議長)
私も様々な場所で講演などをさせていただく機会があるが、そこで参加者の方に企業アクション知っていますかと聞くと、まだまだ認知度が非常に低い。これをどうやって上げていくかということは非常に重要なことである。私も講演の中で企業アクションについて少し注力して説明するということも考えている。
(阿南委員)
がん患者さんががんにかかって3割の方が退職されるというところで、新規就労のところに切り込んでいきたいと考えている。自分自身は退職して、職業訓練で外国人に日本語を教えるというスキルを身につけるための職業訓練に通い昨日終了した。現在その日本語学校の採用試験の結果待ちである。がんサバイバーが、外国人に日本語を教えるという道を作っていきたいと思っている。今最終の条件面の提示を待っているが、日本語学校としても社会貢献として私の活動を全面的に応援したいと言ってくださっている。
(森委員 ※欠席のため事務局岡村代理報告)
商工会議所のみ閲覧可能な電子掲示板への企業アクションのメールマガジンの転載と、会議所ニュースへの記事の掲載などを念頭に置いている。
(黒瀨委員 ※欠席のため事務局岡村代理報告)
がん予防の啓発活動として、女性の健康課題を考えるオンラインセミナーで子宮頸がんや乳がんの予防について行ったり、肺がんを含む健康被害についても、シンポジウムや動画配信、各種広報活動で積極的に行っている。
(二階堂様 ※欠席のため事務局岡村代理報告)
全健協とは、一般社団法人全国健康増進協議会の略で、9つの労働衛生機関で設立されている。主な目的は、健診や保健指導などの健康管理サービスを全国に高品質で提供し、働く人や家族の健康増進と生活の質の向上をサポートすることである。
(岩切副議長)
以前よりも進んでおり、深く考えていただいていることが伝わった。社会保険労務士会さんのFacebook等での発信は大変ありがたい。大同生命さんの一部検診費用の全額補助は、そのようなところまで進んだということが素晴らしい。大同サーベイの共同調査では中小企業の経営者の方に直接アンケートで当たるとのことなので、営業担当者の方に理解していただきそこから発信できるような、企業アクションのPRができるチラシ等を作成して進めていければと思う。日本商工会議所さんは許可をいただければメールマガジンの転載をしたいとのことだったが、このようなことをやっていただければ理解が深まるのでぜひお願いしたい。第一生命さんは名古屋中心にいろいろやっていただいているので、ここはぜひ引き続きお願いしたい。アフラックさんについては、メールマガジンの重要性を強調するときに話に出したい。月に1回社内のイントラネット掲示板に情報掲載をしてくださっているのはありがたい。日本医師会の黒瀬先生については、何らかの形で企業アクションとコラボできるようなものがないか個別に相談したい。全国健康増進協議会さんについては、9つの団体というものからなっていることを初めて知った。支えていただくと同時に、パートナー登録の推進をしっかりやっていただいているということを本日は改めて認識した。
他にも団体ではないが、個人個人の方々がそれぞれのところで、どのようなことができるかということを今後も引き続きお願いしたい。
(中川議長)
各企業団体のホームページに、企業アクションのバナーを置いていただくと良いのではないかと思う。日本医師会には特にお願いしたい。事務局の方で日本医師会のホームページに、企業アクションのバナーを置いていただけないか確認していただけるとありがたい。
2 企業アクション登録小規模パートナーへの対応
(事務局 岡村)
パートナー企業の登録はWeb申請に切り替えてから、非常に多くの企業から申請をしていただけるようになった。割合としては中小企業が増えてきている。今後は中小企業に対してもメールマガジンやチラシ等で、がん対策推進企業アクションとしてアプローチしていければと思う。
(岩切副議長)
パートナー登録企業数の割合を出したのは、9人以下の企業団体が24%だからである。全体を見ると4分の1ということで均衡が取れているようにも見えるが、2022年9月は20.3%だったものが半年後には24%になり、急激に増えている。この状況を踏まえ、どのように企業アクションとしてアプローチしていけばいいのか考える必要がある。その一つとして、中小企業を対象としたメールマガジンを年に何度か発信し、身近に感じてもらうことができないかと思っている。また自社の従業員の健康とがん対策について、このようなこともやってみようと思ってもらえるようにしていきたい。就労支援についても全体のメールマガジンとは別にやっていけないかと思っている。今日は皆様から中小企業向けのアプローチ方法でご意見をいただき、今後に活かしていきたい。
(中川議長)
9名以下の企業に対してどうアプローチしていくかについて、どなたか意見、アドバイスなどないか
(岩谷委員)
私どもとしてはお客様と日頃接する時に、企業アクションのこともそっとお伝えすることが一番効果があると思っている。メールマガジンだとメールアドレス収集というところが非常に難易度が高く苦労するため、大変かと感じる。日々の活動の中に組み込んでできるというところで、一つお役立っていただけると思う。
(中川議長)
9名以下の企業が急速に割合を増しているのは背景に何かあるのか。
(岩切副議長)
社員や社長ががんに罹患したなど、何かを契機にして探っていらっしゃる。がんというものを身近に感じて何らかの危機感というものを覚えて登録されている。
大同生命さんにはまだパートナー登録されていない人にアンケートの形で当たっていただき、企業アクションをPRしていただいて大変ありがたい。そこから今度は登録された場合何ができるのかとなる。
中川先生がかつて、少ない従業員の中でも1人はがんの担当者を決める、そしてがんのニュースがあればみんなに伝えるということの重要性を仰っていた。この2つのことが大変必要だと感じる。それからプラスワン運動として、いろいろなやり方があり、その中で何か一つやりませんかというような呼びかけもいいのではないかと思っている。また以前、中小企業の経営者にメールではなく手紙を送り意識を持ってもらうということも考えたが、この部分に関しては大同生命さんのアンケートでそれに代わるようなことをやっていただいている。
(真鍋委員)
法人を営業した経験があるが、10名以下の企業というのはほとんどが同族経営を含め家族型経営だった。勤めている方が一族のケースが多い。こういった企業に関してはほとんど決定権は全て社長にあって、社長宛の手紙やメッセージが一番届きやすい。登録された企業に関しては担当者の方に送っているかもしれないが、手紙を送るときは社長宛に送ると、他の規模の企業よりも動きが速くなるのではないかと思う。
(林委員)
小規模事業者としてやっている立場から話すと、真鍋様の仰る通りで、商工会議所の会合で会うのは全部家族経営の経営者ばかりだった。中小企業は日本の全企業数のうち99.7%を占め、がん対策推進企業アクションは国民全体を向いているとすると、労働者数からいっても中小企業で70%を超えるため、やはり国民全体に何か利益を与えるという観点からすると、ここを開拓することは大変重要だと思う。そういった意味で岩切さんが開拓しようと仰ったのは非常に素晴らしいと私は思う。
先程メールマガジンの話があったが、中小企業の方々はメール自体も使わない方が多い。私が会合でお会いするような方々も、メールは見ないからLINEや電話にしてほしいという方が多い。メールマガジンは、おそらく経営陣に届いても従業員には届かない可能性が高い。それだったら経営トップへの啓発がいいと思う。例えば商工会議所の毎月のニュースと、それに同梱されているチラシは、国や東京都の補助金や助成金等のチラシが混ざっているため経営者がよく見る。そのような中に1枚入っているだけでも違う。郵送するよりは必ず経営者が見るような商工会議所の封筒などに同梱する方が効果的だと思う。
(中川議長)
私の実家も15名ぐらいの社員数で半分ぐらいが同族だった。おそらくそういうところの社長は父も含めメールなどに慣れていなく、一番確実なのは携帯電話のショートメッセージなのかと感じる。
おそらく小規模事業者の経営者に我々がアプローチできる方法で最も有力なのは大同サーベイである。その中で負担のない形で吸い上げることができればと思う。
(岩切副議長)
規約を改正して2名のメールアドレスを登録する形になった。しかし小さい企業だと1人だけかもしれない。ただアドレスだけはきちんと企業アクションとしては繋がっている。メールマガジンがいいのかどうなのかについては、そのアドレスを通じて届くということは一つ方法としてありだと感じる。また先程の商工会議所のやり方についても、良いのではないかと思っている。意見をいろいろいただいて参考になった。
(林委員)
先程の中川先生の話がすごく良く、ヒントだと感じたのが、世代的にショートメッセージに対応している人がとても多いことである。ショートメッセージで短い文章とホームページのリンクだけ貼っておけば、ページに飛んでもらうことはそんなに大変じゃない。その辺も何か仕組みとしてあり得るかと思う。
(園川様)
中小企業の登録が増えているということに対して、登録に至った期待があると思う。その期待がどのようなものなのかということを把握して他の一般企業にも伝える。それが結果的に登録企業数の増加に繋がるのではないかと思っている。今登録のきっかけだけを把握している状態だが、どういったことを期待し、どのようなことをやりたいと思っているのか調べてみることが、最短ではないかと思う。
(岩切副議長)
当初は項目がホームページを見てだけだったが、それだけではわからないためそのきっかけは何だったのかを書いてもらう形式にした。そのため理由はある程度わかるが、改めていくつかに取材をするのも方法としていいのではないかと思う。同時に、もしかしたらこれを期待してというよりも、がんのことを知りたい、情報を得たいというような理由も多いような気もする。
ショートメールの件ついては、個人情報との絡みがあると思うので少し考えたい。
(中川議長)
来月のボード会議ではLINEを使った勧奨の話をしていただく。LINEの活用も考えてもいいのかもしれない。ただ林先生が仰っていたように、やはり携帯のショートメールのメッセージが一番多いと思う。社長の携帯番号を知るというのは重要だという気がしている。
(岩切副議長)
登録している人に、社長にショートメールで情報を送ることも可能です、よろしければ教えてくださいというようなことを投げてみるのもいいかもしれない。
(中川議長)
登録のときの情報の取り方は変更するなども検討して、先方が何を望んでいるのか知ることが大事だと思う。
(若尾委員)
中小企業の定義が分類と異なっている。この数はもう少しいろいろなところで使えるものに直した方がいいのではないかと思う。業種によっても違うが、多くは300とか50という数で切るのが一般的である。この円グラフの数値はどのような根拠で選んだのか。
(岩切副議長)
これは企業の規模数で選んだ。大同生命さんのアンケートのときもこの規模数で分けた。かなりの企業が9人以下が多いというようなことがわかり、これを段階的に分けようとやってみた。中小企業の定義とは別に、もう少し小規模企業ということに焦点を当てていくべきではないかとなった。
(中川議長)
若尾先生が仰ることもよくわかるが、この辺の議論はずいぶん行った。大同サーベイのときもそうだが、ターゲットとして狙っていくという視点の中でこういう分け方をしている。ただオフィシャルな区分とは違うということはわかっているので、明示していく必要もあるのかもしれないと思う。
議題4 今後の“啓発戦略”について
1 新ロゴマークについて
(事務局 岡村)
新ロゴマークについて。基本計画に役割、利活用が初掲載されたこと、また企業アクションが新たなステージに立ったことを機に、ロゴマークも新しくし、新しいステージにふさわしいようにと思い制作させていただいた。今まで黒一色だったが、このようなデザインとし、ポップなデザインにさせていただいた。
(岩切副議長)
何種類も試したがこれが一番いい色合いだった。非常に明るい感じになった。カラフルで、文字が多い分そこを左側のところで軽くしたことで使いやすくなり、いろいろな資料を送るときにもより目立つのではないかと思っている。
(若尾委員)
おそらく媒体の関係でモノクロしか使えないこともあるので、同デザインのモノクロも同じような扱いにするルールを決めておくことが大事だと思う。
(岩切副議長)
モノクロの使用はこれから使用規約のところで注意書きに記載する。
(中川議長)
新ロゴそのもののモノクロ版も同時に用意するということである。
(伊藤委員)
今まで一色だったときはあまりこのマークに意味を感じていなかった。しかし色が入ったことで、C はCancerのCなのではないかと、それぞれの形に意味合いを感じるようになった。
(林委員)
ロゴマークの意味合いは大変重要である。ロゴデザインは何を持って整理するかというと、やはり訴求性と意味合いだと思う。ロゴに意味があった方が面白く、よく企業のサイトではロゴの意味合いが書いてあり、それが企業のミッションビジョンを表していたりすることもある。どのような過程でこのマークになったか存じ上げていないが、何か意味があれば教えていただきたい。
(鈴木様)
認定講師として講演する際、決定次第新ロゴを使わせていただきたい。
(難波委員)
色がついてとてもいいなと思う。私はカラーアナリストの仕事を以前やっていた。ブルーは信頼の象徴的な色であったり、グリーンは柔らかさや親しみやすさという色でもあるため、大変組み合わせ的にも素敵である。
(中川議長)
カラーアナリストの難波さんからいいと仰っていただいているのでよろしいのではないか。ぜひ皆さんにこれから活用していただきたい。
(事務局 岡村)
使用開始できる日は改めてご案内させていただき、それまでに規定等を進めていきたいと思っている。パートナー企業様の使用は、早ければ9月を目途に使用できるようにさせていただければと思っている。
(中川議長)
事前の案内は、パワーポイント等で全員にお送りいただくといいと思う。
(岩切副議長)
今月のメールマガジンはロゴができたことをトップに持ってきている。
2 HPVワクチンの男子接種について(11市区町村に拡大)
(岩切副議長)
男子への定期接種について私が把握している11の市区町村をいくつかお伝えすると、例えば千葉県のいすみ市は、申請数が4月の段階では20人だったものが6月末時点では41人に増えている。秋田県のにかほ市は補助対象をわかりやすくするという面から、対象を中学1年生からとしている。小学校6年生からにしていないところが、弾力的にやっているように感じる。
更にここらからは新しいところである。山形県の南陽市は12歳以上26歳以下を対象として2023年6月度より実施をしている。群馬県の桐生市は人口が約10万人と多く、小学校6年生~高校1年生を対象とし2023年4月から実施している。北海道新篠津村は中学1年生から高校1年生を対象とし2023年4月より実施している。こちらは電話で確認したところ国が2022年4月に男子への定期接種をOKとした段階からやりたいという思いがあったとのことだった。また、静岡県の藤枝市は2024年からの実施を検討している。6月の議会で提案があり市長が実施の意向を示したようだ。静岡県富士市は人口約25万人と大きなところだが、ここも6月の議会で市長が実施意向を示し、これから医師会や薬剤師会と協議して協力を要請するようだ。開始時期、対象者、公費助成の中身の調整等を行っていくとのことである。来年4月からほぼ間違いなく実施するだろう。このように人口が大きなところもあり、男子の定期接種が進むことによって、女子の定期接種にもプラスの面が多くなっていくと感じる。
(中川議長)
男女ともワクチン接種が85%接種されると本当に撲滅が視野に入ってくる。オーストラリアはそういう方向にある。
(岩切副議長)
渋谷区から、がん教育を今年度から全中学校で実施になったと連絡をもらった。これは医師会と折衝するが、既に南谷先生にやっていただいていたところがあり、そこは引き続きやってもらうとのことだった。厚生労働省のこのようなことに詳しい方からは、「男子の接種は極めて重要な課題です、ぜひ広げるべきだと思います」というメッセージをいただいた。
3 メルマガへの関心の高さについて
(岩切副議長)
がん経験者の団体の幹部から「いつもメルマガを楽しみに拝読しております」というメッセージをいただいた。メールマガジンはアフラックの伊藤さんを含め、このような形で期待を持っていただけるということは大変ありがたい。今回のメールマガジン「医師の診る四季」で、多部未華子さん、生田斗真さん主演で、阿南さんも関係した「幸運なひと」というドラマを扱わせていただいた。がん研有明病院の高野利実先生が医療監修されていて、その裏舞台みたいなことを書いていただいた。
議題5 その他
1 花木様の新刊本の紹介
(岩切副議長)
認定講師の花木さんが『キャンサーロスト「がん罹患後」をどう生きるか』という新しい本を出された。認定講師の方がこのような本を出し、このようなことを考えているのかと、それが出張講座に繋がることがあると思うので、今日参加の方々も本だけではなく、何かメールマガジンで紹介させていただくようなことがあればぜひ連絡いただきたい。
(事務局 藤田)
次回は8月24日木曜日にオンラインにて開催させていただく。